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6章 集う力
235 未来の好敵手
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ドロシーの渾身の一撃が着弾した爆心地をオウルさんが指先す。土煙の中薄っすらと見える人影、あの攻撃をまともに受けて無事だとは思えないがまさか…
「ふぃーっ、中々の攻撃だったぜ。これだけの一撃を放てるなんてやるじゃ無ぇか」
シグマさんが満面の笑みを浮かべながら土煙の中から姿を現した。幾ら強いと言ってもあの攻撃をまともに受けて平然としているなんて常識知らずも度が過ぎている。
「ハハハ….絶対に仕留めたと思ったんだけどね…ウチの負けだよ、完敗だ」
「今の一撃はお世辞抜きで凄かったと思うぜ?まぁ攻撃までの隙がありすぎたり改善点はあるけど威力だけならピカイチだ、正直ここまでやるなんて思ってなかった」
渾身の一撃で力を使い果たしたのがドロシーがその場にへたりこむ。あれ程の攻撃を放ったのだから無理もない。
「ね?だから言っただろ?シグマの事は心配するだけ無駄、ユイト君もこれからアイツと付き合っていくなら覚えてた方がいい」
「ははは…なんと云うか言葉がでません。最強の男の肩書きは伊達じゃないですね…」
地形を変えてしまう程のドロシーの一撃。その攻撃を受けたシグマさんはケロっとした顔で座りこんだドロシーへと手を差し出す。完全なる勝利だ。
「正直言ってウチ今凄く悔しいんだ…でも相手がオッさんで良かったと思う、なんていうかその…始めてこの人には敵わないって心から思えてる…」
「何言ってるんだ、お前さんはまだまだ若い、修練を積めばまだまだ強くなれる。たった一回負けたくらいで何弱気になってんだよ」
シグマさんがドロシーの手をとり引き起こす。勝負に負けたと云うのにドロシーの顔は晴れ晴れとしてる様に見える。
「なぁオッさん…ウチが今より強くなったらまた闘ってくれるか?」
「おう、また闘ろうぜ。嬢ちゃんの挑戦ならいつでも受けて立つ、約束だ」
「嬢ちゃんはやめてくれよ、ウチにはドロシーって名前があるんだ」
「じゃあ俺の事もシグマって呼んでくれ。絶対にまた闘ろうぜ、ドロシー」
心なしかシグマさんの手を掴むドロシーの顔が赤い…もしかしてこれは…
「堕ちたね、多分似た者同士彼女はシグマに惹かれてしまったんだろう。シグマのヤツは全く気づいてないと思うけど」
「オウルさんもそう思いますか?俺もドロシーはシグマさんの事が好きになったんだと思います、でもシグマさんは色恋沙汰には鈍そうだからな~」
ドロシーの顔は完全に恋する乙女の顔になっている。闘いを通して芽生えた恋、なんともロマンチックだ。
「鈍い?良くユイトさんがそれを言えますね…」
「主さま?ブーメランって知ってる?」
「はぁ…アンタだけはそれを言っちゃダメだわ…」
「あらあら、人のふり見て我がふり直せって良く言ったモノね」
「ユイト…少しだけ自分の事を客観的に見た方が良いと思うな」
何故かサクヤ達が俺の顔を見ながら溜息をつく、何か言いたい事があるのだろうか。何を言いたいかさっぱり分からない、変なヤツらめ。
「ふぃーっ、中々の攻撃だったぜ。これだけの一撃を放てるなんてやるじゃ無ぇか」
シグマさんが満面の笑みを浮かべながら土煙の中から姿を現した。幾ら強いと言ってもあの攻撃をまともに受けて平然としているなんて常識知らずも度が過ぎている。
「ハハハ….絶対に仕留めたと思ったんだけどね…ウチの負けだよ、完敗だ」
「今の一撃はお世辞抜きで凄かったと思うぜ?まぁ攻撃までの隙がありすぎたり改善点はあるけど威力だけならピカイチだ、正直ここまでやるなんて思ってなかった」
渾身の一撃で力を使い果たしたのがドロシーがその場にへたりこむ。あれ程の攻撃を放ったのだから無理もない。
「ね?だから言っただろ?シグマの事は心配するだけ無駄、ユイト君もこれからアイツと付き合っていくなら覚えてた方がいい」
「ははは…なんと云うか言葉がでません。最強の男の肩書きは伊達じゃないですね…」
地形を変えてしまう程のドロシーの一撃。その攻撃を受けたシグマさんはケロっとした顔で座りこんだドロシーへと手を差し出す。完全なる勝利だ。
「正直言ってウチ今凄く悔しいんだ…でも相手がオッさんで良かったと思う、なんていうかその…始めてこの人には敵わないって心から思えてる…」
「何言ってるんだ、お前さんはまだまだ若い、修練を積めばまだまだ強くなれる。たった一回負けたくらいで何弱気になってんだよ」
シグマさんがドロシーの手をとり引き起こす。勝負に負けたと云うのにドロシーの顔は晴れ晴れとしてる様に見える。
「なぁオッさん…ウチが今より強くなったらまた闘ってくれるか?」
「おう、また闘ろうぜ。嬢ちゃんの挑戦ならいつでも受けて立つ、約束だ」
「嬢ちゃんはやめてくれよ、ウチにはドロシーって名前があるんだ」
「じゃあ俺の事もシグマって呼んでくれ。絶対にまた闘ろうぜ、ドロシー」
心なしかシグマさんの手を掴むドロシーの顔が赤い…もしかしてこれは…
「堕ちたね、多分似た者同士彼女はシグマに惹かれてしまったんだろう。シグマのヤツは全く気づいてないと思うけど」
「オウルさんもそう思いますか?俺もドロシーはシグマさんの事が好きになったんだと思います、でもシグマさんは色恋沙汰には鈍そうだからな~」
ドロシーの顔は完全に恋する乙女の顔になっている。闘いを通して芽生えた恋、なんともロマンチックだ。
「鈍い?良くユイトさんがそれを言えますね…」
「主さま?ブーメランって知ってる?」
「はぁ…アンタだけはそれを言っちゃダメだわ…」
「あらあら、人のふり見て我がふり直せって良く言ったモノね」
「ユイト…少しだけ自分の事を客観的に見た方が良いと思うな」
何故かサクヤ達が俺の顔を見ながら溜息をつく、何か言いたい事があるのだろうか。何を言いたいかさっぱり分からない、変なヤツらめ。
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