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【第二部】
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しおりを挟む利き手で握った昂りの先端からは、ダラダラと液体が溢れる。
「…ぁ、…あっ…、れんさん…」
黒川さんが俺に触る時は、ちゃんと反応見ながら触ってくれるから、怖かったり苦しかったりした事は一度もない。
…気持ちよすぎて怖かったり苦しかったりした事はあるけどね。
黒川さんが俺のしてくれる時はこうやって、先の方、指でぐりぐりして…でも俺がイキそうになったら一気に擦ってくれるよな…と、黒川さんの手の動きを思い出しながら、みっともない体勢で自分の性器を慰める。
「あっ、ぅ…う…ンっ…」
一秒でも早く気持ちよくなる為に、思うがまま動かしていた手を止めた。
黒川さんの匂いがするシーツが頬に触れ、一瞬、頭が冷静になる。
「…っは…」
嫌だ嫌だ嫌だ、一人でこんな事したくない。
でも黒川さんが遠くに行っちゃってから、自慰すらしてなかった身体と、ヒートが合わさって限界だった。
自分が握っている性器は、一刻も早く欲の放出を求めてピクピク動く。
それを見て、何となく左手の中指で後孔の周りを撫でてみると、そこは既に濡れていて柔らかくなっていた。
「…ぁっ、はいった…!」
指先で少し圧迫するとそこまで抵抗無しに指が飲み込まれる。
ナカは驚くほど柔らかく熱い。
自分で後ろに指を突っ込んでから色々吹っ切れるまで、時間はかからなかった。
もうここまでやっちゃったし、いいか!と中に突っ込んだ指を疎いながらも動かす。
どこが俺の好きな所か分からないけど、多分奥の方だよな…。
寝室に、俺の前と後ろから出るくちゅくちゅという音が響き始めた。
自分が恥ずかしい事をしているのを強く実感して腰が重くなる。
あとちょっと、もう少し奥まで届いたら。
──黒川さんの、あつくておっきいのだったらすぐ気持ちよくなれるのに。
「─っァ」
突かれた時の熱さを思い出し、頭の中が真っ白になる。
性器を握る手は出口らへんを強く擦って、後孔は指をキツく締め付ける。
ゾワッと快感が這い上がってくるのが怖くて、自分で自分を抱き締めた感触でさえ快感に変わった。
「ヒっ、あ…ぁっ、あっ、…ぅ、ン!」
腰がガクガク震えて勢いよく白濁が飛び出し背をぎゅうっと丸める。
久しぶりの射精でボーッとする頭。そんな状態で視界に入った黒いシーツは俺の出した精液と先走りで白く汚れていた。
…頭バカになりそう…。
全部とろとろになってなにも考えられない。
でも『足りない』と感じるのだけはハッキリしていた。
「…ぅ…」
絶頂後の怠さに目を閉じると、罪悪感が一気に襲ってくる。
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