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第一章 公爵令嬢曰く、「好奇心は台風の目に他ならない」
ホットサンド
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「いらっしゃい! いらっしゃい!」
「うまいよー、おひとついかがー!」
美味しそうな匂いと元気な客引きの声。露天が並んだ道はまるでお祭の市のように賑わっていた。今は春季休暇の期間だから、平日の昼にも関わらず、人が多い。
「わー、串カツ、コロッケ、揚げパンにお饅頭・・・・・・どれも美味しそう」
思わず口内でじゅるりと音が鳴った。
やっぱこういう所に来たときの醍醐味と言えば、買い食い、立ち食い。出来立てをその場で食べるのが最高に幸せだ。
「ミリア、何にする?」
「うーん。やっぱお腹に溜まるものがいいけど・・・・・・お? こっちからすっごくいい匂いがする~」
何かのタレっぽい匂いがする方へとふらふら行くと、ホットサンドのお店があった。
店員さんが鮮やかな手つきでホットサンド用のフライパンにパンとお肉とチーズを乗せ、更にいい匂いの正体と思われるタレをかける。その上にパンをもう一枚重ね、フライパンで挟み、火に通す。
ライブクッキングだからだろうか、火の魔法を使っており、時々火が動物の形を模している。
「美味しそう~。メニューは・・・・・・色んな種類のお肉とチーズを組み合わせることが出来るんだ」
「おうよ、うちの具は肉とチーズのみ! その変わり味は保証するぜ!」
色黒のハチマキをした店員さんがフライパンをひっくり返しながら言う。
「ほうほう。余程自信がある様子。じゃあ、チェリアチーズと鶏肉のをください! ギーシャとギルハード様は?」
「俺はガルテル肉とナチュラルチーズ」
「では、私は殿下と同じものを」
「わかった。おじさん、追加でガルテル肉とナチュラルチーズのを二つください!」
「はいよー!」
おじさんが元気にそう言うと、出来上がったばかりのホットサンドを待っていた客に渡し、私たちの分に取りかかってくれた。
「お待ちどお!」
「わー!」
「ありがとう。代金はこれで」
「出来立ては流石に持つと熱いですね」
私たちはホットサンドを受け取り、会計を済ませると、各々包装紙の端を食べやすいように折ってから、
「「「いただきます」」」
声を合わせてホットサンドを食べた。
「んー! おいひい!」
ほかほかでパンの表面はこんがりさくさく、内側ふんわり。柔らかい鶏肉に濃いめのタレがよく絡んで、さっぱりとした甘さのあるチェリアチーズもいい感じ。これはお腹に溜まるわー。
「そっちはどうですか?」
「上手い」
「味もいいですが、やはり食べやすいのがいいですね」
二人共それぞれの感想を述べながら、もぐもぐとホットサンドを咀嚼している。
私たちはホットサンドをあっという間に食べ終えた。
「もう少し見てこうか」
熱々のホットサンドを食べたからか、冷たいものが欲しくなって新たに買った果実水を片手に、そう提案した。
「ここだったら掘り出し物とかあるかもだし、予算削減アイテムが見つかるかも」
「時間的には三十分くらいならいいと思うぞ」
「やったー!」
「ミリア嬢! はしゃぐのは結構ですが、一人でどこかに行かないでください」
気分の赴くまま歩を進める私にギルハード様が注意した。
「はーい。あ、お花屋さん! あれ? あれサクラじゃない?」
私が指差した先には中部にしては大きな花屋さんがあった。外から見て、店内の奥には何本かのサクラの枝が飾られている。
「珍しいな。王都のはまだ蕾の筈だが、外から運ばれたのか?」
「ちょっと、私あれ見たい」
「なら、行ってみるか」
「うん!」
こうして私たちはサクラの花に誘われて、花屋さんへと足を踏み入れた。
「うまいよー、おひとついかがー!」
美味しそうな匂いと元気な客引きの声。露天が並んだ道はまるでお祭の市のように賑わっていた。今は春季休暇の期間だから、平日の昼にも関わらず、人が多い。
「わー、串カツ、コロッケ、揚げパンにお饅頭・・・・・・どれも美味しそう」
思わず口内でじゅるりと音が鳴った。
やっぱこういう所に来たときの醍醐味と言えば、買い食い、立ち食い。出来立てをその場で食べるのが最高に幸せだ。
「ミリア、何にする?」
「うーん。やっぱお腹に溜まるものがいいけど・・・・・・お? こっちからすっごくいい匂いがする~」
何かのタレっぽい匂いがする方へとふらふら行くと、ホットサンドのお店があった。
店員さんが鮮やかな手つきでホットサンド用のフライパンにパンとお肉とチーズを乗せ、更にいい匂いの正体と思われるタレをかける。その上にパンをもう一枚重ね、フライパンで挟み、火に通す。
ライブクッキングだからだろうか、火の魔法を使っており、時々火が動物の形を模している。
「美味しそう~。メニューは・・・・・・色んな種類のお肉とチーズを組み合わせることが出来るんだ」
「おうよ、うちの具は肉とチーズのみ! その変わり味は保証するぜ!」
色黒のハチマキをした店員さんがフライパンをひっくり返しながら言う。
「ほうほう。余程自信がある様子。じゃあ、チェリアチーズと鶏肉のをください! ギーシャとギルハード様は?」
「俺はガルテル肉とナチュラルチーズ」
「では、私は殿下と同じものを」
「わかった。おじさん、追加でガルテル肉とナチュラルチーズのを二つください!」
「はいよー!」
おじさんが元気にそう言うと、出来上がったばかりのホットサンドを待っていた客に渡し、私たちの分に取りかかってくれた。
「お待ちどお!」
「わー!」
「ありがとう。代金はこれで」
「出来立ては流石に持つと熱いですね」
私たちはホットサンドを受け取り、会計を済ませると、各々包装紙の端を食べやすいように折ってから、
「「「いただきます」」」
声を合わせてホットサンドを食べた。
「んー! おいひい!」
ほかほかでパンの表面はこんがりさくさく、内側ふんわり。柔らかい鶏肉に濃いめのタレがよく絡んで、さっぱりとした甘さのあるチェリアチーズもいい感じ。これはお腹に溜まるわー。
「そっちはどうですか?」
「上手い」
「味もいいですが、やはり食べやすいのがいいですね」
二人共それぞれの感想を述べながら、もぐもぐとホットサンドを咀嚼している。
私たちはホットサンドをあっという間に食べ終えた。
「もう少し見てこうか」
熱々のホットサンドを食べたからか、冷たいものが欲しくなって新たに買った果実水を片手に、そう提案した。
「ここだったら掘り出し物とかあるかもだし、予算削減アイテムが見つかるかも」
「時間的には三十分くらいならいいと思うぞ」
「やったー!」
「ミリア嬢! はしゃぐのは結構ですが、一人でどこかに行かないでください」
気分の赴くまま歩を進める私にギルハード様が注意した。
「はーい。あ、お花屋さん! あれ? あれサクラじゃない?」
私が指差した先には中部にしては大きな花屋さんがあった。外から見て、店内の奥には何本かのサクラの枝が飾られている。
「珍しいな。王都のはまだ蕾の筈だが、外から運ばれたのか?」
「ちょっと、私あれ見たい」
「なら、行ってみるか」
「うん!」
こうして私たちはサクラの花に誘われて、花屋さんへと足を踏み入れた。
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