160 / 358
5章 邪なる者達
154 守る為に
しおりを挟む
城壁の左翼へ近づいた私達の目に飛び込んで来たのは色とりどりの魔法が城壁へ迫っている光景でした、あんな数の魔法が着弾すればどれだけ頑強な城壁でも一溜まりもありません。
「ぐっ…攻撃の範囲が広すぎる…広がれ!イージス!!」
アイギスちゃんが展開したイージスの範囲を広げます、普段のドーム型とは違いオーロラの様に広がった光が次々と放たれてくる敵の魔法を防ぎます。
「た、助かったのか?あの光の壁は一体?」
近くで身を屈めていた兵士さん達が次々とイージスに防がれ爆破する敵の魔法を見ながら呆然としています、きっと自分はもう死んでしまうと思っていたのでしょう。
「長くは持たない、死にたくなかったら逃げるべき…はよ!」
何とか敵の攻撃を防ぐ事が出来ましたが攻撃が緩む気配はありません、イージスを展開するアイギスちゃんは辛そうに歯を食いしばっています。
「サクヤも…早く逃げ…て…」
「嫌です…私は自分のやるべき事をする為にここに来ました…鬼火弐式!!」
私は無数の小さな火球を敵の魔法を撃ち落とす様に放ちました、空中で互いが相殺され辺りの空が紅く染まります、その光景を見て混乱したのか激しかった敵の攻撃が止まりました。
「アイギスちゃん!もうイージスを解除しても大丈夫ですよ!」
「ぷはぁ!!正直もうダメだと思った、コレが無かったらとっくに力が尽きていた、感謝」
アイギスちゃんが自分の首に掛けられている首飾りを手に取ります、中心には黄色に輝く七星核が嵌められています、ライノさんに作って貰ったお揃いの首飾りです。
「私も七星核が無ければあんなに沢山の攻撃を撃ち落とす事は出来ませんでした、ライノさんに感謝しなきゃですね」
「今度火酒を持ってお礼に行くべき、ドワーフはお酒が大好き、本に書いてあった…サクヤ!アレを見て!」
アイギスちゃんに言われ城壁の端から敵の陣形を見下ろすと混乱が収まった様で再び魔法の詠唱を開始していました。
「サクヤ、逃げるべき、さっきの規模の攻撃が来たら長くは防げない」
「いえ、次は私が頑張る番です、アイギスちゃんは少し休んでいて下さい」
城壁の下に陣取る大勢の敵を見ながら私は再び沢山の鬼火を周囲に展開します、鬼火の数はどんどん増えてその数は1000を超えたでしょうか。
「貴方達に恨みはありません…それでも…私は大切な人達を危険な目に遭わせる訳にはいかないんです!鬼火弐式!!」
私の周囲に展開していた無数の鬼火が敵目掛けて飛んでいきます、できるだけ地面を狙い直撃は避けましたがこの攻撃で命を落とす人もいるでしょう、鬼火弐式が着弾した地点に次々と小さな爆発が起こり敵は陣形も滅茶苦茶に逃げ惑っています。
「逃げるなら追撃はしません!!でも…向かってくるのならば次は容赦しません!死にたく無い人は退いて下さい!!」
「ぐっ…攻撃の範囲が広すぎる…広がれ!イージス!!」
アイギスちゃんが展開したイージスの範囲を広げます、普段のドーム型とは違いオーロラの様に広がった光が次々と放たれてくる敵の魔法を防ぎます。
「た、助かったのか?あの光の壁は一体?」
近くで身を屈めていた兵士さん達が次々とイージスに防がれ爆破する敵の魔法を見ながら呆然としています、きっと自分はもう死んでしまうと思っていたのでしょう。
「長くは持たない、死にたくなかったら逃げるべき…はよ!」
何とか敵の攻撃を防ぐ事が出来ましたが攻撃が緩む気配はありません、イージスを展開するアイギスちゃんは辛そうに歯を食いしばっています。
「サクヤも…早く逃げ…て…」
「嫌です…私は自分のやるべき事をする為にここに来ました…鬼火弐式!!」
私は無数の小さな火球を敵の魔法を撃ち落とす様に放ちました、空中で互いが相殺され辺りの空が紅く染まります、その光景を見て混乱したのか激しかった敵の攻撃が止まりました。
「アイギスちゃん!もうイージスを解除しても大丈夫ですよ!」
「ぷはぁ!!正直もうダメだと思った、コレが無かったらとっくに力が尽きていた、感謝」
アイギスちゃんが自分の首に掛けられている首飾りを手に取ります、中心には黄色に輝く七星核が嵌められています、ライノさんに作って貰ったお揃いの首飾りです。
「私も七星核が無ければあんなに沢山の攻撃を撃ち落とす事は出来ませんでした、ライノさんに感謝しなきゃですね」
「今度火酒を持ってお礼に行くべき、ドワーフはお酒が大好き、本に書いてあった…サクヤ!アレを見て!」
アイギスちゃんに言われ城壁の端から敵の陣形を見下ろすと混乱が収まった様で再び魔法の詠唱を開始していました。
「サクヤ、逃げるべき、さっきの規模の攻撃が来たら長くは防げない」
「いえ、次は私が頑張る番です、アイギスちゃんは少し休んでいて下さい」
城壁の下に陣取る大勢の敵を見ながら私は再び沢山の鬼火を周囲に展開します、鬼火の数はどんどん増えてその数は1000を超えたでしょうか。
「貴方達に恨みはありません…それでも…私は大切な人達を危険な目に遭わせる訳にはいかないんです!鬼火弐式!!」
私の周囲に展開していた無数の鬼火が敵目掛けて飛んでいきます、できるだけ地面を狙い直撃は避けましたがこの攻撃で命を落とす人もいるでしょう、鬼火弐式が着弾した地点に次々と小さな爆発が起こり敵は陣形も滅茶苦茶に逃げ惑っています。
「逃げるなら追撃はしません!!でも…向かってくるのならば次は容赦しません!死にたく無い人は退いて下さい!!」
0
お気に入りに追加
912
あなたにおすすめの小説
無能とされた双子の姉は、妹から逃げようと思う~追放はこれまでで一番素敵な贈り物
ゆうぎり
ファンタジー
私リディアーヌの不幸は双子の姉として生まれてしまった事だろう。
妹のマリアーヌは王太子の婚約者。
我が公爵家は妹を中心に回る。
何をするにも妹優先。
勿論淑女教育も勉強も魔術もだ。
そして、面倒事は全て私に回ってくる。
勉強も魔術も課題の提出は全て代わりに私が片付けた。
両親に訴えても、将来公爵家を継ぎ妹を支える立場だと聞き入れて貰えない。
気がつけば私は勉強に関してだけは、王太子妃教育も次期公爵家教育も修了していた。
そう勉強だけは……
魔術の実技に関しては無能扱い。
この魔術に頼っている国では私は何をしても無能扱いだった。
だから突然罪を着せられ国を追放された時には喜んで従った。
さあ、どこに行こうか。
※ゆるゆる設定です。
※2021.9.9 HOTランキング入りしました。ありがとうございます。
魔力ゼロの出来損ない貴族、四大精霊王に溺愛される
日之影ソラ
ファンタジー
魔法使いの名門マスタローグ家の次男として生をうけたアスク。兄のように優れた才能を期待されたアスクには何もなかった。魔法使いとしての才能はおろか、誰もが持って生まれる魔力すらない。加えて感情も欠落していた彼は、両親から拒絶され別宅で一人暮らす。
そんなある日、アスクは一冊の不思議な本を見つけた。本に誘われた世界で四大精霊王と邂逅し、自らの才能と可能性を知る。そして精霊王の契約者となったアスクは感情も取り戻し、これまで自分を馬鹿にしてきた周囲を見返していく。
HOTランキング&ファンタジーランキング1位達成!!
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
婚約破棄された公爵令嬢は、真実の愛を証明したい
香月文香
恋愛
「リリィ、僕は真実の愛を見つけたんだ!」
王太子エリックの婚約者であるリリアーナ・ミュラーは、舞踏会で婚約破棄される。エリックは男爵令嬢を愛してしまい、彼女以外考えられないというのだ。
リリアーナの脳裏をよぎったのは、十年前、借金のかたに商人に嫁いだ姉の言葉。
『リリィ、私は真実の愛を見つけたわ。どんなことがあったって大丈夫よ』
そう笑って消えた姉は、五年前、首なし死体となって娼館で見つかった。
真実の愛に浮かれる王太子と男爵令嬢を前に、リリアーナは決意する。
——私はこの二人を利用する。
ありとあらゆる苦難を与え、そして、二人が愛によって結ばれるハッピーエンドを見届けてやる。
——それこそが真実の愛の証明になるから。
これは、婚約破棄された公爵令嬢が真実の愛を見つけるお話。
※6/15 20:37に一部改稿しました。
本物の恋、見つけましたⅡ ~今の私は地味だけど素敵な彼に夢中です~
日之影ソラ
恋愛
本物の恋を見つけたエミリアは、ゆっくり時間をかけユートと心を通わていく。
そうして念願が叶い、ユートと相思相愛になることが出来た。
ユートからプロポーズされ浮かれるエミリアだったが、二人にはまだまだ超えなくてはならない壁がたくさんある。
身分の違い、生きてきた環境の違い、価値観の違い。
様々な違いを抱えながら、一歩ずつ幸せに向かって前進していく。
何があっても関係ありません!
私とユートの恋は本物だってことを証明してみせます!
『本物の恋、見つけました』の続編です。
二章から読んでも楽しめるようになっています。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる