85 / 358
4章 港街騒乱
081 海の漢達
しおりを挟む
「おーい!こっちに人を寄越してくれ!荷下ろし場がパンパンだ!積荷が降ろせねぇ!」
「分かった、手の空いているヤツは荷下ろし場を手伝いに行ってくれ」
モンスターの襲撃を退けた数日後、ザラキマクの港は海を漂うモンスターの死骸を回収する船乗りでごった返していた。
「はえ~、凄い熱気ですね、とても近寄れそうにありません」
「噂を耳にした商人達も続々とザラキマクにやってきてるそうよ、宿の親父さんが朝から忙しそうにしていたわ」
「あの数のモンスターの死骸だからな、魔石の売買でどれだけの金が動くのか想像も出来ない」
クラブさんに呼び出された俺達は港の近くにある港湾管理局を探していた、誰かに場所を訪ねようとしたが皆殺気立っている、正に鉄火場だ、こんな状態で強面の海の男達に声を掛けるのは躊躇してしまう。
「おぅ、兄ちゃん達悪いがちょっと道を開けてくんな…って英雄さんじゃねぇか!おーい!皆!英雄さん達が俺達の仕事っぷりを見学に来てくれたぞー!」
「マジかよ!サクヤちゃん!俺の上腕二頭筋にサインしてくれ!」
「俺はテミスちゃんに大胸筋にサインしてもらうんだ!ハートマークも描いてくれ!」
「アイギスちゃん!俺は僧帽筋だ!『大好きなお兄ちゃんへ』って頼む!」
モンスターの襲撃を退けて以来サクヤ達3人は街のアイドルの様な扱いを受けている、屈強な海の男達が3人へ殺到した。
「ちょ…描きますから!サインしますから並んで下さい!ユイトさん!何ニヤニヤしながら眺めてるんですか!助けて下さい!」
「いや、人気者は大変だなぁと思ってさ、俺はその辺で休憩してるから…!?」
何者かが背後から俺の肩を叩く、振り向くとマッチョなお兄さん達が白い歯を見せながらポージングしていた、何故かお揃いの刺繍が入った海パンを履いている、あの刺繍は…俺の顔だ。
「ユイトのアニキ、その…俺の大腿四頭筋にサインをお願いします!」
「へっ?いや…大腿四頭筋って…?やめて!こっち来ないで!いゃあああああ!!!」
肌色が押し寄せくる、俺はその後しばらくの間記憶を失った、脳が精神の崩壊を防ぐために機能したのだろう、人体って凄いね。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「「「ありがとうございやした!!!」」」
お兄さん達が俺に手を振りながら仕事へと戻って行く、俺は光が消えた瞳で手を振り返す。
「ふぅ、やっと終わったわね…ユイト!?どうしたの!?何があったのよ!?」
同じくサイン責めから解放された3人が俺の異変に気付き駆け寄って来た。
「肌色…怖い…マッチョ…怖い…」
「主さまが壊れた…大体何が有ったか想像できる、したくないけど…」
「ユイトさん…可哀想に…」
「分かった、手の空いているヤツは荷下ろし場を手伝いに行ってくれ」
モンスターの襲撃を退けた数日後、ザラキマクの港は海を漂うモンスターの死骸を回収する船乗りでごった返していた。
「はえ~、凄い熱気ですね、とても近寄れそうにありません」
「噂を耳にした商人達も続々とザラキマクにやってきてるそうよ、宿の親父さんが朝から忙しそうにしていたわ」
「あの数のモンスターの死骸だからな、魔石の売買でどれだけの金が動くのか想像も出来ない」
クラブさんに呼び出された俺達は港の近くにある港湾管理局を探していた、誰かに場所を訪ねようとしたが皆殺気立っている、正に鉄火場だ、こんな状態で強面の海の男達に声を掛けるのは躊躇してしまう。
「おぅ、兄ちゃん達悪いがちょっと道を開けてくんな…って英雄さんじゃねぇか!おーい!皆!英雄さん達が俺達の仕事っぷりを見学に来てくれたぞー!」
「マジかよ!サクヤちゃん!俺の上腕二頭筋にサインしてくれ!」
「俺はテミスちゃんに大胸筋にサインしてもらうんだ!ハートマークも描いてくれ!」
「アイギスちゃん!俺は僧帽筋だ!『大好きなお兄ちゃんへ』って頼む!」
モンスターの襲撃を退けて以来サクヤ達3人は街のアイドルの様な扱いを受けている、屈強な海の男達が3人へ殺到した。
「ちょ…描きますから!サインしますから並んで下さい!ユイトさん!何ニヤニヤしながら眺めてるんですか!助けて下さい!」
「いや、人気者は大変だなぁと思ってさ、俺はその辺で休憩してるから…!?」
何者かが背後から俺の肩を叩く、振り向くとマッチョなお兄さん達が白い歯を見せながらポージングしていた、何故かお揃いの刺繍が入った海パンを履いている、あの刺繍は…俺の顔だ。
「ユイトのアニキ、その…俺の大腿四頭筋にサインをお願いします!」
「へっ?いや…大腿四頭筋って…?やめて!こっち来ないで!いゃあああああ!!!」
肌色が押し寄せくる、俺はその後しばらくの間記憶を失った、脳が精神の崩壊を防ぐために機能したのだろう、人体って凄いね。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「「「ありがとうございやした!!!」」」
お兄さん達が俺に手を振りながら仕事へと戻って行く、俺は光が消えた瞳で手を振り返す。
「ふぅ、やっと終わったわね…ユイト!?どうしたの!?何があったのよ!?」
同じくサイン責めから解放された3人が俺の異変に気付き駆け寄って来た。
「肌色…怖い…マッチョ…怖い…」
「主さまが壊れた…大体何が有ったか想像できる、したくないけど…」
「ユイトさん…可哀想に…」
0
お気に入りに追加
910
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる