320 / 358
6章 集う力
312 もしも
しおりを挟む
「さて行くとするか…オウル、もしもの時は分かってるな?」
「もしもの時?縁起でもない話はやめてくれよ。お前にしちゃ面白くない冗談だぞ」
「いや、本気で言っている。今までにもやべぇ戦いは何度も経験してるが今回は特別だ。それ程に今のユイトは強ぇ」
珍しくシグマが真面目なる。長い付き合いだかコイツがこんな表情になった事は数えるくらいしかない。
「俺も最初から殺される気で戦うつもりなんて無ぇけどよ…もしお前がこの戦いに勝ち目が無いと感じたら皆を連れて逃げろ」
「…わかった。もしお前がユイト君にやられてしまったら次は僕達の番だ。それに信用出来ない連中もいる事だしね」
僕はチラリとモンスターの群を指揮するレブの方に目をやった。今は一時的に共闘しているがいつ背後から襲われるとも限らない。ある意味今のユイト君よりも厄介な連中だ。
「頼んだぜ。それにしても長ぇ事冒険者をやってるけどまさかモンスターと共闘する事になるとはな…」
「戦うと決めたら悠長にしてる暇は無いぞ。ほら、みるみるモンスターが蹴散らされてる。仕掛けるなら早いに越した事はない」
「貴方達!何をしているのですか!?私の下僕達だけでは彼を止められません!早く戦って下さい!」
「分かってるって、こっちにも色々と事情があんだよ!ちゃんと戦ってやるから心配すんな!」
レブに急かされたシグマがコキコキと首を鳴らしモンスター達の海を割って行く。僕もミストルティンを呼び出しいつでも援護出来る様に準備を整えた。
「はて?シグマさんでしたかな?彼がMMORPGのアイテムを所持しているとは知りませんでした。一体あの刀はどの様な効果を持っているのですか?」
「君に説明してやる義理もないけど注意だけはしておこう。如意刀を手にしたシグマが戦いはじめたら決して近寄らない事だ」
「どう言う意味ですか…何だ!?下僕達が凄い勢いで数を減らしている!何が起こっているのですか!?」
「シグマが戦いはじめたんだ。君のモンスター達も2人の戦いに巻き込まれるだろうが悪く思わないでくれ」
シグマがユイト君と戦っている場所から無数のモンスターが弾き飛ばされる。シグマが戦いはじめた証拠だ。こうしてはいられない、僕も自分に出来る事をするとしよう。
「ここからじゃモンスター達に射線が遮られてしまうな。どこかいい場所は…おっ?アレなんか中々良さそうだ」
レブが呼び出したモンスターの中に背の高い木の様なモンスターを見つけた僕はユイト君と戦っているシグマを援護する為にその身体を駆け上がった。
「もしもの時?縁起でもない話はやめてくれよ。お前にしちゃ面白くない冗談だぞ」
「いや、本気で言っている。今までにもやべぇ戦いは何度も経験してるが今回は特別だ。それ程に今のユイトは強ぇ」
珍しくシグマが真面目なる。長い付き合いだかコイツがこんな表情になった事は数えるくらいしかない。
「俺も最初から殺される気で戦うつもりなんて無ぇけどよ…もしお前がこの戦いに勝ち目が無いと感じたら皆を連れて逃げろ」
「…わかった。もしお前がユイト君にやられてしまったら次は僕達の番だ。それに信用出来ない連中もいる事だしね」
僕はチラリとモンスターの群を指揮するレブの方に目をやった。今は一時的に共闘しているがいつ背後から襲われるとも限らない。ある意味今のユイト君よりも厄介な連中だ。
「頼んだぜ。それにしても長ぇ事冒険者をやってるけどまさかモンスターと共闘する事になるとはな…」
「戦うと決めたら悠長にしてる暇は無いぞ。ほら、みるみるモンスターが蹴散らされてる。仕掛けるなら早いに越した事はない」
「貴方達!何をしているのですか!?私の下僕達だけでは彼を止められません!早く戦って下さい!」
「分かってるって、こっちにも色々と事情があんだよ!ちゃんと戦ってやるから心配すんな!」
レブに急かされたシグマがコキコキと首を鳴らしモンスター達の海を割って行く。僕もミストルティンを呼び出しいつでも援護出来る様に準備を整えた。
「はて?シグマさんでしたかな?彼がMMORPGのアイテムを所持しているとは知りませんでした。一体あの刀はどの様な効果を持っているのですか?」
「君に説明してやる義理もないけど注意だけはしておこう。如意刀を手にしたシグマが戦いはじめたら決して近寄らない事だ」
「どう言う意味ですか…何だ!?下僕達が凄い勢いで数を減らしている!何が起こっているのですか!?」
「シグマが戦いはじめたんだ。君のモンスター達も2人の戦いに巻き込まれるだろうが悪く思わないでくれ」
シグマがユイト君と戦っている場所から無数のモンスターが弾き飛ばされる。シグマが戦いはじめた証拠だ。こうしてはいられない、僕も自分に出来る事をするとしよう。
「ここからじゃモンスター達に射線が遮られてしまうな。どこかいい場所は…おっ?アレなんか中々良さそうだ」
レブが呼び出したモンスターの中に背の高い木の様なモンスターを見つけた僕はユイト君と戦っているシグマを援護する為にその身体を駆け上がった。
0
お気に入りに追加
910
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる