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11.婚姻届を提出した人物の特徴
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『前略 シェーラ・アルトゥニス様、並び保護者様
私は役所に勤めておりますナタリア・ルルーバと申します。
現在、私がおります辺境伯領役所は新設されたため、繁忙を極め、王都役所まで行くのが困難な状況にあります。そのため、直接御前にて謝罪出来ない非礼をお許し下さい。
そして、シェーラ様の同意を得ずに提出された婚姻届を受理してしまい、誠に申し訳ありませんでした。偽造された署名と気づかなかったのは私の注意不足であり、私の責任です。その件でご意見がおありでしたら、辺境伯領役所まで書簡をお送り下さい。如何なる処罰でも受ける所存でございます。ですが、せめて辺境伯領役所の運営が落ち着くまでの憂慮を賜りたいとお願い申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。
そして、婚姻届の件ですが、私の記憶が全て正しいとは言えませんが、覚えていることをお伝え致します。
婚姻届が提出されたのは、私が辺境伯領役所へ移動する半年程前だったので、今から約一年前です。それは婚姻届に記入されている提出日を確認して頂ければ分かると思います。
肝心の提出された方ですが、まず性別は女性でした。年齢は二十歳手前くらいに見受けられました。身長は1メル60シームくらいで、黄緑のコートを着ていましたが細身の方だったと思います。お顔は黒いツバ広の帽子と紫の色眼鏡を掛けてらっしゃたので、よくは分かりませんでした。そういえば、唇に真っ赤な鮮やかな口紅を引いていたと思います。口数の少ない方で、お話になったのは、受付にいらした際の「婚姻届を提出に来ました」と帰り際の「どうも」という二言くらいです。お声の方は申し訳ありません。覚えていないのです。
お顔を隠していたことが少し気になりましたが、役所には様々な方が訪れます。婚姻届にはヘンドリック・エドゥーラ様とシェーラ・アルトゥニス様のお名前がそれぞれ違う筆跡で書かれており、貴族の方は特に様々な事情を抱えていらっしゃる方が多いため、この方もそういった事情がおありなのだろうと特に確認もせずに手続きをしてしまいました。
私が覚えているのはこれくらいのことです。
お力になれるかどうか分かりませんが、どうかご参考下さい。もし何か思い出しましたら、すぐにご連絡申し上げます。この度は本当に申し訳ありませんでした。
敬具』
「女性、ですか・・・・・・」
手紙を読み終わり、シェーラは最初に書かれていた情報を呟いた。
「この世の半分は女性ですし、一年前ということは、今は二十歳くらいの1メル60シームの女性なんて、たくさんいますよねぇ」
「それでも一年前のことをこれだけ覚えていたというのは、この役人は随分記憶力がいいんだな。情報はあるだけ困らない。カイに頼んで、一応周辺に一年前にこういった女を見なかったか聞き込みをさせよう。この手紙、頂いても?」
「はい。元々シェーラ様たち宛てのものですから」
「そうですか。ところで、彼女は婚姻届を受理した件をかなり気に病んでいるようですが、こちらとしては役所や彼女に対して何かする気はありません。ただ、婚姻届を無効にするために必要になったら協力して頂きたいとそちらから伝えて頂けますか?」
「承知致しました。アルトゥニス様の寛大な処置に感謝致します。それとシェーラ様」
「何でしょう?」
キースとノックのやり取りを黙って見ていたシェーラは、突然名指しされ、目をぱちくりさせた。
そんなシェーラの前に、ノックは一枚の白紙の用紙とペンを差し出す。
「お手数ですが、こちらにお名前をご記入下さい。婚姻届の署名が虚偽であると証明するためにも、筆跡鑑定士の鑑定書が必要ですから」
「ああ、分かりました」
シェーラは納得するとペンを取って、慎重にペン先をすらすらと白い紙上に走らせた。
ほとんどの人間が最初に覚えるのは自分の名前である。今まで何度も書いてきたシェーラ・アルトゥニスの字は、淀みなく、流麗で、婚姻届のものとは比べようもなく美しかった。
(ふふん。間違ってもあんな悪筆を書いたとは思われたくないもの。普段の百倍、綺麗に書いてやったわ!)
我ながら満足のいく麗筆に、シェーラは心の中で自慢気に鼻息を吹いた。
「ありがとうございます。鑑定結果が出次第、裁判所に提出させて頂きますね」
「お願いします」
何卒と、シェーラとキースは二人一緒に頭を下げた。
まぁ、鑑定結果を待つまでもなく、婚姻届の署名とシェーラの筆跡が一致しないのは素人目でも明らかだが、公的文書を無効にするためには正式な書類が必要になるため、我慢して待つしかない。
「そういえば、あのイカれポン──いえ、エドゥーラ伯爵が提出してきた離縁状はどうなりましたか?」
ふと、シェーラが訊ねた。
今日役所に来ることになったのは、離縁状が提出されたことが理由だ。
一度提出されたあの離縁状は役所にあるのか、エドゥーラ伯爵が持っているのか。どうなったのかが気になった。
婚姻届は偽造だが、離縁状は正真正銘シェーラとヘンドリックの署名がされている。この場合はどうなるのかが気になる。
「そちらでしたら、役所内で保管しております。離縁状を受理しますと、戸籍に記録が残ってしまいますので、婚姻届の効果が無効であると証明され次第、こちらで責任を持って破棄させて頂きます」
「返っては来ないんですね」
「シェーラ様とヘンドリック様両名の署名がありますので。規則でどちらかに返却する訳にはいかないのです」
「そうなんですか」
(まぁ、署名って家でいうと家紋みたいなものだものね。特にこういうケースだと片方に返したら復讐に使われるとかあるのかしら?)
シェーラはよく分からなかったが、ノックの口振りから署名が悪用される可能性があるのだろうなと思った。
離縁状を返却されたところで、シェーラは捨てる一択だけだから気にしないが、確かにあの訳の分からない男に自分に関係あるものが一つでも渡るのは死んでも嫌だったため、役所の規則はありがたかった。
「他に何かご確認したいことはありますか?」
「そうだな・・・・・・離縁状はエドゥーラ伯爵本人が提出しに来たんですか?」
「はい。ご本人様と、お連れの女性がいらったしゃったと担当した者から聞いております」
「女性?」
離縁状を提出に来た時の様子を訊ね、返ってきた答えにキースがピクリと反応した。
「どんな女性ですか?」
「確か──髪の長い、貴族令嬢らしい装いの方だったらしいです。ああ! そういえば、ヘンドリック様が「エリザベス」と呼んでいたとも言っていましたね」
「「出たなエリザベス」」
聞き覚えのある名前に二人は敏感に反応した。
「二人はその時、何か話してませんでしたか?」
手掛かりは少しでも多い方が、後で調べる手間が省けるとシェーラが身を乗り出して訊ねた。
「私もその場におりませんでしたので──ですが、ヘンドリック様はエリザベスという方に「これで半年後には君と一緒になれる」と囁いていたと言っていたので、恐らくそういう関係の方かと──」
エリザベスという女がヘンドリックと男女の関係にあるということは、離縁状に署名しろとアルトゥニス侯爵家に乗り込んできた時のヘンドリックの口振りから想像はついていた。
そもそもそういう相手がいるなら、シェーラとの婚姻届に何故署名した──と思ったところで、シェーラは確認していないことに気づいた。
「あの、私からもいいでしょうか?」
「はい。何でしょう?」
「エドゥーラ伯爵の署名は本人のものですか?」
「そちらも鑑定する予定なので断言は出来ませんが、見たところ本人の可能性が高いかと」
「そうですか。ありがとうございます」
(なら、そのこの一年のうちにそのエリザベスとかいう女性と恋仲になって、私との婚姻関係(偽造だけど!)が邪魔になって離縁しようとしたってことかしら?)
一応の予想は立てるも、まだ決めつけるのはよくないと、あくまでこの予想は頭の片隅に置いておくに留めた。
どのみち、わざわざ離縁状に署名させに来た以上、ヘンドリックが黒幕でないことに間違いはないのだ。
「シェーラ、他に訊いておきたいことはある?」
「いえ、大丈夫です」
本題である筆跡鑑定のための署名の直筆の済んだため、後はキースとノックが二、三やり取りをし、シェーラはようやく解放されることになった。
「本日はご足労頂きありがとうございました。改めて、申し訳ありません」
「いえ。何かありましたら、ご連絡下さい」
「はい。そちらも必要になれば、いつでもご相談下さい」
キースとノックが立ち上がり、シェーラもそれに倣って立ち上がる。
そのままノックが開いたドアを潜り、エントランスまで見送って貰ったシェーラとキースはリサとカイに合流し、役所を後にしたのだった。
私は役所に勤めておりますナタリア・ルルーバと申します。
現在、私がおります辺境伯領役所は新設されたため、繁忙を極め、王都役所まで行くのが困難な状況にあります。そのため、直接御前にて謝罪出来ない非礼をお許し下さい。
そして、シェーラ様の同意を得ずに提出された婚姻届を受理してしまい、誠に申し訳ありませんでした。偽造された署名と気づかなかったのは私の注意不足であり、私の責任です。その件でご意見がおありでしたら、辺境伯領役所まで書簡をお送り下さい。如何なる処罰でも受ける所存でございます。ですが、せめて辺境伯領役所の運営が落ち着くまでの憂慮を賜りたいとお願い申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。
そして、婚姻届の件ですが、私の記憶が全て正しいとは言えませんが、覚えていることをお伝え致します。
婚姻届が提出されたのは、私が辺境伯領役所へ移動する半年程前だったので、今から約一年前です。それは婚姻届に記入されている提出日を確認して頂ければ分かると思います。
肝心の提出された方ですが、まず性別は女性でした。年齢は二十歳手前くらいに見受けられました。身長は1メル60シームくらいで、黄緑のコートを着ていましたが細身の方だったと思います。お顔は黒いツバ広の帽子と紫の色眼鏡を掛けてらっしゃたので、よくは分かりませんでした。そういえば、唇に真っ赤な鮮やかな口紅を引いていたと思います。口数の少ない方で、お話になったのは、受付にいらした際の「婚姻届を提出に来ました」と帰り際の「どうも」という二言くらいです。お声の方は申し訳ありません。覚えていないのです。
お顔を隠していたことが少し気になりましたが、役所には様々な方が訪れます。婚姻届にはヘンドリック・エドゥーラ様とシェーラ・アルトゥニス様のお名前がそれぞれ違う筆跡で書かれており、貴族の方は特に様々な事情を抱えていらっしゃる方が多いため、この方もそういった事情がおありなのだろうと特に確認もせずに手続きをしてしまいました。
私が覚えているのはこれくらいのことです。
お力になれるかどうか分かりませんが、どうかご参考下さい。もし何か思い出しましたら、すぐにご連絡申し上げます。この度は本当に申し訳ありませんでした。
敬具』
「女性、ですか・・・・・・」
手紙を読み終わり、シェーラは最初に書かれていた情報を呟いた。
「この世の半分は女性ですし、一年前ということは、今は二十歳くらいの1メル60シームの女性なんて、たくさんいますよねぇ」
「それでも一年前のことをこれだけ覚えていたというのは、この役人は随分記憶力がいいんだな。情報はあるだけ困らない。カイに頼んで、一応周辺に一年前にこういった女を見なかったか聞き込みをさせよう。この手紙、頂いても?」
「はい。元々シェーラ様たち宛てのものですから」
「そうですか。ところで、彼女は婚姻届を受理した件をかなり気に病んでいるようですが、こちらとしては役所や彼女に対して何かする気はありません。ただ、婚姻届を無効にするために必要になったら協力して頂きたいとそちらから伝えて頂けますか?」
「承知致しました。アルトゥニス様の寛大な処置に感謝致します。それとシェーラ様」
「何でしょう?」
キースとノックのやり取りを黙って見ていたシェーラは、突然名指しされ、目をぱちくりさせた。
そんなシェーラの前に、ノックは一枚の白紙の用紙とペンを差し出す。
「お手数ですが、こちらにお名前をご記入下さい。婚姻届の署名が虚偽であると証明するためにも、筆跡鑑定士の鑑定書が必要ですから」
「ああ、分かりました」
シェーラは納得するとペンを取って、慎重にペン先をすらすらと白い紙上に走らせた。
ほとんどの人間が最初に覚えるのは自分の名前である。今まで何度も書いてきたシェーラ・アルトゥニスの字は、淀みなく、流麗で、婚姻届のものとは比べようもなく美しかった。
(ふふん。間違ってもあんな悪筆を書いたとは思われたくないもの。普段の百倍、綺麗に書いてやったわ!)
我ながら満足のいく麗筆に、シェーラは心の中で自慢気に鼻息を吹いた。
「ありがとうございます。鑑定結果が出次第、裁判所に提出させて頂きますね」
「お願いします」
何卒と、シェーラとキースは二人一緒に頭を下げた。
まぁ、鑑定結果を待つまでもなく、婚姻届の署名とシェーラの筆跡が一致しないのは素人目でも明らかだが、公的文書を無効にするためには正式な書類が必要になるため、我慢して待つしかない。
「そういえば、あのイカれポン──いえ、エドゥーラ伯爵が提出してきた離縁状はどうなりましたか?」
ふと、シェーラが訊ねた。
今日役所に来ることになったのは、離縁状が提出されたことが理由だ。
一度提出されたあの離縁状は役所にあるのか、エドゥーラ伯爵が持っているのか。どうなったのかが気になった。
婚姻届は偽造だが、離縁状は正真正銘シェーラとヘンドリックの署名がされている。この場合はどうなるのかが気になる。
「そちらでしたら、役所内で保管しております。離縁状を受理しますと、戸籍に記録が残ってしまいますので、婚姻届の効果が無効であると証明され次第、こちらで責任を持って破棄させて頂きます」
「返っては来ないんですね」
「シェーラ様とヘンドリック様両名の署名がありますので。規則でどちらかに返却する訳にはいかないのです」
「そうなんですか」
(まぁ、署名って家でいうと家紋みたいなものだものね。特にこういうケースだと片方に返したら復讐に使われるとかあるのかしら?)
シェーラはよく分からなかったが、ノックの口振りから署名が悪用される可能性があるのだろうなと思った。
離縁状を返却されたところで、シェーラは捨てる一択だけだから気にしないが、確かにあの訳の分からない男に自分に関係あるものが一つでも渡るのは死んでも嫌だったため、役所の規則はありがたかった。
「他に何かご確認したいことはありますか?」
「そうだな・・・・・・離縁状はエドゥーラ伯爵本人が提出しに来たんですか?」
「はい。ご本人様と、お連れの女性がいらったしゃったと担当した者から聞いております」
「女性?」
離縁状を提出に来た時の様子を訊ね、返ってきた答えにキースがピクリと反応した。
「どんな女性ですか?」
「確か──髪の長い、貴族令嬢らしい装いの方だったらしいです。ああ! そういえば、ヘンドリック様が「エリザベス」と呼んでいたとも言っていましたね」
「「出たなエリザベス」」
聞き覚えのある名前に二人は敏感に反応した。
「二人はその時、何か話してませんでしたか?」
手掛かりは少しでも多い方が、後で調べる手間が省けるとシェーラが身を乗り出して訊ねた。
「私もその場におりませんでしたので──ですが、ヘンドリック様はエリザベスという方に「これで半年後には君と一緒になれる」と囁いていたと言っていたので、恐らくそういう関係の方かと──」
エリザベスという女がヘンドリックと男女の関係にあるということは、離縁状に署名しろとアルトゥニス侯爵家に乗り込んできた時のヘンドリックの口振りから想像はついていた。
そもそもそういう相手がいるなら、シェーラとの婚姻届に何故署名した──と思ったところで、シェーラは確認していないことに気づいた。
「あの、私からもいいでしょうか?」
「はい。何でしょう?」
「エドゥーラ伯爵の署名は本人のものですか?」
「そちらも鑑定する予定なので断言は出来ませんが、見たところ本人の可能性が高いかと」
「そうですか。ありがとうございます」
(なら、そのこの一年のうちにそのエリザベスとかいう女性と恋仲になって、私との婚姻関係(偽造だけど!)が邪魔になって離縁しようとしたってことかしら?)
一応の予想は立てるも、まだ決めつけるのはよくないと、あくまでこの予想は頭の片隅に置いておくに留めた。
どのみち、わざわざ離縁状に署名させに来た以上、ヘンドリックが黒幕でないことに間違いはないのだ。
「シェーラ、他に訊いておきたいことはある?」
「いえ、大丈夫です」
本題である筆跡鑑定のための署名の直筆の済んだため、後はキースとノックが二、三やり取りをし、シェーラはようやく解放されることになった。
「本日はご足労頂きありがとうございました。改めて、申し訳ありません」
「いえ。何かありましたら、ご連絡下さい」
「はい。そちらも必要になれば、いつでもご相談下さい」
キースとノックが立ち上がり、シェーラもそれに倣って立ち上がる。
そのままノックが開いたドアを潜り、エントランスまで見送って貰ったシェーラとキースはリサとカイに合流し、役所を後にしたのだった。
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