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九話

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それからどのくらい経ったか、ラティーヌはあれから冬馬を離す事なく抱き潰していた。
「うっ・・・あぁぁ・・・もぅ出ない・・・」
もう何回イかされたかわからないが、それでもまだ行為を続けようとするラティーヌに冬馬は嫌々と首を振る。
「はぁ・・・愛してます・・・冬馬」
ラティーヌもまた理性を失ったようにひたすら、冬馬を求める。
はぁ・・・はぁはぁ
イったばかりで荒い呼吸を繰り返す冬馬をラティーヌは抱き上げると、未だ衰えない自身の昂りにそのままドンッと座らせた。
「ぐぁぁぁ!」
いきなりの衝撃に冬馬が叫ぶ。前に体が崩れそうになるのをラティーヌは腕を回して抱き寄せる。
「うぁぁ、ふっふかっ・・・いぃぃ・・・」
ラティーヌに深く貫かれ言葉にならない虚声が漏れる。
ラティーヌは冬馬の背中にキスを落としながら、前と胸とを同時に弄り始めた。
「あぁぁ・・・うぅ・・・あっあっ!」
冬馬ももう声を抑えることは出来なくなっていた。
「またっ・・・あぁぁ・・・いくぅぅ」
「ダメです。」
3点を同時に攻められ今にも果てようとした時、ラティーヌがそれを制した。
「うぁ?」
一瞬何が起きてるのか分からなかった冬馬だが、解放しようとしたそこがラティーヌの手によってキツく蓋をされていることに気づいた。
逃げ場を失った快感がまだ体内で暴れまくっている。
「やっやめっ!あぁぁ・・・離し・・・てぇ」
猛烈な快感に訳がわからず涙を流しながら冬馬が懇願する。その後ろでラティーヌは冬馬の物を堰き止めたまま、もう片方の手で体を支えるとガツガツを後ろから突き始めた。
「くっ!あぁぁぁ!」
冬馬の口から雄叫びが上がる。仰け反らせた顔がラティーヌの肩口に当たる。
「先にイっては・・・ダメですよ。はぁ・・・一緒にイきましょう
「あぁ!あっあっ!うぁぁ!」
目の前がチカチカするような感覚に堪らず、訳も分からず暴れたくなる。しかし、体力もない上にラティーヌの片腕にしっかりと抱えられており、思うように体を動かせない。
「うぐぅぅ、もぅ・・・変にっ・・・なるからぁぁ」
必死に腰をうねらせ、逃げようとするがそれが逆にラティーヌの物を良いところに導いているかのように、快感が次から次へと押し寄せる。
「うっあぁぁ!はぁはぁ・・・あぁっあ!」
冬馬の目から生理的な涙が幾つも伝う。
段々とラティーヌの動きも激しくなり、呼吸も荒くなる。
「うぁぁ、やめっ!いやっぁぁぁ!」
「はぁはぁ・・・私も・・・もうイきます・・・うっ!」
「あ“ぁぁぁぁっ!」
ラティーヌが放つと同時に冬馬自身を堰き止めていた手も離す。あり得ないほどの快感に冬馬は体を震わせながら意識を手放した。
はぁはぁはぁ・・・
室内にはラティーヌの荒い呼吸音が響くだけだった。

どれくらい寝ていたのだろう・・・
冬馬は重い瞼をゆっくりと上げた。うっすらと視界に映る部屋は随分と明るかった。日が昇ってだいぶ時間が経っているのだろう。
冬馬はぼんやりと部屋を見回す。自分はどこで寝ているのか。昨日何があったのか。まだ頭が覚醒せず靄がかかったようだ。
冬馬が何気なく寝返りをしようとした瞬間・・・
「っっ!」
重たい痛みが下半身を襲い、声にならない声を上げる。
その痛みと共に今朝の事が鮮明に思い出され、顔が真っ赤になる程の怒りが込み上げてきた。
冬馬は重たい体を起こすと、まず自分の体を確認する。昨日の事が嘘だったかのように、綺麗に整えられた服、綺麗な体。
一瞬昨日の出来事が夢だったのではと思ったが、体のだるさや腰の痛みが現実である事を知らせてくる。
きっとラティーヌが事後処理をしたのだろう。と冬馬は思った。でも、自分の体を綺麗にしたくらいで昨日の行為を許す事は到底出来なかった。
その時、
「冬馬・・・」
隣から控えめに自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。
冬馬はその声の主を思いっきり睨み上げた。
「体は大丈夫ですか?」
その言葉に冬馬はカッとなりラティーヌの胸倉を掴んだ。
「大丈夫なわけねぇだろ!どういうつもりだ。なんでまだここに居るんだよ。用が終わったならさっさとここから出て行け!俺の前に2度と現れるな!」
畳み掛けるようにラティーヌに罵声を浴びせる。
ラティーヌは昨日とは打って変わって、眉尻を下げ、冬馬の顔を情けない表情で見る。
「冬馬・・・私は只貴方が好きなだけです。」
「好きだったら何してもいいのかよ。お前の国の奴らは皆そうだ。大事なのは自分の思いだけ。俺がどんな気持ちなのかなんてどうでもいいんだろ!」
異世界で自分を抱こうとした奴らは俺が嫌がろうがどうしようがお構いなしだった。だから、自分が強くなるしかなかったが、そういう考え方に程々虫唾が走る。
「・・・。」
冬馬の言葉にラティーヌは何か考え込むような仕草を見せる。しかし、その態度にも冬馬は腹を立てる。
「いつまでここに居るつもりだよ?早く出て行けよ!俺はお前らが嫌だからこの世界に戻ってきたんだ。わざわざこっちに来てその面見せんじゃねぇよ!」
冬馬はそういうと重い体に鞭打って立ち上がると、ラティーヌの首根っこを掴んで玄関の方へ歩き出した。
「待って!冬馬・・・話を!」
「テメェと話すことなんてねぇ!いいか、2度と俺の所に来るな!俺はもう女神ともあっちの世界とも関係ない。お前も早く元の世界に戻れ!」
ラティーヌの話を打ち切りそのまま玄関を開ける。そして、首根っこを掴んだまま外へラティーヌを放り出した。
「うっ・・・」
尻餅をついたラティーヌが痛そうに呻くが、冬馬はお構いなしに扉を力一杯閉めた。
バァン!
その扉の音が今の冬馬との心の距離だと言われているようでラティーヌは肩を落としてそのまま街の方へ姿を消した。
ラティーヌの足音が遠ざかった事を確認すると冬馬は、
はぁぁぁ
と深いため息を吐いた。
最悪すぎる。やっとあの世界から抜け出せたと思ったのに、まさかこっちの世界でもこんな目に遭うとは。
冬馬は昨日の自分を思い出してギリっと唇を強く噛み締めるのだった。
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