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【第一部】
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しおりを挟む「ずっと顔赤いなって思ってたんだよ」
「…?」
いつの間にか、黒川さんの両手は俺の顔の横についている。
さっきからどんどん甘い匂いは強くなっていて、黒川さんをダイレクトに感じているような感覚でゾクゾクするのが止まらない。
俺を見下ろす黒川さんはフーフー荒い息を吐いていて、喰われそうだ、と本能で感じる。
でも不思議と怖くはなくて寧ろ俺を黒川さんでいっぱいにして欲しい。
頭は甘い匂いで侵されて上手く思考回路が働かない。
「黒川さんっ、…きす…」
「目閉じてろ」
顔の横の腕を力の入らない手で掴みながら欲求のままに言ってみるとすぐに距離が縮まる。
ぎゅっと目を瞑ると唇にふにっと柔らかい感触がして思わず目を開けた。
やっぱり当たり前に近くて至近距離で目が合う。
とろりと蕩けそうな程に甘い笑顔が見え、心臓が騒がしく動き出した。
「…目開けるの好きだな」
「もっと…」
「仰せのままに」
ちゅっ、ちゅ、と角度を変えながら可愛らしいキスを唇意外にも落とされ、擽ったさに身をよじる。
それにさえ、意識してないのに身体はゾクゾク快感を拾い、俺の前が勃起するのがわかった。バスローブを押し上げているのが視界に入る。
黒川さんにバレたらどうしようと焦り脚を気持ち閉じるが気付かれない訳なくて、あっさりバスローブを捲られる。
下は何も着てないのに…!!
「…見ないで…」
「…孕ませてないの褒めてくれよ」
バッと両手でそこを覆うと勢いで刺激してしまい、びくりと身体が震える。
それを見た黒川さんは何かを思い付いたようにニヤリと笑った。
「そのまま握って」
「…え?」
「自分でいつもするみたいにしろ」
自分ではあまりしないからよく分からないけど、朝に生理現象で起きた時に処理する時みたいにすればいいのか?
でも黒川さんにそれを見られると考えただけで手が止まる。
無理だと縋る様に黒川さんを見上げるけど触ってくれる様子はなくて、そろそろと両手で性器を握る、が中々動かせない。
「…無理です」
「できる。やれ。」
右耳に舌を差し込まれ、ぐちゅっと音が響き脳を直接舐められているような感じに震える。そしてすぐに俺の手は勝手に動く。
こんなの駄目なのに、見られてるのに、そう思うほど動きは大胆になってすぐにイきたい事しか考えられなくなる。
「…っ、っはぁ…」
「上手」
「無理っ、っ…むり!くろかわ、さ、ぁん…」
名前を呼んでも身体に穴が開くんじゃないかってくらい見つめられるだけ。
綺麗な指先で頬をするんと撫でられてピリッと電流が走ったみたいに痛む。
痛むけど、それ以上に気持ちよくて既に蕩けている思考回路が一層ダメになる。
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