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5章 邪なる者達

122 大きな買い物

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金貨7万枚、元の世界の価格にして7億円、俺がこの世界に転移せず社畜を続けていたら一生を掛けても手に入れる事が出来ない大金だ。

「なぜ俺達にならトーラ侯爵の10分の1の価格で売っても良いと思ったんですか?巷に流れてる勇者の話は出鱈目で本物は悪人かもしれませんよ」

「ガッハッハ、本当の悪人はそんな事を言いやせん、あっしは今まで色々なお客さんに武器や防具を売って来やした、人を見る目には自信がありやす、ユイトさん、貴方の目は間違いなく善人の目だ」

「ありがとう御座います、しかし七星核を俺達に売ってしまって大丈夫なんですか?もし侯爵派の貴族にバレたらこの店に嫌がらせをしてくるに違いありません」

ラッカさんやペーギさんの話を元に考えるとヤツらはかなりプライドが高そうだ、自分に売って貰えなかった七星核を十分の一の値段で他の人に売った事を知ると間違い無くこの店に嫌がらせをしてくるだろう。

「このライノ、貴族の嫌がらせなんぞ恐れちゃいやせん、何か言って来たら襟首掴んで外に放り出してやりやす」

「…わかりました、この七星核を俺達に売って下さい」

この世界に来てから色々な人達が俺達の事を信用してくれた、ライノさんもそんな人達の1人だ、悪事を働くつもりは毛頭無いが俺達を信用してくれた人達をがっかりさせない様に生きていかなければと改めて思う。

「お買い上げありがとう御座いやす、ユイトさん、あっしのカンですがユイトさん達はこの先幾度も命懸けの戦いに巻き込まれる、その時きっとこの七星核がお役に立つでしょう」

袋から白金貨を数えながら取り出す、金貨100枚分の価値がある白金貨で700枚、改めて見ると壮観だ、贅沢をしなければ俺達5人が死ぬまで食うに困らないだろう。

「確かに白金貨で700枚頂戴しやした、これでこの七星核はユイトさんの物です、ご希望の武器や防具があれば加工してお取り付けしやすが如何ですか?」

「そういえば七星核ってどうやって使えばいいんですか?肝心な事を聞き忘れていました」

「あっしとした事が説明を忘れておりやしたな、七星核に決まった使い方は御座いやせん、ただ身に付けているだけで効果を発揮してくれやす」

「なるほど、身につけるだけでいいんですね…それならこんな事はできますか?」

七星核は全部で7つ、今のところ雷と闇の七星核の使い道は無いがこの際一緒に加工してもらおう、俺が考えた加工の案をライノさんに伝えると2日もあれば完成するとの事だった。

「それでは完成しだいバルメス家のお屋敷にお届けしやす、久しぶりにやりがいの有る仕事だ、気合いを入れて仕上げやすんで楽しみにしていて下さい」

笑顔のライノさんが俺達に力こぶを見せつける、完成までが待ち遠しいな。
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