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5章 邪なる者達
139 宝物庫
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「ここに有る品が全部献上品?ちょっと甘く考えていたな、見て回るだけでも何日もかかるかわからない」
国王様の計らいで献上品の中にVRMMOの装備品があるならば持って行って良いと言われた俺達は王城の中に有る宝物庫へと案内されていた。
「やっぱりダメ、宝物庫の中から反応は感じるんだけどどこに有るかまでは分からないわ、虱潰しに探すしかなさそうね」
「そうか…皆で手分けして探そう、俺とテミス以外の皆も直接触れれば分かる筈だ」
「わかりました、見つけたら念話で連絡しますね、それじゃあ私は奥の方から探してみます」
皆で散り散りになって宝物庫を探す、宝物庫の中は途方も無い広さで小さな宿屋なら10件は丸々入ってしまいそうな程だ、棚が無数に並び剣や鎧などの宝物が所狭しと詰められている。
「なんだこの外套は?虹色のラメなんて趣味が悪いにも程があるぞ?」
「うっわぁ~、確かにヒドイねコレ、なになに…目録によると50年くらい前に大商人から献上された品だって、当時の時価総額で金貨3000枚、金持ちの趣味って理解できないや」
「君は確か…国王様と初めて会った酒場にいた店員さん?」
趣味の悪い外套を見ていると不意に横から声をかけられた、気がつくと隣には見覚えの有るショートカットの女の子が立っていた。
「覚えててくれたんだ、勇者様に覚えてもらえてるなんて嬉しいよ、陛下に勇者様達の探し物を手伝う様に言われて来たんだ、よろしくね」
「助かるよ、正直広すぎて人手が足りないって思ってたんだ、俺の事はユイトって呼んでくれ、君の名前は?」
「それがボクには名前が無いんだ…皆からは影って呼ばれてるよ、師匠や陛下は名前を付けてくれるって何度も言ってくれたんだけどいつか本当の名前を思い出せるって断っちゃった」
「本当の名前?もしかして記憶がないのか?」
俺の問いに少女はペロリと舌を出し頭を掻いてみせた、しまったな、殆ど初対面の相手にデリケートな事を聞いてしまったかもしれない。
「気がついたら街を独りぼっちで歩いてたんだ、文字や言葉は分かるけど自分が何者かもわからない、お腹が空いて貴族の屋敷に忍び込んだところを師匠に捕まってこの仕事を紹介されたんだ」
明るく振る舞っているが中々にヘビーな過去を持っている様だ、しかし不思議だな、何故だか他人の様な気がしない。
「おっと、話が脱線しちゃったね、ユイトの探し物を手伝わなくっちゃ、ボクに付いてきてよ、宝物庫の中には詳しいんだ」
国王様の計らいで献上品の中にVRMMOの装備品があるならば持って行って良いと言われた俺達は王城の中に有る宝物庫へと案内されていた。
「やっぱりダメ、宝物庫の中から反応は感じるんだけどどこに有るかまでは分からないわ、虱潰しに探すしかなさそうね」
「そうか…皆で手分けして探そう、俺とテミス以外の皆も直接触れれば分かる筈だ」
「わかりました、見つけたら念話で連絡しますね、それじゃあ私は奥の方から探してみます」
皆で散り散りになって宝物庫を探す、宝物庫の中は途方も無い広さで小さな宿屋なら10件は丸々入ってしまいそうな程だ、棚が無数に並び剣や鎧などの宝物が所狭しと詰められている。
「なんだこの外套は?虹色のラメなんて趣味が悪いにも程があるぞ?」
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「君は確か…国王様と初めて会った酒場にいた店員さん?」
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「覚えててくれたんだ、勇者様に覚えてもらえてるなんて嬉しいよ、陛下に勇者様達の探し物を手伝う様に言われて来たんだ、よろしくね」
「助かるよ、正直広すぎて人手が足りないって思ってたんだ、俺の事はユイトって呼んでくれ、君の名前は?」
「それがボクには名前が無いんだ…皆からは影って呼ばれてるよ、師匠や陛下は名前を付けてくれるって何度も言ってくれたんだけどいつか本当の名前を思い出せるって断っちゃった」
「本当の名前?もしかして記憶がないのか?」
俺の問いに少女はペロリと舌を出し頭を掻いてみせた、しまったな、殆ど初対面の相手にデリケートな事を聞いてしまったかもしれない。
「気がついたら街を独りぼっちで歩いてたんだ、文字や言葉は分かるけど自分が何者かもわからない、お腹が空いて貴族の屋敷に忍び込んだところを師匠に捕まってこの仕事を紹介されたんだ」
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