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51話
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「蛍様!!蛍様、蛍様!18位っす!俺、オール90点以上っす!お泊まり会の日程決めましょ♡」
「尻を揉むな。」
風紀執務室の掃除をする日。
自分の執務机の書類整理等をしていたら、勢いよく執務室に入ってきた蜂須賀。
昨日の順位発表の報告をしながら俺を正面から抱きしめ、流れるように尻を揉んできた。
今までそんなことしたことなかっただろ。
というか、やっぱり俺がそっち側ってことなのか……
「それよりも、まずは掃除だ。尻から手を離しなさい。」
まだ触っている蜂須賀の手を払い退けて作業に戻る。
引き出しに閉まった不要な書類やメモを紙ゴミにまとめ始めた俺に、口を尖らせて抗議してくる蜂須賀。
「もうちょっとないっすか。俺18位っすよ?こんな順位初めてなんすけど?」
そう言われれば確かに、尻に意識を取られて褒めるのを忘れていた。
「有言実行できたな。凄いぞ流星。」
作業の手を止め、しっかりと向き合い褒めると、蜂須賀がすっと頭を差し出してきた。
撫でろってことか…
望むがままに頭を撫でてやると、顔を上げて嬉しそうに笑う蜂須賀に不覚にもときめく。
「委員長、そんなことしてたら掃除が終わらないでしょ!蜂須賀も、高いところを手伝いなさい。」
昔の資料を棚から引っ張り出して運んでいる目黒がキッと睨んできた。
掃除とかになるとスイッチ入るんだよな…手を止めてたら終わらないってぴりぴりしてる。
いや、それにしては今日は会った時から表情が固いような…
「すまん目黒。その資料はデータベースに移行し終わったやつか?」
「ええ、これから倉庫にしまいに行きます。戻ってくるまでに棚拭いておいてくださいね。」
「分かった。荷物重いから階段は気を付けろよ。」
そう一声かけると、目黒は何かに耐えるように唇を噛み締めて執務室から出て行った。
「じゃあ俺が上の方拭くっすね。」
目黒が出て行った後の扉を閉めてから雑巾を持って、早速掃除に取り掛かる蜂須賀。
身長高いと上の方掃除するのも楽々だな。なんて思いつつ机周りの整理の続きをする。
青山は今資料を捨てていいかの確認に生徒会へ赴き、ほかの風紀委員は倉庫整理と掃除をしてくれている。
つまり、執務室に蜂須賀と2人っきり。
いや別に意識している訳じゃないが……
整理が終わり、棚の方を手伝うかと思い、雑巾を絞る。
「流星、どこまで拭いた?」
「先に上から3段目をまとめて拭いてるんで、下はまだっす。」
「よし、任せろ。」
壁一面の棚を端から順に拭いていく。
中腰だと腰が痛いため、膝立ちで拭いていく。
1番下の段の時は四つん這い状態だ。
「ふっ…これは腰にくるな…」
拭き始めて丁度半分くらいで腰が痛くなり始めた。
今日の風呂は長湯しよう。
こういう時、実家だと弟がマッサージしてくれるんだが…
流れ作業のように手だけを動かし、次々に棚を拭いていると、最後の棚で蜂須賀が止まっていた。
不思議に思い見上げるが、高低差がありすぎて表情がわからない。
「流星?どうかしたか。」
「あーっと…ちょっといいオカズだなって目に焼き付けてたっす。」
「お前な…馬鹿なこと言ってないで終わったなら少しのいてくれ、そこを拭けば俺も終わる。」
素直に下がった蜂須賀を避け、最後の棚を拭いていく。
するとゾワっとする視線が背後から刺さるし、何だったら鼻息荒くしているのが聞こえる。
「蛍様…そんなにお尻突き出して…誘ってるんすか?」
断じて違う。掃除をしているだけだ。
反論するため立ち上がろうとしたが、棚に頭を突っ込んでいたことを忘れて強打。
その場で頭を押さえて蹲っていると蜂須賀が駆け寄り背後から抱きしめてくる。
こいつハグ好きだよな。でも今じゃない。
「流星、ちょっと離れてくれ。保健室に…ん?」
ぎゅっと抱きしめられ密着した状態。尻の部分に違和感を感じる。
おい…まさか…
冷や汗をかきながら腹を回っている蜂須賀の腕を見て固まる。
耳元で聞こえる熱を帯びたような吐息が俺の脳を刺激する。
「蛍様……勃っちゃった。我慢できないかも…」
「してくれ!我慢!待った待った、今までそんなことなかっただろ!今日の流星おかしいぞ?」
腹にあった手が俺の下半身にするすると伸びてきているのを必死に止める。
雑巾触った手とか知らん!緊急だ!
校内でこんな!
「んー…タガが外れちゃったかも。でも急にじゃないっすよ?前キスした時も勃ってたっすから。」
「ひぇ…」
意識したくなくて体を離したのを気づかれたのか、ご丁寧に押し付けてくる蜂須賀。
尻に当たっているモノの大きさがおかしい。背が高いやつはアソコも大きいって聞くが、知りたくなかった。
「尻を揉むな。」
風紀執務室の掃除をする日。
自分の執務机の書類整理等をしていたら、勢いよく執務室に入ってきた蜂須賀。
昨日の順位発表の報告をしながら俺を正面から抱きしめ、流れるように尻を揉んできた。
今までそんなことしたことなかっただろ。
というか、やっぱり俺がそっち側ってことなのか……
「それよりも、まずは掃除だ。尻から手を離しなさい。」
まだ触っている蜂須賀の手を払い退けて作業に戻る。
引き出しに閉まった不要な書類やメモを紙ゴミにまとめ始めた俺に、口を尖らせて抗議してくる蜂須賀。
「もうちょっとないっすか。俺18位っすよ?こんな順位初めてなんすけど?」
そう言われれば確かに、尻に意識を取られて褒めるのを忘れていた。
「有言実行できたな。凄いぞ流星。」
作業の手を止め、しっかりと向き合い褒めると、蜂須賀がすっと頭を差し出してきた。
撫でろってことか…
望むがままに頭を撫でてやると、顔を上げて嬉しそうに笑う蜂須賀に不覚にもときめく。
「委員長、そんなことしてたら掃除が終わらないでしょ!蜂須賀も、高いところを手伝いなさい。」
昔の資料を棚から引っ張り出して運んでいる目黒がキッと睨んできた。
掃除とかになるとスイッチ入るんだよな…手を止めてたら終わらないってぴりぴりしてる。
いや、それにしては今日は会った時から表情が固いような…
「すまん目黒。その資料はデータベースに移行し終わったやつか?」
「ええ、これから倉庫にしまいに行きます。戻ってくるまでに棚拭いておいてくださいね。」
「分かった。荷物重いから階段は気を付けろよ。」
そう一声かけると、目黒は何かに耐えるように唇を噛み締めて執務室から出て行った。
「じゃあ俺が上の方拭くっすね。」
目黒が出て行った後の扉を閉めてから雑巾を持って、早速掃除に取り掛かる蜂須賀。
身長高いと上の方掃除するのも楽々だな。なんて思いつつ机周りの整理の続きをする。
青山は今資料を捨てていいかの確認に生徒会へ赴き、ほかの風紀委員は倉庫整理と掃除をしてくれている。
つまり、執務室に蜂須賀と2人っきり。
いや別に意識している訳じゃないが……
整理が終わり、棚の方を手伝うかと思い、雑巾を絞る。
「流星、どこまで拭いた?」
「先に上から3段目をまとめて拭いてるんで、下はまだっす。」
「よし、任せろ。」
壁一面の棚を端から順に拭いていく。
中腰だと腰が痛いため、膝立ちで拭いていく。
1番下の段の時は四つん這い状態だ。
「ふっ…これは腰にくるな…」
拭き始めて丁度半分くらいで腰が痛くなり始めた。
今日の風呂は長湯しよう。
こういう時、実家だと弟がマッサージしてくれるんだが…
流れ作業のように手だけを動かし、次々に棚を拭いていると、最後の棚で蜂須賀が止まっていた。
不思議に思い見上げるが、高低差がありすぎて表情がわからない。
「流星?どうかしたか。」
「あーっと…ちょっといいオカズだなって目に焼き付けてたっす。」
「お前な…馬鹿なこと言ってないで終わったなら少しのいてくれ、そこを拭けば俺も終わる。」
素直に下がった蜂須賀を避け、最後の棚を拭いていく。
するとゾワっとする視線が背後から刺さるし、何だったら鼻息荒くしているのが聞こえる。
「蛍様…そんなにお尻突き出して…誘ってるんすか?」
断じて違う。掃除をしているだけだ。
反論するため立ち上がろうとしたが、棚に頭を突っ込んでいたことを忘れて強打。
その場で頭を押さえて蹲っていると蜂須賀が駆け寄り背後から抱きしめてくる。
こいつハグ好きだよな。でも今じゃない。
「流星、ちょっと離れてくれ。保健室に…ん?」
ぎゅっと抱きしめられ密着した状態。尻の部分に違和感を感じる。
おい…まさか…
冷や汗をかきながら腹を回っている蜂須賀の腕を見て固まる。
耳元で聞こえる熱を帯びたような吐息が俺の脳を刺激する。
「蛍様……勃っちゃった。我慢できないかも…」
「してくれ!我慢!待った待った、今までそんなことなかっただろ!今日の流星おかしいぞ?」
腹にあった手が俺の下半身にするすると伸びてきているのを必死に止める。
雑巾触った手とか知らん!緊急だ!
校内でこんな!
「んー…タガが外れちゃったかも。でも急にじゃないっすよ?前キスした時も勃ってたっすから。」
「ひぇ…」
意識したくなくて体を離したのを気づかれたのか、ご丁寧に押し付けてくる蜂須賀。
尻に当たっているモノの大きさがおかしい。背が高いやつはアソコも大きいって聞くが、知りたくなかった。
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