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番外編
おまけ 愛のかたち9 (陛下視点)
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「大変申し訳ございません。陛下……あの……」
余とデルロイとの時間を邪魔するなどあってはならぬことだ。それを良く知っている筈の侍従が扉を叩き入室の許可を得るなら余程の出来事の筈。
それを理解している侍従を理不尽に叱責等せぬというのに、顔色を悪くしておどおどと部屋の中に入って来た侍従はなかなか用件を言わなかった。
「どうした。そんなに顔色を悪くして、陛下のお時間を邪魔しているのは私なのだからこちらは気にしなくていいのだよ。遠慮せずに話しなさい」
「申し訳ございません王弟……ウィンストン公爵閣下」
侍従はうっかりと余の前で失言した。
すでに臣籍降下し公爵位になっていても、デルロイは余の大切な弟であることは間違いない。
だから余の前でだけ、侍従には昔と同じく王弟殿下とデルロイを呼ばせている。
それは余がデルロイが王籍から抜けている事を本心では認めていないからだ。だが、それは本人の前では隠しているというのに、なぜ今日に限って失言するのか。
いや、それ程動揺しておるのだろう。
「さあ陛下に報告なさい。あなたが陛下に真摯に仕えていると私はよく理解していますよ」
優しいデルロイは聞こえなかった振りをして、侍従に促す。
兄上と久しぶりに呼んでくれていた幸せな時間は終わってしまったと残念に感じながら、侍従に熱のない視線を向けると「王妃様がお倒れになりました」と視線を伏せがちに報告してきた。
「王妃様が? 体調を崩されていたのですか」
「いいえ。今朝はいつも通り朝食を召し上がられて、第一王子妃殿下と来月のお茶会の打ち合わせをされていたとのことですが」
「王子妃は」
「第一王子妃殿下は何も」
「毒などではないのだな。どこまで広まっている」
何も問題が無かった人間が突然倒れたとなれば、疑われるのは毒の類だ。
判断能力が落ちるものを王妃に密かに与えていても、日常生活が出来ないわけでは無い。
ただ悪事を働ける程の思考能力が無いというだけで、急に倒れるものではないのだ。
事実王妃は問題なく今まで過ごしていた。
「毒、い、いいえ。治癒師はその様な事は言っていない様です。ただ倒れた際に王子妃殿下が騒がれましてすでに王子宮まで情報が広まっております」
「ちっ、あの王子妃はまともな思考をもっておらぬな。それで、王妃の意識はあるのか」
「ございません」
毒でも病でもなく倒れるというのは、何かの陰謀めいたものを感じてしまう。
それはデルロイも同じなのだろう、ちらちらと余を見ながら何か考えている様だ。
「王妃宮に向かう」
「陛下」
「デルロイはここにいなさい」
立ち上がり扉に向かう余に続く様に立ち上がったデルロイに、ここに留まる様に声を掛ける。
「一緒に行ってはいけませんか」
「不愉快なものをわざわざ見る必要はないのだぞ」
「陛下の御身が心配なのです。私のような頼りない存在でも陛下のお側にいることは出来ますから」
「そなたが頼りない? 余の心の支えはそなた唯一人だと知らぬのか。余がそなたの愛するものを守れなかったのだ頼りないのはそなたでは無く余なのだ。デルロイ、そなたは何も恥じることはない。余を恨み責めてくれデルロイ不甲斐ないこの兄を」
王妃に大切な妻と娘を害され続けても、国のために我慢していた我が弟、余はデルロイを愛しい弟と思いながら苦しみを強いていた。
ダニエラの夫の秀でた能力で、国境の守りを強化出来ねばデルロイの苦しみは続いていただろう。
あの女を見張るために妻にしたというのに、余は無能を晒したも同じだと言うのに、デルロイは余ではなく自分が無力だというのだ。
「それは仕方が無かったのです。私とて王家の血を引く者の一人です。私達の命より国を守る事が大切だとりかいしております。それに私も妻も陛下が守ろうとしてくださっていた事を存じております。私は陛下の弟として生まれたことを厭うたことは一度もありません。恨むなどとんでもないことです。どうか尊敬する兄上の弟として、これからも側にいさせて下さい」
優しきデルロイの言葉に、侍従はその場に跪くと額を床に擦り付けた。
ずっと余の側にいて、余の苦悩を知り尽くした男だ。
余の愛する弟、一度は妻にと考えた女性、二人を守れなかった余の無念を見続けた侍従は、今のデルロイの言葉に余以上に救われたのかもしれない。
デルロイは自分の大切な者達の安全より国を優先して来たのだ、誇り高い弟が王妃の愚行を裁くことなく屈辱と苦しみに耐えて来た。そしてそれを強いて来た余を許してくれる。
ここで決断しなければ、好き勝手をし続けた王妃を裁くのは弟では無く余だ。
「デルロイ、王妃はもしかするとこのまま目を覚まさぬかもしれぬ。王子妃に命を狙われたのだ。そうだな侍従」
「へ、陛下っ」
「侍従よ、治癒師に責任はない。体内に入ってすぐは調べても分からない、そういう毒も存在する。確か王子妃の祖国には解毒薬のない毒があったな」
王子妃の犯行、そんな度胸はあの者にはないだろう。
だが、その疑いを言えば一時的に第一王子と王子妃の動きを封じることは出来る。
その間に第二王子の立太子を進め、第一王子と辺境伯の策略を阻止する。
「侍従、影を使え。もう一度調べれば毒の反応は出るだろうそれは余が治癒師にやらせる。……余はこれから王妃の宮に向う」
「……畏まりました」
余の指示を正しく理解した侍従は、よろめきながら立ち上がり部屋を出ていった。
王妃の命が終わる。余が終わらせる。
余は万感の思いを胸にデルロイを一瞬だけ抱きしめた。
「あに、兄上?」
「デルロイ、余は誓う。そなたの大切な者達が憂いなく過ごせる未来を作ると」
最愛の弟と弟の大切な者達を守るために、余は王になった。そのためだけに余は生きている。
「守る、必ず」
余の誓いに、デルロイはただ呆然と余を見つめるだけだったのだ。
※※※※※※※※
猫かぶりダニエラ父。
侍従は本気で「陛下、良かったですね。王弟には殿下は何てお優しいのだろう」と感動しています。
余とデルロイとの時間を邪魔するなどあってはならぬことだ。それを良く知っている筈の侍従が扉を叩き入室の許可を得るなら余程の出来事の筈。
それを理解している侍従を理不尽に叱責等せぬというのに、顔色を悪くしておどおどと部屋の中に入って来た侍従はなかなか用件を言わなかった。
「どうした。そんなに顔色を悪くして、陛下のお時間を邪魔しているのは私なのだからこちらは気にしなくていいのだよ。遠慮せずに話しなさい」
「申し訳ございません王弟……ウィンストン公爵閣下」
侍従はうっかりと余の前で失言した。
すでに臣籍降下し公爵位になっていても、デルロイは余の大切な弟であることは間違いない。
だから余の前でだけ、侍従には昔と同じく王弟殿下とデルロイを呼ばせている。
それは余がデルロイが王籍から抜けている事を本心では認めていないからだ。だが、それは本人の前では隠しているというのに、なぜ今日に限って失言するのか。
いや、それ程動揺しておるのだろう。
「さあ陛下に報告なさい。あなたが陛下に真摯に仕えていると私はよく理解していますよ」
優しいデルロイは聞こえなかった振りをして、侍従に促す。
兄上と久しぶりに呼んでくれていた幸せな時間は終わってしまったと残念に感じながら、侍従に熱のない視線を向けると「王妃様がお倒れになりました」と視線を伏せがちに報告してきた。
「王妃様が? 体調を崩されていたのですか」
「いいえ。今朝はいつも通り朝食を召し上がられて、第一王子妃殿下と来月のお茶会の打ち合わせをされていたとのことですが」
「王子妃は」
「第一王子妃殿下は何も」
「毒などではないのだな。どこまで広まっている」
何も問題が無かった人間が突然倒れたとなれば、疑われるのは毒の類だ。
判断能力が落ちるものを王妃に密かに与えていても、日常生活が出来ないわけでは無い。
ただ悪事を働ける程の思考能力が無いというだけで、急に倒れるものではないのだ。
事実王妃は問題なく今まで過ごしていた。
「毒、い、いいえ。治癒師はその様な事は言っていない様です。ただ倒れた際に王子妃殿下が騒がれましてすでに王子宮まで情報が広まっております」
「ちっ、あの王子妃はまともな思考をもっておらぬな。それで、王妃の意識はあるのか」
「ございません」
毒でも病でもなく倒れるというのは、何かの陰謀めいたものを感じてしまう。
それはデルロイも同じなのだろう、ちらちらと余を見ながら何か考えている様だ。
「王妃宮に向かう」
「陛下」
「デルロイはここにいなさい」
立ち上がり扉に向かう余に続く様に立ち上がったデルロイに、ここに留まる様に声を掛ける。
「一緒に行ってはいけませんか」
「不愉快なものをわざわざ見る必要はないのだぞ」
「陛下の御身が心配なのです。私のような頼りない存在でも陛下のお側にいることは出来ますから」
「そなたが頼りない? 余の心の支えはそなた唯一人だと知らぬのか。余がそなたの愛するものを守れなかったのだ頼りないのはそなたでは無く余なのだ。デルロイ、そなたは何も恥じることはない。余を恨み責めてくれデルロイ不甲斐ないこの兄を」
王妃に大切な妻と娘を害され続けても、国のために我慢していた我が弟、余はデルロイを愛しい弟と思いながら苦しみを強いていた。
ダニエラの夫の秀でた能力で、国境の守りを強化出来ねばデルロイの苦しみは続いていただろう。
あの女を見張るために妻にしたというのに、余は無能を晒したも同じだと言うのに、デルロイは余ではなく自分が無力だというのだ。
「それは仕方が無かったのです。私とて王家の血を引く者の一人です。私達の命より国を守る事が大切だとりかいしております。それに私も妻も陛下が守ろうとしてくださっていた事を存じております。私は陛下の弟として生まれたことを厭うたことは一度もありません。恨むなどとんでもないことです。どうか尊敬する兄上の弟として、これからも側にいさせて下さい」
優しきデルロイの言葉に、侍従はその場に跪くと額を床に擦り付けた。
ずっと余の側にいて、余の苦悩を知り尽くした男だ。
余の愛する弟、一度は妻にと考えた女性、二人を守れなかった余の無念を見続けた侍従は、今のデルロイの言葉に余以上に救われたのかもしれない。
デルロイは自分の大切な者達の安全より国を優先して来たのだ、誇り高い弟が王妃の愚行を裁くことなく屈辱と苦しみに耐えて来た。そしてそれを強いて来た余を許してくれる。
ここで決断しなければ、好き勝手をし続けた王妃を裁くのは弟では無く余だ。
「デルロイ、王妃はもしかするとこのまま目を覚まさぬかもしれぬ。王子妃に命を狙われたのだ。そうだな侍従」
「へ、陛下っ」
「侍従よ、治癒師に責任はない。体内に入ってすぐは調べても分からない、そういう毒も存在する。確か王子妃の祖国には解毒薬のない毒があったな」
王子妃の犯行、そんな度胸はあの者にはないだろう。
だが、その疑いを言えば一時的に第一王子と王子妃の動きを封じることは出来る。
その間に第二王子の立太子を進め、第一王子と辺境伯の策略を阻止する。
「侍従、影を使え。もう一度調べれば毒の反応は出るだろうそれは余が治癒師にやらせる。……余はこれから王妃の宮に向う」
「……畏まりました」
余の指示を正しく理解した侍従は、よろめきながら立ち上がり部屋を出ていった。
王妃の命が終わる。余が終わらせる。
余は万感の思いを胸にデルロイを一瞬だけ抱きしめた。
「あに、兄上?」
「デルロイ、余は誓う。そなたの大切な者達が憂いなく過ごせる未来を作ると」
最愛の弟と弟の大切な者達を守るために、余は王になった。そのためだけに余は生きている。
「守る、必ず」
余の誓いに、デルロイはただ呆然と余を見つめるだけだったのだ。
※※※※※※※※
猫かぶりダニエラ父。
侍従は本気で「陛下、良かったですね。王弟には殿下は何てお優しいのだろう」と感動しています。
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