戦国姫 (せんごくき)

メマリー

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第30話

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年月が経ち、虎千代の神通力を制御してきた光育の法力が陰りを見せ始めた。虎千代は一四歳に成長していた。

「この五年、我が法力で何とか制してきたが、もはやこれまでか」

光育は己の両手を見つめて、不甲斐なさに溜息をつくと共に日毎に増大し続ける虎千代の魔力の大きさに恐怖した。

「何とかしなければ」

光育は虎御前を寺に呼び寄せ、陰日向なく現状を伝えた。

虎御前は当惑し目を泳がせた。

「どうすれば」

「虎千代殿の力を封じ込める何かが必要です。玉や勾玉程度のものでは虎千代殿の力は封じ切れません」

光育はそこまで言うと大きなため息をついた。
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