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2章 少女の覚醒
019 勇者ローチ
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部屋に押し込まれ転んでしまった私が顔を上げると1人の男の姿が目に入った、髪を剃り上げ無精髭を生やしている中年の男、身体は逞しく筋骨隆々、見るからに強そうな男だ。
「ほう、今日の獲物は大当たりだな、これだけの美人が2人、ツイてやがるぜ」
「あの、貴方は一体誰ですか?それにこの部屋は…」
部屋の中は高価そうな調度品が置かれて貴族の部屋だと言われても納得出来る部屋だった。
「あ!?勝手に口を開いてるんじゃねぇ!!…まぁ今日は気分が良いから許してやるよ、俺はローチ、誇り高さゼファール帝国の勇者だ」
「ゆ!勇者様!?何で勇者様が誘拐なんて真似を?何でドリィを狙ったんですか?」
「ドリィ?あぁそっちの女の名前か?コック辺境伯様からの命令だよ、屋敷から逃げ出したメイドが計画を知ってるかも知れないから見つけ次第ぶっ殺せってな」
「計画?何も知りません、何の事ですか、私は何も知りません、私達を帰して下さい!」
私は今まで勇者様は皆の命を守る為に自分の命を賭けて魔物と戦う素晴らしい人だと思っていた、目の前の男が勇者様?そんなの嘘だ、認めない。
「だーめ、辺境伯様は何も知らない様なら野放しでも良いって言ってたけど殺すなとは言ってなかったからな、お前が男なら面倒だから放って置いたが…そう言えば確か後3人一緒に逃げたメイドがいるんだろ?」
「あの子達も何も知りません!だからあの子達には手を出さないで下さい、私はどうなっても良い、だからローラとあの子達は見逃して下さい!」
「はっはっはっ!いいねぇ…そういうの凄く好きだぜ、ボロボロになるまで犯してやりたくなる、滾ってきた!」
下衆め、こんなヤツ勇者様じゃ…いや人間ですら無い、獣だ、気がつくと私はローチと名乗った男の前へ歩みでていた。
「どうした?お前も何か言いた…ッツ!?」
「この下衆野郎!お前なんかが勇者様を名乗るな!殺したければ私を殺せ!犯したければ私を犯せ!でも…ドリィに指一本でも触れてみろ!絶対に許さない!」
我慢の限界だった、私の渾身の平手はローチの頬にクリーンヒットした、ダメージを負った様子はないが驚いた表情で私を見つめている。
「いいねぇ…最高だ!最高だよお前!俺に手を上げた女なんてお前が初めてだ、徹底的に犯し尽くしてやるよ!今日は何て日だ!」
「やるならさっさとして、それとも何?女に反撃されるなんて初めてで怖気づいたのかしら?」
「いや、簡単に犯してもつまらねぇ、今から3分俺はこの部屋から動かない、その間に2人で逃げろ、もし俺から逃げ切れたら今後お前達には近寄らない」
とことん歪んだ男め、しかしこれは願ってもいないチャンスだ、私は呆然としているドリィの手をとり部屋から逃げ出した。
「はぁ…はぁ…ローラ、私はもう走れないよ…」
「諦めちゃダメ!2人で逃げるのよ、絶対見捨てたりしてあげないんだから!ドリィが諦めたら私も諦めるわ!」
「卑怯よ…そんな事言われたら諦めるなんて出来ないわ」
ドリィと2人で建物の廊下を走る、途中で何度かローチの手下らしき男達を見かけたが私達を捕まえようとはしなかった、今までも同じ事を何度もやってきたのだろう。
「で…出口よ!ドリィ!出口だわ!」
「外に出れば助けを呼べる!助かったのね!」
私達はほぼ同時に建物の外へと飛び出した、これで助けを呼べると思っていたのだが…
「はぁ…はぁ…まさか…旧市街地…?」
「そ…そんな…誰も人がいないなんて…」
最悪だ、この街並みは旧市街地、しかも東地区では無いだろうか、だとすれば助けを呼ぶ事は不可能、ローチはこうしてチャンスを与えた振りをして一気に絶望の底に叩き落とす、そうして絶望した女性の顔を見て悦に浸る事を生きがいにしているのだろう。
「ローラ、とにかく外を逃げましょう、そろそろ3分経つわ、ヤツが追ってくる」
「いえ…私に考えがあるわ、この辺りの街を逃げてもすぐに捕まってしまう、私について来て」
ここが東地区だとするの辺りの住民は帝国兵崩れだらけだ、どこに逃げてもすぐに居場所を知られてしまう。
「ち…ちょっとローラ…むぐっ」
「しっ…息を殺して、ヤツが来るわ…」
「さーて、どこに逃げやがった?絶対見つけて犯し尽くしてやるぜ!」
何か言いかけたドリィの口を塞ぐ、少しするともの凄いスピードでローチが建物から飛び出して行くのを確認できた、人間離れした脚力だ、アイツが勇者だと云うのは嘘ではなかったみたいね。
「…もう大丈夫よ、しばらくは戻って来ないわ」
「まさか建物に戻ってくるなんて…自暴自棄になったかと思ったわよ、でもいつまでも隠れてはいられないわ」
私達は建物の入り口近く、物が乱雑に積まれている場所へ身を隠しローチをやり過ごした、アイツもまさか私達が建物の中にいるとは思っていないだろう、これで少しは時間が稼げる。
「大丈夫、きっと今頃私を必死に探してくれている人がいるわ、あの人はきっと私を探し出してくれるわ」
私の脳裏にある人物の顔が重い浮かぶ、優しくて強い、だけど少しだけ世間知らずな同居人、彼なら必ず私を見つけ出してくれる、不思議だ、あの人と顔を思い浮かべると動悸が激しくなる、さっき走ったからだろうか。
「みーつけた、まさかこんな所に隠れてるなんてな、俺を騙せるとでも思っていたのか?」
「何故分かったの!?こんなに早く見つかるなんて!?」
「お前達が気を失っている間に居場所を知らせる魔道具をポケットに入れておいたのさ、まずはお前からだ!さっきのビンタは痛かったぜ!」
とことん卑怯な男め、最初から私達を逃がすつもりなんてなかったんだ、ダメだ、もうどうしようもない、ローチが私の手を掴む、助けて…助けて!ヨーグ!
「いゃあ!誰か!ローラを!ローラを助けて!」
「待て!その汚い手をローラから離せ!」
建物の入り口に人影が見える、変わった型の鎧を纏った私の英雄、来てくれた、クロスが…ヨーグが来てくれたんだ。
「ほう、今日の獲物は大当たりだな、これだけの美人が2人、ツイてやがるぜ」
「あの、貴方は一体誰ですか?それにこの部屋は…」
部屋の中は高価そうな調度品が置かれて貴族の部屋だと言われても納得出来る部屋だった。
「あ!?勝手に口を開いてるんじゃねぇ!!…まぁ今日は気分が良いから許してやるよ、俺はローチ、誇り高さゼファール帝国の勇者だ」
「ゆ!勇者様!?何で勇者様が誘拐なんて真似を?何でドリィを狙ったんですか?」
「ドリィ?あぁそっちの女の名前か?コック辺境伯様からの命令だよ、屋敷から逃げ出したメイドが計画を知ってるかも知れないから見つけ次第ぶっ殺せってな」
「計画?何も知りません、何の事ですか、私は何も知りません、私達を帰して下さい!」
私は今まで勇者様は皆の命を守る為に自分の命を賭けて魔物と戦う素晴らしい人だと思っていた、目の前の男が勇者様?そんなの嘘だ、認めない。
「だーめ、辺境伯様は何も知らない様なら野放しでも良いって言ってたけど殺すなとは言ってなかったからな、お前が男なら面倒だから放って置いたが…そう言えば確か後3人一緒に逃げたメイドがいるんだろ?」
「あの子達も何も知りません!だからあの子達には手を出さないで下さい、私はどうなっても良い、だからローラとあの子達は見逃して下さい!」
「はっはっはっ!いいねぇ…そういうの凄く好きだぜ、ボロボロになるまで犯してやりたくなる、滾ってきた!」
下衆め、こんなヤツ勇者様じゃ…いや人間ですら無い、獣だ、気がつくと私はローチと名乗った男の前へ歩みでていた。
「どうした?お前も何か言いた…ッツ!?」
「この下衆野郎!お前なんかが勇者様を名乗るな!殺したければ私を殺せ!犯したければ私を犯せ!でも…ドリィに指一本でも触れてみろ!絶対に許さない!」
我慢の限界だった、私の渾身の平手はローチの頬にクリーンヒットした、ダメージを負った様子はないが驚いた表情で私を見つめている。
「いいねぇ…最高だ!最高だよお前!俺に手を上げた女なんてお前が初めてだ、徹底的に犯し尽くしてやるよ!今日は何て日だ!」
「やるならさっさとして、それとも何?女に反撃されるなんて初めてで怖気づいたのかしら?」
「いや、簡単に犯してもつまらねぇ、今から3分俺はこの部屋から動かない、その間に2人で逃げろ、もし俺から逃げ切れたら今後お前達には近寄らない」
とことん歪んだ男め、しかしこれは願ってもいないチャンスだ、私は呆然としているドリィの手をとり部屋から逃げ出した。
「はぁ…はぁ…ローラ、私はもう走れないよ…」
「諦めちゃダメ!2人で逃げるのよ、絶対見捨てたりしてあげないんだから!ドリィが諦めたら私も諦めるわ!」
「卑怯よ…そんな事言われたら諦めるなんて出来ないわ」
ドリィと2人で建物の廊下を走る、途中で何度かローチの手下らしき男達を見かけたが私達を捕まえようとはしなかった、今までも同じ事を何度もやってきたのだろう。
「で…出口よ!ドリィ!出口だわ!」
「外に出れば助けを呼べる!助かったのね!」
私達はほぼ同時に建物の外へと飛び出した、これで助けを呼べると思っていたのだが…
「はぁ…はぁ…まさか…旧市街地…?」
「そ…そんな…誰も人がいないなんて…」
最悪だ、この街並みは旧市街地、しかも東地区では無いだろうか、だとすれば助けを呼ぶ事は不可能、ローチはこうしてチャンスを与えた振りをして一気に絶望の底に叩き落とす、そうして絶望した女性の顔を見て悦に浸る事を生きがいにしているのだろう。
「ローラ、とにかく外を逃げましょう、そろそろ3分経つわ、ヤツが追ってくる」
「いえ…私に考えがあるわ、この辺りの街を逃げてもすぐに捕まってしまう、私について来て」
ここが東地区だとするの辺りの住民は帝国兵崩れだらけだ、どこに逃げてもすぐに居場所を知られてしまう。
「ち…ちょっとローラ…むぐっ」
「しっ…息を殺して、ヤツが来るわ…」
「さーて、どこに逃げやがった?絶対見つけて犯し尽くしてやるぜ!」
何か言いかけたドリィの口を塞ぐ、少しするともの凄いスピードでローチが建物から飛び出して行くのを確認できた、人間離れした脚力だ、アイツが勇者だと云うのは嘘ではなかったみたいね。
「…もう大丈夫よ、しばらくは戻って来ないわ」
「まさか建物に戻ってくるなんて…自暴自棄になったかと思ったわよ、でもいつまでも隠れてはいられないわ」
私達は建物の入り口近く、物が乱雑に積まれている場所へ身を隠しローチをやり過ごした、アイツもまさか私達が建物の中にいるとは思っていないだろう、これで少しは時間が稼げる。
「大丈夫、きっと今頃私を必死に探してくれている人がいるわ、あの人はきっと私を探し出してくれるわ」
私の脳裏にある人物の顔が重い浮かぶ、優しくて強い、だけど少しだけ世間知らずな同居人、彼なら必ず私を見つけ出してくれる、不思議だ、あの人と顔を思い浮かべると動悸が激しくなる、さっき走ったからだろうか。
「みーつけた、まさかこんな所に隠れてるなんてな、俺を騙せるとでも思っていたのか?」
「何故分かったの!?こんなに早く見つかるなんて!?」
「お前達が気を失っている間に居場所を知らせる魔道具をポケットに入れておいたのさ、まずはお前からだ!さっきのビンタは痛かったぜ!」
とことん卑怯な男め、最初から私達を逃がすつもりなんてなかったんだ、ダメだ、もうどうしようもない、ローチが私の手を掴む、助けて…助けて!ヨーグ!
「いゃあ!誰か!ローラを!ローラを助けて!」
「待て!その汚い手をローラから離せ!」
建物の入り口に人影が見える、変わった型の鎧を纏った私の英雄、来てくれた、クロスが…ヨーグが来てくれたんだ。
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