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第二部 Qちゃんが出会った、佳き人々

親切の重さ

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 厚木七沢森の祭りに出かける。
 ここには会場が二つある。
 両者はかなり離れている。
 そのため両者を繋ぐ無料のシャトルバスが運行している。

 もう少し早く出発すれば、シャトルバスを利用することはなかったのに……。
 

 主会場の「であいの広場」近くには駐車場が数箇所あるのだが、10時半の時点で、どこも満車だった。
  空きを待つことも選択肢としてはあるが、私は「森のアトリエ」会場に向かった。

  そこの駐車場には空きがいくつもあった。

  ここに留めた時点でシャトルバスを利用することに決めた。
  やはり、主会場には行きたい。


  シャトルバスは車椅子利用者には対応していない。
  このことが気を重くする。
「あなたが乗るとは思っていません」と言われているようなものだからだ。
  それに、利用すれば、必ず親切を受ける。
  また、他の利用者のことを考えたら、受けないわけにはいかない。のたのたしていたら、迷惑をかけることになる。

 バスへの乗降の際の補助。
 車椅子の上げ下ろしの補助。
 たくさんの方の支援を受けた。
 皆様からいただく、心からの支援だ。
 負担を感じつつも、有難く支援を受けた。

 親切を負担に感じたら、もう外には出られない。
 そう行動したら、それは助けを必要とする全ての人々に「家から出るな」と言っていることと同じだ。

 だから私は、外に出続ける。
 親切をありがたく受け入れる。

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