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番外編

ほのぼの日常編2 くもさんはともだち8(蜘蛛視点)

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「……とりあえず、マチルディーダは使役の能力があると分かったな。まさかこんなに簡単に契約出来るとは思わなかったが、さすが主の子だ」

 子からの追及を誤魔化し蜘蛛は素直に驚きを口にした。
 蜘蛛が子に言い含めていたとしても、幼い子が初めて使う能力だから何度か失敗して当然だと思っていた。
 魔法の発動に慣れている主や、主に付き添っていた魔法師団の人間達なら兎も角三歳の幼児がそれを行ったのだから、成功しなくても仕方がない。
 だが能力があれば、万が一出来るかもしれない。
 命を狙われ続けたダニエラ、その元凶の牙は抜いたとは言え次の災いの元になるかもしれない者がいるのだから、一日でも早くマチルディーダの身を守るものが欲しい。
 そう思っての試しだったが、たった三歳のマチルディーダはそれをやり遂げてしまった。
 しかも、半分寝ぼけて、使役の契約など意識すらせずに行ったのだ。

 なんて、愉快なんだろう。
 生まれてすぐに魔物が狩れる蜘蛛の子と違い、人の子のマチルディーダは三歳の今も早く走る事すら出来ない。
 そんなマチルディーダが、使役の能力を使って契約を成立させてしまったのだ。
 
 なんて、凄いのだろう。
 人なんてたった百年程度も生きるのが難しいというのに。
 主ですら魔法使いの能力がいくら高かろうと人でしかない、人なんてどんなに長く生きても百年がせいぜいだ。 
 蜘蛛は魔物だ、寿命は人間に比べたら遥かに長い。
 だけど、こんな奇跡の様な真似は蜘蛛には出来ない。

「マチルディーダは凄いな、主」

 感動のままマチルディーダを称えると、主は「ダニエラの子なんだから凄いのは当たり前だ」と、少々困った事を言い出す。
 主は、自分の娘だからとは言わない。
 ダニエラの娘だから、ダニエラの子だからと言う。
 まるで自分の血が入っている事が悪の様に、頑なにそう言うのだ。
 ダニエラは「私とディーンの子供達」と、言うのに。
 それが蜘蛛には悲しくて辛い、だがいつか「自分の子だから」と言える日がくると蜘蛛は信じている。

「ああ、マチルディーダ眠いのだな。可愛いなあ」

 まだ眠くて、主に抱かれながらむにゃむにゃ言っているマチルディーダの様子に、蜘蛛は愛おしさを感じ見惚れてしまう。
 まだ言葉をあまり話せないアデライザも愛らしいが、生まれた時の事があるせいか蜘蛛はどうもマチルディーダを贔屓しがちだ。

「ああ、凄くて可愛いんだ。マチルディーダは可愛いんだよ。アデライザも可愛い。二人共可愛すぎるんだ、ダニエラの娘だから当たり前なのかもしれないが。毎朝二人の顔を見ていると夢なんじゃないかって思うんだ」

 誇らしげに言う主は、何と言うか少し馬鹿っぽい。
 だが、ダニエラはこういう主が可愛いと言う。
 そこは、いくら蜘蛛が主の使役獣だと言っても頷けないところだ。

「主、使役獣の契約が成ったのだから、今後マチルディーダに魔力を頂かないといけないが、それは出来るのだろうか」
「魔力……? そうだな。暫くは私の魔力を渡してもいいが、契約を奪ってしまいかねないな」
「繋がりが強くなる前に他者の魔力は与えない方がいいと、蜘蛛は思う」
「そうだろうな。マチルディーダに魔石への魔力注入を覚えさせるから、暫くはそれで凌いでもらえるか」

 主は少し考えた後に、そう子に提案してくれた。
 まだまだ幼いマチルディーダでは一人で森に来ることは出来ないし、主が普段森に来る時間はマチルディーダがすでに寝ている時間だから、難しい。
 この子が体を小さくする方法を覚えれば屋敷に連れ帰って貰う事も出来るが、まだまだ未熟だからそんな事は出来ない。
 人の頭程の大きさとはいえ、ダニエラは大丈夫だとしても主に仕えている使用人達は驚いてしまうだろう。
 だが、マチルディーダは魔力注入を覚えられるのだろうか。

「魔力注入は、そんなに簡単に出来る様になるものか」

 魔道具などに使用した魔石は、魔道具発動の為魔力を使うので何度も魔道具を発動するうちに魔石の魔力が無くなってしまう、そこで魔力を注入すればまた魔石は使える様になるらしい。
 空の魔石に魔力を注入するのが、簡単なのか難しいのか分からないが主がそうしようとしているなら、多分出来るのだろう、出来るよな?
 主は魔法関係が優秀過ぎて、たまに凡人には逆立ちしても出来そうにない事を考えつくから、蜘蛛は油断が出来ないのだ。

「まだディーダにはその辺りを教えても覚えられないだろうから、魔石に触れたら安全な範囲で魔力を注入出来る魔法陣を考える。ディーダの安全だ第一だから、魔力が足りなくなったら私の魔力を注ぐから。この程度ならいいんじゃないか」
「駄目だ。主の魔力では、数回待たずに主がマチルディーダから書き換えられてしまうぞ」

 主がほんの少し放出した魔力でも、子にはキツイだろう。
 ちらりと子を見れば、明らかに困惑している顔だった。

『母様の主はなんだか怖いです。こんな凄い方の魔力を頂いてしまったら、契約が書き変えられてしまいます。折角好みの魔力の主を得たというのに。こんなに怖い魔力の主は嫌ですっ』

 怯えた子の声が聞こえて来る。
 蜘蛛が産んだ子の中でも優秀でその分不遜な態度を取りがちな子が怯える姿に、蜘蛛は主の恐ろしさを改めて理解した。

 大魔女郎蜘蛛は、他の魔物を喰らうだけでなく、同種を喰らう事で強くなる。
 蜘蛛は、王家の森の大魔女郎蜘蛛の長として長く生きていた。
 長い長い時を生きて、一体いつから生きているのか分からなくなるくらい長い年月を生きて、主の使役獣になったのだ。
 それはただの気まぐれだった、主の孤独に絆されただけだった。
 主は、契約のあの時蜘蛛に攻撃しなかった。
 蜘蛛の体を、見えない何かで拘束し力を貸して欲しいと希った。
 主の願いは純粋で、自分に寄り添ってくれる者が欲しいと願う心があまりにも哀れで、蜘蛛はうっかり契約を受け入れてしまったのだ。
 あの時の主の魔力も人にしてみたらかなり多く強いものだったが、今の主はそれを遥かに超えている。
 だから、子が怯えるのも分かる。
 魔物にとって惹かれる魔力でも、主では無い者となれば怖いだろう。

「そうか駄目か」
「主の魔力は、蜘蛛達にくれるだけで十分だ。足りなければ魔物を狩る」
「分かった。蜘蛛には手数を掛けるが、マチルディーダの為に頼むよ」
「心配するな」

 蜘蛛の返事に主は嬉しそうに「蜘蛛は頼りになるな」と眠るマチルディーダの顔を覗き込みながら言った。

 子を慈しむ姿は、例えそれが主でもなんだか魔物の心を優しく刺激する。 
 主との契約は、あの時のうっかりは蜘蛛の英断だったと今思う。
 主が幸せになる為の一端を担っていたのは、蜘蛛達だ。

 ニール様の要望を叶える事を生きがいとしていた主は、ニール様の大切な妹殿の望み、つまりダニエラの望みを叶える為なら不眠不休でそれを叶えようとする。
 それが主だった。
 妹殿、過去のダニエラは、お花畑を描いた様なドレスがあったら素敵だとか、真冬でもドレス一枚で寒く無いと良いなとか、暑い時にも汗をかかないと嬉しいとか、コルセットやリボンでぎゅっと縛るのではなく、もっと気軽に着られるドレスが欲しいとか言うものだから、花をドレス生地にそのまま写せる魔法陣を生み出し、薄い魔糸の生地でも真冬でも寒くない糸を生み出したり、寒さ対策が出来たのだから涼しくなる糸等簡単だとばかりに暑さ対策に特化した糸を生み出したり、しまいには伸縮する糸まで作ってしまった。
 これは蜘蛛が優秀なのではないかと、今更だけど思う。

「私の魔力を渡すなら簡単だが、マチルディーダの初めての契約だから、私が邪魔をしてはいけないな」
「そうだな。早く帰って魔力注入用の魔法陣を作ってくれると蜘蛛はありがたく思う」
「ああ、それはすぐに出来る。マチルディーダが疲れない様に魔力の残り三割を切らない様に調整する。蜘蛛それでいいな」
「勿論だ。マチルディーダの安全が一番だからな」

 魔力が足りなければ、魔物を狩って喰えばいいだけだ。
 日々与えられる魔力が少ないと、契約の絆は育ちにくいが大切なのは少しずつでも毎日魔力を与えられるということなんだから。

「それにしても、こんなに幼い子供が使役の能力を使って、本当に大丈夫なのだろうか」

 蜘蛛が考え込んでいたせいなのか、主は不安そうに蜘蛛に聞いて来た。
 久しぶりに見る主の不安そうな顔だ。
 最近見ていなかったから、何と言うかとても懐かしい。
 まだ学生の頃の主は、こういう顔を良くしていた。
 自分の考えは正しいと思いながら、それでも自信がなく、ついでに一緒にいるのが敵という意識はなくむしろ保護者枠の人だったけれど、この頃の主はまだ彼らに心を許せないでいる時期だったから遠慮があった。
 そんな状態の主の頼りは蜘蛛だけだったのだ。

「問題は無いと思うぞ。マチルディーダは落ち着いているだろう。多分マチルディーダはかなり魔力量が多いのだと思うぞ」
「……そうか、蜘蛛がそう言うなら間違いはないな」

 主は安心した様にそう言って、マチルディーダの額についた髪の毛を指先で払う。
 その仕草が優しくて、優し過ぎて、蜘蛛はなんだか嬉しい様な悲しい様な不可思議な気持ちになる。

「主、マチルディーダには早めに魔法の訓練をした方がいいと思う」

 魔力が多い子は魔力暴走を起こしやすいと書物で読んだことがある。
 ニール様は蜘蛛が知識を増やしたいと言ったら、色々な書物を蜘蛛にくれた。
 ニール様は楽しそうに「魔物が本を読むか」と笑っていたが、蜘蛛は出来る事は手間を惜しまずするし、出来なくても気力でどうにかするのだから、本くらい読めて当然なんだ。

「多いのではないかと思っていたが、やはりそうなのか」
「人の魔力がどれほどか分からないが、この子は蜘蛛の子だから使役の能力の難易度は低くはないはずだ。それがあんな状態で契約が成っているのだから。魔力量はそれなりに高いと考えていた方が良いと思う」
「そうか。そうだな」
「マチルディーダの魔力量を考慮しても、早く魔力の操作を覚えて魔法が使える様になっている方が良いと思う」

 なにせダニエラが妊娠中なのだ、マチルディーダは育ってきているとはいえまだ三歳でアデライザは更に幼いし、どれだけ気を付けても足りない気がするのは、蜘蛛だけだろうか。
 
「そうか、そうだな。マチルディーダには早めに守る術を身に着けて欲しいと思っていたんだ」

 困った様な顔で、主はマチルディーダを見下ろす。
 何かあったのだろうか、蜘蛛は普段気になっても追及はしないのだがこれは聞いた方が良いだろうか。

「何か困りごとか」
「困りごと、うーんそうだな。それとは違うけれど。実はさ、東の辺境伯が息子とマチルディーダを婚約を考えて欲しいと、話が来ているんだ」
「受けるのか? ロニーはどうする」

 あのロニーが、自分以外の男がマチルディーダに関わるのを許すだろうか。
 蜘蛛は、なぜかブルリと背筋が寒くなったのだった。

※※※※※※

乙女ゲーム編、考えつつほのぼの編を執筆しております。
蜘蛛を書くのが楽し過ぎて、無駄に話が長くなってしまって申し訳ありません。

乙女ゲーム編の主人公、どうしましょう。
ダニエラ、マチルディーダ、いっそダブルヒロインでいいかなあ。
乙女ゲーム編は、何て言うか長くなりそうなので、こちらとは作品を分ける方向で考えてます。
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