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6章 集う力
196 大地の恵み
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この世界に来る前にも嗅いだ事のある独特の匂い。この世界にも俺の大好きなアレがあるかもしれない。
「随分と辺りが暖かかくなって来ましたね。それにアノ変な匂いが強くなっている様な」
「ユイト、この川の先に匂いの発生源があるみたい。すぐそこだよ」
「変ね?この川の水から湯気が出ているわ?ユイト君の探している良いモノって一体何なのかしら?」
俺達の足元にはチロチロと小川が流れている。予想が当たった様だ、この小川は只の小川ではない。
「それは見つけてからのお楽しみさ。でもきっと気にいると思うぞ?俺の元いた世界では疲れに効くといったらコレだったからな」
「主さまはすぐそうやって私達を焦らす。いけず」
「まぁアンタの秘密主義は今に始まった事じゃないものね…ねぇ?あの泉は何?湯気が出ているわよ」
見つけた、古来より日本人がこよなく愛してきた極上のリラクゼーション。まさか異世界に来て温泉に入れるなんて思っても見なかった。
「アレがお目当のモノだ。温泉って言って浸かれば疲労回復の効果がある風呂だと思ってくれ。他にも温泉によっては美肌効果や痩身効果なんかもあるぞ」
「美肌に痩身効果ですか!?女の夢が詰まっています!」
「サクヤ、喰いつきすぎ。落ち着くべき」
「あらあら、そう言うアイギスちゃんも服を脱ぐのはまだ早いんじゃないかしら?ふふふ、慌てん坊さんね」
美肌、痩身と云う言葉を耳にしたサクヤ達の目が鋭く光る。やはりどの世界でも美容は女性の最大の関心事なのだろう。
「温泉は逃げたりしないから皆落ち着いてくれ。まずは入浴できる温度か調べてからだ。火傷したら大変だからな」
恐る恐る腕を温泉に浸けてみるとじんわりと優しい暖かさが骨の芯まで染み渡った。温度も丁度良い。俺はもう少し熱い方が好みだが贅沢は言ってられない。
「良し、問題無さそうだ。しかし不思議だな…自然に出来た物にしては整備されている様な…って何でお前達もう脱ぎ始めてるんだよ!!」
「あはは、僕もホラ一応女だからさ。ユイトの話を聞いたら居ても立っても居られなくなったというか」
「べ!別に私は美肌とか痩身とか興味は無いんだけど?皆が脱いでるのに私だけノリが悪くても感じ悪いかなと思っただけよ!」
「わ!わかったから早く温泉に入ってくれ!俺は皆が上がったら入るからあっちの茂みで見張りをしとくよ!ごゆっくり!」
皆の裸を見ない様に目を伏せながら慌ててその場を逃げ出す。前から感じていたがどうも俺の仲間には恥じらいと云うものが足りない気がする。
「気持ちいいですよー!ユイトさんも一緒に入りましょうよー!」
俺を呼ぶサクヤの声を無視し俺は近くにある茂みに駆け込んだ。混浴は漢の浪漫だと思うがいざとそのチャンスに遭遇すると尻込みしてしまった、俺のバカ。
「随分と辺りが暖かかくなって来ましたね。それにアノ変な匂いが強くなっている様な」
「ユイト、この川の先に匂いの発生源があるみたい。すぐそこだよ」
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俺達の足元にはチロチロと小川が流れている。予想が当たった様だ、この小川は只の小川ではない。
「それは見つけてからのお楽しみさ。でもきっと気にいると思うぞ?俺の元いた世界では疲れに効くといったらコレだったからな」
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「まぁアンタの秘密主義は今に始まった事じゃないものね…ねぇ?あの泉は何?湯気が出ているわよ」
見つけた、古来より日本人がこよなく愛してきた極上のリラクゼーション。まさか異世界に来て温泉に入れるなんて思っても見なかった。
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「美肌に痩身効果ですか!?女の夢が詰まっています!」
「サクヤ、喰いつきすぎ。落ち着くべき」
「あらあら、そう言うアイギスちゃんも服を脱ぐのはまだ早いんじゃないかしら?ふふふ、慌てん坊さんね」
美肌、痩身と云う言葉を耳にしたサクヤ達の目が鋭く光る。やはりどの世界でも美容は女性の最大の関心事なのだろう。
「温泉は逃げたりしないから皆落ち着いてくれ。まずは入浴できる温度か調べてからだ。火傷したら大変だからな」
恐る恐る腕を温泉に浸けてみるとじんわりと優しい暖かさが骨の芯まで染み渡った。温度も丁度良い。俺はもう少し熱い方が好みだが贅沢は言ってられない。
「良し、問題無さそうだ。しかし不思議だな…自然に出来た物にしては整備されている様な…って何でお前達もう脱ぎ始めてるんだよ!!」
「あはは、僕もホラ一応女だからさ。ユイトの話を聞いたら居ても立っても居られなくなったというか」
「べ!別に私は美肌とか痩身とか興味は無いんだけど?皆が脱いでるのに私だけノリが悪くても感じ悪いかなと思っただけよ!」
「わ!わかったから早く温泉に入ってくれ!俺は皆が上がったら入るからあっちの茂みで見張りをしとくよ!ごゆっくり!」
皆の裸を見ない様に目を伏せながら慌ててその場を逃げ出す。前から感じていたがどうも俺の仲間には恥じらいと云うものが足りない気がする。
「気持ちいいですよー!ユイトさんも一緒に入りましょうよー!」
俺を呼ぶサクヤの声を無視し俺は近くにある茂みに駆け込んだ。混浴は漢の浪漫だと思うがいざとそのチャンスに遭遇すると尻込みしてしまった、俺のバカ。
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