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4章 港街騒乱
076 海魔襲来
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「ユイト!凄い数のモンスターが街へ向かって来てるわ!」
テミスから再び望遠鏡を受け取り海を見るとまるで津波の様に大量のモンスターがザラキマクへと向かっている事が確認できた。
「ふむ、ヤツらまた街を襲うつもりじゃな、最近度々この様な事があるんじゃ、この街の騎士団は優秀じゃし冒険者も沢山街に滞在しておる、今回も大丈夫じゃろうて」
「それにしても凄い数ですよ?早く避難した方がいいんじゃないでしょうか」
「ちょっと望遠鏡を貸しておくれ、どれどれ…」
海を眺めるブロスタさんの顔がみるみる青くなっていく。
「なんじゃあの数は!?今までとは比べ物にならん!これはマズい、早く逃げた方がいい」
「ブロスタさんは近所の人達と一緒に避難して下さい、俺は…ヤツらの迎撃に加勢して来ます、皆も付き合ってくれるか?」
サクヤ達が俺の問い掛けに頷いてくれる、自慢では無いが俺達は突出した戦闘能力を持っていると自負している、少しでも被害を減らせるならばこの力を使うべきだ。
「…儂はまだサクヤちゃん達の体に触れてもいないからのぉ、危なくなったら逃げるんじゃぞ、生きて帰ってきておくれ」
「安心するべきエロ爺、私達は負けない」
「それでは行って来ます、ブロスタさんもどうかご無事で」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
住宅街のある高台から港へと続く坂道を駆け降りる、途中高台へと避難する人達とすれ違った、街には避難を促す鐘の音がけたたましく鳴り響いている。
「おう!お客さん達!宿に忘れ物か!?荷物は諦めて避難しろ、今回の襲撃はかなりヤバいって話だ、命あっての物種だぜ」
すれ違う人々の中にいた幸せの白鯨亭の親父さんが俺達を見つけ声を掛けてきた。
「いえ、俺達は少し腕に覚えが有りますのでモンスターの迎撃に加勢するつもりです」
「そうか…領主様が騎士団を引き連れて港の公園へと向かっていた、まずはそこへ向かってみな、無茶はするんじゃねぇぞ!」
「わかりました、ありがとうございます!」
しばらく走ると親父さんに教えてもらった公園が見えてきた、周囲には騎士団や冒険者らしギルド武器を持った人々が大勢集まっている、俺は1人の騎士を捕まえて話しかけた。
「君達は冒険者か?ギルドに戦闘に長けた冒険者の派遣を要請したと云う話だったが….」
「俺達は旅人ですが腕に覚えがあります、邪魔はしませんので是非加勢させて下さい!」
「ダメだ、今回の襲撃は今までとは規模が違う、住民達と一緒に避難してくれ、君達の様な将来の有る若者を守るのも騎士団の仕事なんだ」
やはり今の俺達の外見では説得力に欠ける様だ、こうなったら騎士団と連携せずに立ち回るしかないか。
「あの、もしかして貴方は…」
俺達のやり取りを見ていた騎士団の男が話に割って入る、どこかで見た事がある顔の男だ。
「やはりユイト殿達でしたか!私はビズミスとの戦いで貴方達に命を救われた者です、ユイト殿達が加勢してくれるなら心強い!私に付いて来て頂けますか?」
そうだ、確かアイロンスティールの騎士団員だ、なぜ彼がザラキマクの街にいるのだろう、俺達は男に案内され1人の風格のある人物の元へと辿り着いた。
「クラブ様!アイロンスティールの英雄、ユイト殿とその仲間の方々をお連れ致しました!」
テミスから再び望遠鏡を受け取り海を見るとまるで津波の様に大量のモンスターがザラキマクへと向かっている事が確認できた。
「ふむ、ヤツらまた街を襲うつもりじゃな、最近度々この様な事があるんじゃ、この街の騎士団は優秀じゃし冒険者も沢山街に滞在しておる、今回も大丈夫じゃろうて」
「それにしても凄い数ですよ?早く避難した方がいいんじゃないでしょうか」
「ちょっと望遠鏡を貸しておくれ、どれどれ…」
海を眺めるブロスタさんの顔がみるみる青くなっていく。
「なんじゃあの数は!?今までとは比べ物にならん!これはマズい、早く逃げた方がいい」
「ブロスタさんは近所の人達と一緒に避難して下さい、俺は…ヤツらの迎撃に加勢して来ます、皆も付き合ってくれるか?」
サクヤ達が俺の問い掛けに頷いてくれる、自慢では無いが俺達は突出した戦闘能力を持っていると自負している、少しでも被害を減らせるならばこの力を使うべきだ。
「…儂はまだサクヤちゃん達の体に触れてもいないからのぉ、危なくなったら逃げるんじゃぞ、生きて帰ってきておくれ」
「安心するべきエロ爺、私達は負けない」
「それでは行って来ます、ブロスタさんもどうかご無事で」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
住宅街のある高台から港へと続く坂道を駆け降りる、途中高台へと避難する人達とすれ違った、街には避難を促す鐘の音がけたたましく鳴り響いている。
「おう!お客さん達!宿に忘れ物か!?荷物は諦めて避難しろ、今回の襲撃はかなりヤバいって話だ、命あっての物種だぜ」
すれ違う人々の中にいた幸せの白鯨亭の親父さんが俺達を見つけ声を掛けてきた。
「いえ、俺達は少し腕に覚えが有りますのでモンスターの迎撃に加勢するつもりです」
「そうか…領主様が騎士団を引き連れて港の公園へと向かっていた、まずはそこへ向かってみな、無茶はするんじゃねぇぞ!」
「わかりました、ありがとうございます!」
しばらく走ると親父さんに教えてもらった公園が見えてきた、周囲には騎士団や冒険者らしギルド武器を持った人々が大勢集まっている、俺は1人の騎士を捕まえて話しかけた。
「君達は冒険者か?ギルドに戦闘に長けた冒険者の派遣を要請したと云う話だったが….」
「俺達は旅人ですが腕に覚えがあります、邪魔はしませんので是非加勢させて下さい!」
「ダメだ、今回の襲撃は今までとは規模が違う、住民達と一緒に避難してくれ、君達の様な将来の有る若者を守るのも騎士団の仕事なんだ」
やはり今の俺達の外見では説得力に欠ける様だ、こうなったら騎士団と連携せずに立ち回るしかないか。
「あの、もしかして貴方は…」
俺達のやり取りを見ていた騎士団の男が話に割って入る、どこかで見た事がある顔の男だ。
「やはりユイト殿達でしたか!私はビズミスとの戦いで貴方達に命を救われた者です、ユイト殿達が加勢してくれるなら心強い!私に付いて来て頂けますか?」
そうだ、確かアイロンスティールの騎士団員だ、なぜ彼がザラキマクの街にいるのだろう、俺達は男に案内され1人の風格のある人物の元へと辿り着いた。
「クラブ様!アイロンスティールの英雄、ユイト殿とその仲間の方々をお連れ致しました!」
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