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6章 集う力

195 疲労

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「ちょこまかと鬱陶しいヤツめ!ルメス!動きを止められるか!?」

「任せてよ!スピードの勝負じゃあんなヤツに負けない!疾風迅雷!!」

ドラゴンロックの山を登り始めて数日、俺達は空を飛び回る竜の様なモンスターの襲撃を受けていた。高速で飛び回るモンスターが動きを止め地上へ堕ちてくる。ルメスの雷掌の効果だ。

「後は私がやります!鬼火壱式!!」

落下中のモンスターにサクヤの放った火球が命中するとモンスターは跡形も無く燃え尽きた。魔核が勿体ない気もするがまぁいいだろう。

「今のところ他に周囲に敵の気配は無いわ、ひとまずは安心ね」

「これだけ頻繁にモンスターに襲撃されるなんて精神的にも参ってきちゃうわね。私の技でも精神的な疲労まではカバーできないもの」

「今日の襲撃は今のヤツで4回目か?全く油断も隙もないな。ドラゴンって連中はなんでこうも好戦的なヤツらばかりなんだ?」

「ドラゴンは自分の縄張りにドラゴン以外の生物が入って来た場合無条件にその生物を敵と判断する…ってこの本に書いてある」

ホラ、とアイギスが図鑑を見せてくる。ドラゴン達にとって俺達は勝手に自宅に入ってきた侵入者って訳か。それは怒って攻撃したくもなるだろう。

「しかしここら辺でゆっくりと休みたいな。連日昼夜問わずに襲われ続けたせいで皆も疲れてるだろ?」

「山を登り始めて気を張りっぱなしですからね。何も気にせずにぐっすり眠る事が出来た街での生活が懐かしいです」

「睡眠不足は美容の大敵。主さま、私お肌荒れてない?」

自分のほっぺたをムニムニしながらアイギスが訪ねてくる。肌荒れはともかくこれだけ頻繁に襲撃されると精神的にも肉体的にも段々と厳しくなってくる。

「シグマさん達に確実に近づいて来てるとは思うんだけどな…今朝見たモンスターの死骸はここ2、3日の内のモノだった。思い切って丸1日休養するか?何事も無理は禁物だ」

「それも良いわね。1日休めば皆の鋭気も養われるわ…って何か変な匂いがしない?ユイト、アンタおならしたんじゃないでしょうね」

「してないって!そう言うテミスこそ怪しいんじゃないか?匂いが辺りに漂ってるぞ…まさか!?」

ドラゴンロックは火山だと王都を出発する時に教えてもらった。火山に漂う硫黄の匂い。もしかするとアレがあるかもしれない。

「どうしたのユイト?この匂いはやっぱりユイトのせい?」

「この匂いはオナラの匂いじゃない。ルメス、どこからこの匂いが漂って来ているかわかるか?きっとそこに良いモノがある」
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