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3章 小さな英雄と狩猟神の耳飾り
068 小さな英雄
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パフィン村の広場、大きな焚火がキャンプファイアーの様に燃えている、村長のフェザントさんが俺の意識が戻った事を知り宴を開いてくれたのだ。
「それでは主賓の紹介だ、この村を邪な者の魔の手から救ってくれた英雄、旅人のユイト殿、サクヤ殿、アイギス殿、テミス殿、そして我が村の勇者オウルの子、ガル!」
俺達は村人達の拍手を受けながら焚火の前へと向かう、笑顔のフェザントさんさんと握手をし1人づつ感謝の言葉をもらった、残すはガルだけだ、ガルのヤツガチガチに緊張しているな、手と足が同時に動いている。
「ガル、お前はもう一人前の男、そしてこの村の英雄だ、戦える者の残っていない中良く1人で時間を稼いでくれた、村長として誇りに思う、ありがとう」
「は!はひっ!オイラは母ちゃんと姉ちゃんをあの化け物達から逃がそうと必死だっただけです、旅に出た父ちゃんとも家族を守るって約束しましたから」
「ガルが居なかったら俺も間に合わなかったかもしれない、村のみんなもあの魔族に連れ去られていただろう、それにあの戦いで決め手になる隙を作ったのもガルだ、もう立派な戦士だよ」
隣に立つガルの頭を撫でようと伸ばした手を止める、これじゃあ子供扱いみたいで失礼だ、途中で止めた手でガルに握手を求める。
「ユイト兄ちゃん…、ありがとう!」
俺の意思を汲み取ったのかガルは嬉しそうに強く手を握りしめる、この夜1番の歓声が夜の村に響き渡った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
宴の日から数日が経った朝、俺達はパフィン村の入り口で大勢の村人に囲まれていた。
「お世話になりました、また近くに来る事があれば寄らせてもらいますね」
「もう行ってしまうのね、ユイト君達にはまだお礼もできていないのに…それに肩の傷は大丈夫なの?」
「ええ、ストークさん達にもらった薬が効いたみたいです、ゆっくりしていきたいんですが俺の探している装備の1つがおかしな反応をしているみたいで少し気になるんです」
神様の力の一部を譲り受けたテミスによると当初の目的地だったザラキマクの街の付近に俺の装備の反応があるそうだ、しかし反応は1箇所に留まらずに動き続けているらしい。
「ユイト兄ちゃん、約束だよ、絶対にまた会おうね」
「本当にありがとうございました、ユイトさん達がいなければきっと村は滅ぼされていました、ガルも危ない所を助けられたみたいですし」
カナリーがガルを優しく睨みつける、いつまで経っても弟が心配なんだろうな、心配症なお姉ちゃんだ。
「それじゃあまたきっと遊びにきます!お元気で!」
村を離れる俺達の村人達の声が聞こえる、良い村だったな、いつかきっとまた遊びに来よう。
「しまった…大切な事を一つ忘れていた」
村を離れしばらく歩いた頃俺は気になる事を思い出した。
「どうしました?忘れ物ですか?」
「いや、エルフの年齢事情を聞くのを忘れていた、気になる、引き返そう」
「バカじゃ無いの!?せっかくカッコ良くサヨナラしたのに幻滅させちゃうわよ」
「主さま、自重するべき」
村に引き返そうとする俺を3人が力づくで止める、ヒルマイナの森の動物達がその姿を遠くから見つめていた。
「それでは主賓の紹介だ、この村を邪な者の魔の手から救ってくれた英雄、旅人のユイト殿、サクヤ殿、アイギス殿、テミス殿、そして我が村の勇者オウルの子、ガル!」
俺達は村人達の拍手を受けながら焚火の前へと向かう、笑顔のフェザントさんさんと握手をし1人づつ感謝の言葉をもらった、残すはガルだけだ、ガルのヤツガチガチに緊張しているな、手と足が同時に動いている。
「ガル、お前はもう一人前の男、そしてこの村の英雄だ、戦える者の残っていない中良く1人で時間を稼いでくれた、村長として誇りに思う、ありがとう」
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隣に立つガルの頭を撫でようと伸ばした手を止める、これじゃあ子供扱いみたいで失礼だ、途中で止めた手でガルに握手を求める。
「ユイト兄ちゃん…、ありがとう!」
俺の意思を汲み取ったのかガルは嬉しそうに強く手を握りしめる、この夜1番の歓声が夜の村に響き渡った。
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宴の日から数日が経った朝、俺達はパフィン村の入り口で大勢の村人に囲まれていた。
「お世話になりました、また近くに来る事があれば寄らせてもらいますね」
「もう行ってしまうのね、ユイト君達にはまだお礼もできていないのに…それに肩の傷は大丈夫なの?」
「ええ、ストークさん達にもらった薬が効いたみたいです、ゆっくりしていきたいんですが俺の探している装備の1つがおかしな反応をしているみたいで少し気になるんです」
神様の力の一部を譲り受けたテミスによると当初の目的地だったザラキマクの街の付近に俺の装備の反応があるそうだ、しかし反応は1箇所に留まらずに動き続けているらしい。
「ユイト兄ちゃん、約束だよ、絶対にまた会おうね」
「本当にありがとうございました、ユイトさん達がいなければきっと村は滅ぼされていました、ガルも危ない所を助けられたみたいですし」
カナリーがガルを優しく睨みつける、いつまで経っても弟が心配なんだろうな、心配症なお姉ちゃんだ。
「それじゃあまたきっと遊びにきます!お元気で!」
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「バカじゃ無いの!?せっかくカッコ良くサヨナラしたのに幻滅させちゃうわよ」
「主さま、自重するべき」
村に引き返そうとする俺を3人が力づくで止める、ヒルマイナの森の動物達がその姿を遠くから見つめていた。
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