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クロック帝国編

狼と鷹は仲が悪い

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ユースとアルくんが宿を出たあと、僕も身支度をして宿を出た。

確かギルドってあっちの方にあったような…。

屋台の人や外にいる人に聞きながらギルドにたどり着く。


「ここかぁ…!」


木でできた建物は一部ボロボロになってはいるけど、全体的に見ると味があってそれすらもいいものに見える。


「ウルフいるかなぁ…」


僕がそうつぶやきながらドアをゆっくり開けると、何か怒鳴り声が聞こえてきた。


「おい、ウルフ!!今なんて言った!もう一回言ってみろ!!」


鷹のように鋭い目をした男の周りにいるうちの一人がウルフに掴みかかっている。


「…だから、あんたらみたいな野蛮なやつらとパーティなんて組まないって言ったんです、よっ…!」

「…っ!」


ウルフもウルフで鷹の男の人が苦手なのか目を逸らしながら、掴みかかってきた人を突き飛ばしている。

すると奥にいた鷹の人のが呆れながら前に出てきた。


「俺だってお前と好きで組みたくて言ってんじゃねーよ。…森が魔物で荒れてるって、お前が言ってたんだろ?」

「チッ!」

「ギルド内で一、二を争ってる俺らが組めば魔物なんて怖くないだろ?それを周りも望んでんだよね。お分かり?ウルフちゃん。」

「黙れ!」


ガシャンという音がしてキュッと瞑っていた目を恐る恐る開けると鷹のような男の人がテーブルに突き飛ばされていて、潰れたテーブルを下敷きにしてしまっている。

ウルフは少し怯えた顔をして彼を見た後逃げるようにこちらに走ってきた。

僕は、今のウルフになんて声を掛ければいいのか分からなくて、思わずテーブルの下に隠れる。

ウルフが出ていった後ゆっくりテーブルから出て、先程の鷹の男の人を見る。

あ…。

鋭い目が僕を見ている…。


「おい、そこのお前。」


鷹の人の声にギルド内にいた全員がこちらを見る。

ガタイのいい男の人たちがこちらを鋭い目で見つめている。


「ひっ…」


あまりの視線の多さに僕はプルプルと震える。


「ここのギルドになんかようか?…お前ここのやつじゃないだろ。見たことないし。」


彼はゆっくり立ち上がると、濡れた髪をかきあげながら近寄ってきて、腰が抜けて座り込んだ僕を上から見下ろしてくる。


「あ、あの…ほんとはウルフに会いに来ただけで…でも、そんな雰囲気じゃなくって…!」


僕がウルフのワードを出した瞬間彼の目がまた一層鋭くなった。


「…あいつの知り合いか?」

「と、友達…?かな…?」


すると、彼は目を見開き周りの人たちを睨みつけ、目配せをしている。

周りの人は驚いた後にサッと僕から目を逸らし、逃げるように元の位置に戻っていった。

え、なんで目を逸らされたんだろ?


「あ、あのなんで、うわあ!」


僕が疑問を口にした途端、目の前の彼に抱き上げられる。


「え、え?!」


僕が混乱してる間に肩に担がれ、そのままギルドの奥の部屋まで連れて行かれる。

ガチャっと鍵を閉める音が聞こえ、閉じ込められたことを悟る。

彼は僕をベットに降ろすと、目の前にしゃがみ込みニコッと笑顔を向けてくる。

え、なに…、恐い…。

先程まで怒っていた様子の彼が別人のように満面の笑みを浮かべてこちらを見ている。

彼に怯えて僕がプルプル震えていると彼は立ち上がり、そっと僕を押し倒した。

顔の両脇に彼の手がきて、囲われた僕は逃げ場をなくしてしまう。


「君に聞きたいことあんだよねぇ…」

「聞きたいこと、ですか…?」


恐る恐る彼の顔を見るとスッと目が細められる。


「うん、聞きたいこと。」


そう言って彼は僕の耳に顔を寄せる。


「…ウルフのやつを虐めるには何が効果的かなぁ?」

「…っ!」


甘く低い声で囁かれたそれはあまりにも酷い内容で、先程ウルフが嫌がっていた理由がわかった。

彼は相当ウルフのことが嫌いなのかもしれない。


「あはは、友達、だっけ?」

「は、はい。」

「その友達に酷いことしたらウルフどんな顔するかなぁ?」

「えっ、あ、やめっ…!」


彼は僕の上の服を思いっきり引っ張りブチブチと破くと僕の乳首に噛み付いてくる。


「いぁ、っ…」


僕が抵抗しようと手を伸ばし、彼の頭を掴むが力が入らず、ただ抱きしめる形になってしまう。


「や、だ…!いたいの、やらぁ…っ!」


彼はその間にも僕のズボンを引き下げ下着の上から僕のあそこを潰す勢いで掴んでくる。


「ゔぅっ、しんじゃゔっゔゔゔゔゔ!」


意識が飛びかけたとき、スッと手が離される。


「まだ気絶して貰っちゃ困るなぁ。」


また痛いことされるの…?


「はぁ、は、やだ、いたいの、やだ、おねが、い、きもちいい、のが、いいのっ」


僕が泣きながら、うまく喋れない口を無理やり動かし伝えると、彼は目を見開いて固まった後ニヤッと笑った。


「ははっ!やめてじゃなくて、お前が気持良いのだったらしてもいいのか?」


僕は必死でコクコクと頷く。


「ははっ、まじか、…じゃあ最高に気持ちよくしてやるよ」


ニヤついた彼は先ほどとは違って優しい手つきで僕のパンツを下ろし、そっと僕のを握ると痛みではなく快楽が生まれるように扱いてきた。


「あ、あ…、あっ…」


僕の口から先ほどとは違って甘い声が溢れてくる。

噛まれていたせいでぷっくりと腫れジンジンしている乳首を優しく口に含み、舌でコリコリと先端を転がされる。


「あっ、ひあ、ふ、あっ…」

「…なぁ、気持ちいいだろ?」

「う、ん…」


ぼんやりと返事をして、僕はぽやんとした顔のまま僕の胸元にいる彼を見る。

すると、彼は熱の篭った視線で僕をずっと見ていたようで目が合うとニヤリと笑みを返された。

そして、彼の指が僕のお尻をなぞり、お尻の割れ目に入り込み、僕の穴を見つけるとふにふにと押してくる。


「あ、そこ、だめっ…」

「…だめじゃないだろ?」


そう言いながら彼の指が僕の穴にゆっくりと入ってくる。


「ん、あれ、もう濡れてるね。」


彼の指が僕の内側を確かめるようにくるくると中で動き回る。


「ひあ、あ…」


ちゅぽん…と僕のお尻から彼の指が引き抜かれる。


「あんっ…」

「なら、このままでもいいよな…?」


カチャカチャと音がしたかと思うと彼は自身のそれを取り出していたようで、僕のお尻ににゅるにゅると先走りが出ているそれを擦り付けられる。


「いたく、しないで…ね、…?」

「は、気持ちよくしてやるから大丈夫だっ、て…!」

「…っ、ぁ、…!」


ゆっくりと彼のそれがぬちっ…ぬちっ…と音を立てながら入ってきて僕は彼の首に抱きつきぎゅっと目を瞑る。


「そんな力むなって、」

「ふぁ、っ、」


耳を唇で挟まれ、ビクッと背を仰け反らせイッてしまった。


「あ、耳弱いんだ。」


彼はニヤニヤした顔を僕に向けるとまた耳を口に含み今度は舌も入れてきた。

ピチャピチャと水音が耳元で聞こえ、恥ずかしさと気持ちよさから力が抜けて、先程の入らなさが嘘のように彼のがズンッと僕の奥まで入ってくる。


「あはは、全部入っちゃったなぁ。」

「あ、ふ、くる、しい…」


息が詰まるほどギュウギュウに僕のお腹に入っていて、うまく呼吸ができない。


「じゃあ、動くぞ、ごー、よん、さん、っ…!」


三の掛け声と同時に突き上げられる。


「ああああっ、う、そつき、あっ、あっ…」 


急に突き上げられてまた僕だけイッてしまう。


「嘘じゃないよ、一でするなんて言ってないし。」


ニヤニヤしながら彼は突き上げる動きを少しずつ速めていった。

しばらくすると彼は喋らなくなり、彼の息遣いだけが聞こえてくる。

僕がふわふわとした気持ちになりながらも彼を見ると顔を隠すようにうつむいている。

視線に気づいたのか、ガバッとこちらを見た。


「おい、てか、お前の気持ちよすぎ、どうなってんだ…!」


彼はいつの間にか、ニヤニヤととした顔ではなく余裕の無い苦しそうな顔をしている。


「ひ、あっ、あん、あ、あっ、あん…」


僕の声と、パチュッ…パチュン…と肌がぶつかり合う音が静かな室内に響く。


「ひあ、あっ、あ、アッ、あッ…あああああああッ!」

「…っ!」


ドクンと彼のが僕の中で脈打ち、彼の精液がたっぷりと僕のお腹に注がれる。

僕の精液も僕の体に飛び散ったようで胸元まで飛んできている。

僕がぼんやりと彼を見上げると、僕に入れたまま、眉をひそめどこかを見つめ固まっている。

僕は気が抜けている彼の顔に近づき、ちゅっ…とキスをする。

彼は驚いてやっとこっちを見た。


「えへへ、ちゅーしちゃった…!」


僕が笑いながらそう言うと彼は僕をベットに押さえつけ、キスをしてくる。

口を開けると、彼の舌が迷い無く僕の口の中に入ってきて歯列をなぞり僕が差し出した舌と絡める。


「ん、んふ、んぅ…んんっ…」


クチュ…クチュ…と僕のと彼の舌が絡み合う。

しばらく絡め合うと彼の唇が離れていく。

僕が名残惜しそうにそれを見つめると、彼はニヤニヤと笑っている。


「なに、もっとキスしたかった?」

「うん。」


僕が素直に返事をすると彼は、はぁ…とため息をついている。


「…とんでもない子に手を出しちゃったなぁ…。」

「とんでも、ない子?」

「ああ、お前のことだよ。…名前は?」


呆れながら彼は僕を見下ろしている。


「ネム、だよ。」

「ネム、ね。俺はホークだよ。」

「ホークさん…」

「ホークでいいよ、ウルフのことだってネムは呼び捨てにしてるだろ?」

「う、うん。…ホーク?」

「…なに?」

「えへ、呼んでみただけ…、ひゃあっ!」


急にホークのが僕の中で動いて、高い声が出てしまう。


「お前ほんと、ふざけんな…っ!」


ホークにぎゅっと抱きしめられる。






えっと、ふざけてるってどこのことだろう…?
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