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第十五話 襲われる心当たりなんてないんですけど!?
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柿は食べられなくなってしまったけれど、罠のことを聞いた途端に裏庭へ行くのを止めたら怪しまれると思って、結局裏庭に来た。
「わー、沢山生ってるねぇ」
「つやつやしてて、美味しそうですね!」
「ここの柿の木は、昔の卒業生が寄贈されたものだそうです」
・・・・・・何故、この人たちまで?
そう、現在裏庭には、私の他にコンラッド殿下とヴァルト先輩、そして先週私をコンラッド殿下の元へ案内した先輩──名前はソール・クラウズムというらしい──がいた。ほんとに何で?
いや、経緯を説明すると、あの後クラウズム先輩も合流したコンラッド殿下一向が、コンラッド殿下の「私も柿の木が見たいな」の一言で着いてきたからなんだけど。
「エルシカ嬢は柿が好きなのかい?」
「食べ物は大抵好きです」
「アバウトだな・・・・・・」
美味しいものはもっと好き。だからこそ、この丸々実った柿を見るだけで食べられないのが悲しい・・・・・・。
この三人は元々親しい仲なだけあって、止むことなく会話をしている。時折、コンラッド殿下が気を使ってか、私にも話を振ってくれるけれど、正直早くここから立ち去りたい。
どうして私は婚約破棄した相手の兄と、初対面の人たちと柿を見てるんだ。
立ち去る機会を窺っていると、柿の木の近くの茂みが揺れた。ついでに殺気も感じた。
──って、殺気!!?
「皆様、ここから離れて──」
「殿下!」
さっすが護衛! マルク様も殺気に気がついたようで、咄嗟にコンラッド殿下の元へと駆け寄る。
一体何者!? まさか、コンラッド殿下を狙って──?
コンラッド殿下が狙われていると思った私は、思わず構えた。だって、この面子の中で一番命狙われそうなのってコンラッド殿下でしょ? 立場的に。
が、そんな私の推測は外れることになる。
「エルシカ・ガルルファング! 死ねぇっ!」
何故なら、茂みから剣を振りかざして飛び出してきた人物は、私に向かって来たからだ。
──はぁ!? 狙いは私かい! 一体何で!!?
「わー、沢山生ってるねぇ」
「つやつやしてて、美味しそうですね!」
「ここの柿の木は、昔の卒業生が寄贈されたものだそうです」
・・・・・・何故、この人たちまで?
そう、現在裏庭には、私の他にコンラッド殿下とヴァルト先輩、そして先週私をコンラッド殿下の元へ案内した先輩──名前はソール・クラウズムというらしい──がいた。ほんとに何で?
いや、経緯を説明すると、あの後クラウズム先輩も合流したコンラッド殿下一向が、コンラッド殿下の「私も柿の木が見たいな」の一言で着いてきたからなんだけど。
「エルシカ嬢は柿が好きなのかい?」
「食べ物は大抵好きです」
「アバウトだな・・・・・・」
美味しいものはもっと好き。だからこそ、この丸々実った柿を見るだけで食べられないのが悲しい・・・・・・。
この三人は元々親しい仲なだけあって、止むことなく会話をしている。時折、コンラッド殿下が気を使ってか、私にも話を振ってくれるけれど、正直早くここから立ち去りたい。
どうして私は婚約破棄した相手の兄と、初対面の人たちと柿を見てるんだ。
立ち去る機会を窺っていると、柿の木の近くの茂みが揺れた。ついでに殺気も感じた。
──って、殺気!!?
「皆様、ここから離れて──」
「殿下!」
さっすが護衛! マルク様も殺気に気がついたようで、咄嗟にコンラッド殿下の元へと駆け寄る。
一体何者!? まさか、コンラッド殿下を狙って──?
コンラッド殿下が狙われていると思った私は、思わず構えた。だって、この面子の中で一番命狙われそうなのってコンラッド殿下でしょ? 立場的に。
が、そんな私の推測は外れることになる。
「エルシカ・ガルルファング! 死ねぇっ!」
何故なら、茂みから剣を振りかざして飛び出してきた人物は、私に向かって来たからだ。
──はぁ!? 狙いは私かい! 一体何で!!?
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