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第一章 紫炎のグリモワール
6.悪魔の入部
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「待て待て、三圀。ちょっと待て」
部長の宣言に間髪を入れずに待ったをかけたともにぃ。
「どうしたんですか、壱ヶ谷先生。何か問題でも?」
「大アリだ!」
うん、問題しかないよね。
「彼を文芸部員にすることに何の問題があるというのですか」
「いや、部員にすることを前提で話を進めるな」
「素晴らしき我が文芸部に入部しないという選択があると!?」
部長の中で文芸部は至高の存在らしい。
稲妻に打たれたようにショックを受けている。
「いや、入部云々以前にレムガはうちの生徒じゃないだろ。在校生以外は部に入部できないんだぞ」
それはそうだ。生徒手帳の部活動についての欄にも「入部は在校生のみ認める」と書かれている。
学校の部外者が部員になるのは不可能だ。
「そんな……せっかく我が部にまた面白き人材が増えると思ったのに……くっ!」
そんな悔しそうにしなくても……。
そういえば、部長は結構オカルトとか不思議なことが好きだったなぁ。時々、オカルト研究会を訪ねて宇宙との交信や何かの召喚術っぽいことをしていたのを思い出す。
今までの部長の奇行を振り返りつつ、床に手を付け、悲嘆に暮れる部長を見やる。あ、まだ水拭きしてなかった。
「大丈夫?」
レムガさんが心配そうに部長に手を差しのべる。
差し出された手を握り、立ち上がった部長はレムガさんを見つめ、まるで妙案でも思いついたかのように人差し指を天井に向けた。
「そうだ! 生徒でないのであれば、生徒にしてしまえばいいではないか!」
「「え」」
「ん?」
ポカンとする私たち三人を置き去りにして、部長は喋り続ける。
「そうだそうだ。その手があったではないか。規則の外側にいるものを引き込みたくば規則を変えるより、対象を規則の内側に入れればよいだけだ。ならば話は早い。善は急げ。一秒足りとも無駄には出来ん。何せ我々の時間は有限なのだからな! さぁ、早速、学園長の下へ行こう!」
「わわっ」
言い終えるや否や、部長はレムガさんの手を引っ張って目にも止まらぬ早さで部室を出ていってしまった。部長の高笑いとレムガさんの困った声が廊下に響きながら遠ざかっていく。
電光石火の早業と言える程の機敏さに暫く動けなかった私とともにぃもはっとして、すぐさま二人の後を追った。
「待てぇえええ──────!!!」
「待って──────っ!」
部長の宣言に間髪を入れずに待ったをかけたともにぃ。
「どうしたんですか、壱ヶ谷先生。何か問題でも?」
「大アリだ!」
うん、問題しかないよね。
「彼を文芸部員にすることに何の問題があるというのですか」
「いや、部員にすることを前提で話を進めるな」
「素晴らしき我が文芸部に入部しないという選択があると!?」
部長の中で文芸部は至高の存在らしい。
稲妻に打たれたようにショックを受けている。
「いや、入部云々以前にレムガはうちの生徒じゃないだろ。在校生以外は部に入部できないんだぞ」
それはそうだ。生徒手帳の部活動についての欄にも「入部は在校生のみ認める」と書かれている。
学校の部外者が部員になるのは不可能だ。
「そんな……せっかく我が部にまた面白き人材が増えると思ったのに……くっ!」
そんな悔しそうにしなくても……。
そういえば、部長は結構オカルトとか不思議なことが好きだったなぁ。時々、オカルト研究会を訪ねて宇宙との交信や何かの召喚術っぽいことをしていたのを思い出す。
今までの部長の奇行を振り返りつつ、床に手を付け、悲嘆に暮れる部長を見やる。あ、まだ水拭きしてなかった。
「大丈夫?」
レムガさんが心配そうに部長に手を差しのべる。
差し出された手を握り、立ち上がった部長はレムガさんを見つめ、まるで妙案でも思いついたかのように人差し指を天井に向けた。
「そうだ! 生徒でないのであれば、生徒にしてしまえばいいではないか!」
「「え」」
「ん?」
ポカンとする私たち三人を置き去りにして、部長は喋り続ける。
「そうだそうだ。その手があったではないか。規則の外側にいるものを引き込みたくば規則を変えるより、対象を規則の内側に入れればよいだけだ。ならば話は早い。善は急げ。一秒足りとも無駄には出来ん。何せ我々の時間は有限なのだからな! さぁ、早速、学園長の下へ行こう!」
「わわっ」
言い終えるや否や、部長はレムガさんの手を引っ張って目にも止まらぬ早さで部室を出ていってしまった。部長の高笑いとレムガさんの困った声が廊下に響きながら遠ざかっていく。
電光石火の早業と言える程の機敏さに暫く動けなかった私とともにぃもはっとして、すぐさま二人の後を追った。
「待てぇえええ──────!!!」
「待って──────っ!」
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