75 / 119
2 冒険者登録
町に向けて出発だ5
しおりを挟む
「ハイドさんは町から逃げ出すことは出来ない。その結果待っているのは死ですよね」
話を聞いて考えた結果を口にすると、絶望しか残らない。
多分それは確定に近いだろう。
領主であるお祖父さんが生きている間は流石に領主も叔父さんの事を押さえていてくれるけれど、その後は無理だろう。
そして、お祖父さんから代替わりして、叔父さんが領主になったらやりたい放題だろう。
王政をとっていると言っても、この国の領地での神は領主だ。
刑罰も税も領主の判断で決まると言ってもいい。
国は基本領地を治めて税をきちんと国に納めていれば、大抵の事は見逃してくれるというか野放しなのだ。
それでよく国が纏まってるなあと思うけど、国王の先祖が神によってその地位を与えられたという話をこの国の人間は信じているらしく、王は神の子で絶対的な存在らしい。
まあ、神の子っていうことは、あの女の手先って事だから俺にとっては敵の扱いになるのだけど、今はまあどうでもいいか。
「そうなりますね」
「叔父さんが領主の跡を継げなくなったとしたら、次の跡継ぎは誰になるんですか」
ハイドさんはどうしたって無理なんだろうか?
いくらいい人でも奴隷商人で領主は駄目か。
「残っている祖父の子供は女性ですから、その息子になりますね」
「そちらはまだマシですか」
聞き方が酷いけど、他に聞きようが無い。
「マシというか、叔父以外の者は皆慎ましい者ばかりですよ」
「そうなんですか、失礼しました」
それじゃ叔父さんだけが酷いのか、あとお祖父さん。
いや、でもお祖父さんは途中からおかしくなったのか、お祖母さんを亡くしてから。
余程ショックだったのかな、それで自棄になったとか。でも、なんか引っ掛かるな。
「ハイドさんは無理だと仰いましたが、やはり叔父さんを捕まえるのが筋だと思うんです。でも、ギルドを巻き込むのは難しいんですよね」
「そう思います」
「お祖父さんを説得することは出来ませんか。少しでも良心があるなら話し合いに応じてくれるとか、不可能でしょうか」
「昔の祖父なら応じてくれたでしょうが、今はどうでしょう」
「ハイドさんは最後にお祖父さんと会ったのは」
「父の葬儀の時ですね。それ以後は叔父に阻まれて会うことが出来ませんかでした。叔母、父の妹達とは今も行き来がありますが」
やっぱり癌は叔父さんなんだなあ、さてどうしよう。
あ? あれ?
「アルキナ、なんか声がしないか」
探索に引っ掛かった気配に、慌てて御者台に座るアルキナに声を掛ける。
まだ少し先だな。うーん?
「声? 声はしないが、あ! 砂煙が見えるぞ。ジェシー!」
「分かった!」
「え、ジェシー。おい、アルキナッなんでキョーナまで連れてくんだよっ」
アルキナに指示されジェシーは、キョーナを馬に乗せたまま砂煙の様子を見に行ってしまった。
探索詳細。ゴブリンが二匹、オークと戦っている?
「ジェシーは無理したりしないから平気だ。それより俺達も行くぞ。ハイドさんはテリー達と一緒に居てください。テリー頼んだぞ」
「了解っ」
ハイドさんを下ろしてすぐ、俺達も馬車でジェシーの後を追いかける。
「なんで馬車の中であれに気がつくんだ?」
「なんか声が聞こえた気がしたんだよ」
探索のスキルの話しは出来ないから、適当なことを言ってごまかす。
砂煙は探索の通り、ゴブリンとオークが戦って出来たものだった。オークの半分位の大きさのゴブリンが棍棒を持って戦っているけど、体の大きさが仇となっているのか、素手のオークの方が優勢に見える。
「すげえな、ゴブリンとオークの戦いなんて珍しいぞ」
やっとジェシーに追い付いて、馬車を下りると丁度ゴブリンがオークに殺られたところだった。
オークはかなり気が立っているけれど、疲労も見える。
これならキョーナでもいけそうだ。
「あのオーク、キョーナの練習台に貰ってもいいか?」
「お、いいぞ。今夜はオーク肉のステーキだな」
俺の問いにアルキナはノリノリで頷くから、馬に乗ったままのキョーナに下りる様に指示を出す。
俺はオーク肉好きじゃ無いんだけどなあ。
「キョーナ、練習。オークの頭を狙って打て、遠慮無しでいいぞ」
「は、はいっ。我は望む、彼の敵へ天の怒りよ降り注げライトニング!」
杖を握りしめたキョーナは、力一杯詠唱しオークの頭にライトニングを命中させた。
「凄いわキョーナちゃん!」
「キョーナ、ちょっとやりすぎだな」
ライトニングたったの一回。それでオークは動かなくなって倒れたけど、頭が黒こげだ。
「胴体は、おっ。無事だな。いいぞ」
「凄いわあ。これなら肉もいけそうね」
「そうだなあ。アルキナ周囲を見てくれ、他に仲間はいないよな」
探索で安全なのは確認済みだけど、アルキナに周囲を確認してもらう。
魔物を倒しても最終確認は怠らない。これ込みでキョーナの練習だ。
「大丈夫、他の気配は無い。ジェシー、テリー達に伝えて来てくれ、俺はゴブリンの様子を見てくる」
「はいはーい」
呑気な返事をしてジェシーはテリー達が居る馬車の方へ馬を走らせていった。
「ジュン、駄目だった?」
やりすぎと言ったのがまずかったのか、キョーナはしょんぼりとした顔で俺を見ている。
「いや、上出来だったぞ。ちょっと魔力使いすぎだったけどな」
多分魔力を20位使ってるだろう、オークなら10でも多いくらいだ。まあ、一度で仕留めたんだから今回は良いかな。
「あんまり使いすぎると、数が出たとき困るだろ。適量を覚えよう。今回の宿題はそれくらいだよ」
「うん。分かった」
「でも一回で仕留めたんだから凄いよ」
「本当?」
「ああ、立派だよ。な、アルキナ」
ゴブリンの様子を見ているアルキナに声を掛けると「凄いぞ。キョーナちゃん」と誉め始めた。
「えへへ」
「ゴブリンの魔石取ったぞ、これはキョーナちゃんかな」
「え」
アルキナが差し出した魔石を、キョーナは首を傾げて見つめた後俺に判断を仰ぐように振り替える。
「ゴブリンは退治してないぞ」
「冒険者になって初めての魔物討伐だろ。お祝いだよ」
「いいのか?」
「ああ、勿論オークの魔石もキョーナちゃんの物だぞ」
「ありがとう。キョーナ、ということだから受け取れよ」
アルキナはこういう気の使い方する奴なのか。
ずっと冒険者として生きてきたからこそなんだろうな。
俺にとっては冒険者だろうが、なんだろうがただの肩書きだけど。
「アルキナさん、ありがとう」
魔石を受け取ったキョーナの顔は、今まで一番嬉しそうだった。
話を聞いて考えた結果を口にすると、絶望しか残らない。
多分それは確定に近いだろう。
領主であるお祖父さんが生きている間は流石に領主も叔父さんの事を押さえていてくれるけれど、その後は無理だろう。
そして、お祖父さんから代替わりして、叔父さんが領主になったらやりたい放題だろう。
王政をとっていると言っても、この国の領地での神は領主だ。
刑罰も税も領主の判断で決まると言ってもいい。
国は基本領地を治めて税をきちんと国に納めていれば、大抵の事は見逃してくれるというか野放しなのだ。
それでよく国が纏まってるなあと思うけど、国王の先祖が神によってその地位を与えられたという話をこの国の人間は信じているらしく、王は神の子で絶対的な存在らしい。
まあ、神の子っていうことは、あの女の手先って事だから俺にとっては敵の扱いになるのだけど、今はまあどうでもいいか。
「そうなりますね」
「叔父さんが領主の跡を継げなくなったとしたら、次の跡継ぎは誰になるんですか」
ハイドさんはどうしたって無理なんだろうか?
いくらいい人でも奴隷商人で領主は駄目か。
「残っている祖父の子供は女性ですから、その息子になりますね」
「そちらはまだマシですか」
聞き方が酷いけど、他に聞きようが無い。
「マシというか、叔父以外の者は皆慎ましい者ばかりですよ」
「そうなんですか、失礼しました」
それじゃ叔父さんだけが酷いのか、あとお祖父さん。
いや、でもお祖父さんは途中からおかしくなったのか、お祖母さんを亡くしてから。
余程ショックだったのかな、それで自棄になったとか。でも、なんか引っ掛かるな。
「ハイドさんは無理だと仰いましたが、やはり叔父さんを捕まえるのが筋だと思うんです。でも、ギルドを巻き込むのは難しいんですよね」
「そう思います」
「お祖父さんを説得することは出来ませんか。少しでも良心があるなら話し合いに応じてくれるとか、不可能でしょうか」
「昔の祖父なら応じてくれたでしょうが、今はどうでしょう」
「ハイドさんは最後にお祖父さんと会ったのは」
「父の葬儀の時ですね。それ以後は叔父に阻まれて会うことが出来ませんかでした。叔母、父の妹達とは今も行き来がありますが」
やっぱり癌は叔父さんなんだなあ、さてどうしよう。
あ? あれ?
「アルキナ、なんか声がしないか」
探索に引っ掛かった気配に、慌てて御者台に座るアルキナに声を掛ける。
まだ少し先だな。うーん?
「声? 声はしないが、あ! 砂煙が見えるぞ。ジェシー!」
「分かった!」
「え、ジェシー。おい、アルキナッなんでキョーナまで連れてくんだよっ」
アルキナに指示されジェシーは、キョーナを馬に乗せたまま砂煙の様子を見に行ってしまった。
探索詳細。ゴブリンが二匹、オークと戦っている?
「ジェシーは無理したりしないから平気だ。それより俺達も行くぞ。ハイドさんはテリー達と一緒に居てください。テリー頼んだぞ」
「了解っ」
ハイドさんを下ろしてすぐ、俺達も馬車でジェシーの後を追いかける。
「なんで馬車の中であれに気がつくんだ?」
「なんか声が聞こえた気がしたんだよ」
探索のスキルの話しは出来ないから、適当なことを言ってごまかす。
砂煙は探索の通り、ゴブリンとオークが戦って出来たものだった。オークの半分位の大きさのゴブリンが棍棒を持って戦っているけど、体の大きさが仇となっているのか、素手のオークの方が優勢に見える。
「すげえな、ゴブリンとオークの戦いなんて珍しいぞ」
やっとジェシーに追い付いて、馬車を下りると丁度ゴブリンがオークに殺られたところだった。
オークはかなり気が立っているけれど、疲労も見える。
これならキョーナでもいけそうだ。
「あのオーク、キョーナの練習台に貰ってもいいか?」
「お、いいぞ。今夜はオーク肉のステーキだな」
俺の問いにアルキナはノリノリで頷くから、馬に乗ったままのキョーナに下りる様に指示を出す。
俺はオーク肉好きじゃ無いんだけどなあ。
「キョーナ、練習。オークの頭を狙って打て、遠慮無しでいいぞ」
「は、はいっ。我は望む、彼の敵へ天の怒りよ降り注げライトニング!」
杖を握りしめたキョーナは、力一杯詠唱しオークの頭にライトニングを命中させた。
「凄いわキョーナちゃん!」
「キョーナ、ちょっとやりすぎだな」
ライトニングたったの一回。それでオークは動かなくなって倒れたけど、頭が黒こげだ。
「胴体は、おっ。無事だな。いいぞ」
「凄いわあ。これなら肉もいけそうね」
「そうだなあ。アルキナ周囲を見てくれ、他に仲間はいないよな」
探索で安全なのは確認済みだけど、アルキナに周囲を確認してもらう。
魔物を倒しても最終確認は怠らない。これ込みでキョーナの練習だ。
「大丈夫、他の気配は無い。ジェシー、テリー達に伝えて来てくれ、俺はゴブリンの様子を見てくる」
「はいはーい」
呑気な返事をしてジェシーはテリー達が居る馬車の方へ馬を走らせていった。
「ジュン、駄目だった?」
やりすぎと言ったのがまずかったのか、キョーナはしょんぼりとした顔で俺を見ている。
「いや、上出来だったぞ。ちょっと魔力使いすぎだったけどな」
多分魔力を20位使ってるだろう、オークなら10でも多いくらいだ。まあ、一度で仕留めたんだから今回は良いかな。
「あんまり使いすぎると、数が出たとき困るだろ。適量を覚えよう。今回の宿題はそれくらいだよ」
「うん。分かった」
「でも一回で仕留めたんだから凄いよ」
「本当?」
「ああ、立派だよ。な、アルキナ」
ゴブリンの様子を見ているアルキナに声を掛けると「凄いぞ。キョーナちゃん」と誉め始めた。
「えへへ」
「ゴブリンの魔石取ったぞ、これはキョーナちゃんかな」
「え」
アルキナが差し出した魔石を、キョーナは首を傾げて見つめた後俺に判断を仰ぐように振り替える。
「ゴブリンは退治してないぞ」
「冒険者になって初めての魔物討伐だろ。お祝いだよ」
「いいのか?」
「ああ、勿論オークの魔石もキョーナちゃんの物だぞ」
「ありがとう。キョーナ、ということだから受け取れよ」
アルキナはこういう気の使い方する奴なのか。
ずっと冒険者として生きてきたからこそなんだろうな。
俺にとっては冒険者だろうが、なんだろうがただの肩書きだけど。
「アルキナさん、ありがとう」
魔石を受け取ったキョーナの顔は、今まで一番嬉しそうだった。
0
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語
ヒィッツカラルド
ファンタジー
ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態パラダイス✕脱線大暴走ストーリー=166万文字完結÷微妙に癖になる。
変態が、変態のために、変態が送る、変態的な少年のハチャメチャ変態冒険記。
ハクスラとはハックアンドスラッシュの略語である。敵と戦い、どんどんレベルアップを果たし、更に強い敵と戦いながら、より良いマジックアイテムを発掘するゲームのことを指す。
タイトルのままの世界で奮闘しながらも冒険を楽しむ少年のストーリーです。(タイトルに一部偽りアリ)
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる