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第七章 王太子の偏愛 王国騎士団 & 王国民
9・それぞれの通過点
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イザベラに頼まれた物を王城へ届けて帰る途中だったアンナは、タウンハウスへ向かって通りを歩いていた。
「アンナ」
人通りが寂しくなる場所に馬車が一台止まっている、その横をアンナが通り過ぎようとした時に名前を呼ばれた。
「?」
呼び止められたアンナが周りを見回すと御者台から若い男が降りて来た、いつか街で声を掛けてきたあの男だ。
「貴方はあの時の!、一体何なの!」
気味が悪くなったアンナは走って逃げようとした、だが直ぐに男に捉えられて口にハンカチを当てられて薬物を嗅がされる。
……何?、これ?、体が動かない……
アンナの体から力が抜けていく、若い男はぐったりしたアンナを馬車に乗せて彼女の体を横たえた、そして頬を優しく撫でて話しかける。
「アンナ少しの間我慢してくれ、直ぐに僕達の家に連れて行ってあげる……ああ、なんて可愛いんだ、アンナ」
若い男は意識が朦朧として動けないアンナの顔を暫く眺めると、御者台に戻り静かに馬車を出発させた、閑散とした場所での出来事を目撃した者は誰もいない。
誰にも注意を払われる事無く、馬車は王都の外れに向かって走り去って行った。
突然アンナが居なくなってもアルジオン邸で不審に思う者は誰もいなかった、執事が伯爵に人事の相談をする。
「旦那様、メイドのアンナが退職しました、新しいメイドを雇い入れても宜しいですか?」
「アンナが?、あのガメツイ女が辞めただと?、辞めた理由は何だ?」
色々と悪事の片棒を担いでいたアンナからの金銭の要求が増えていたので、辞めた事に不満はなかったが、伯爵は半信半疑で理由を聞いた。
「本人から直接聞いたのでは無くアンナの部屋に書置きが有りました。好きな男と添い遂げる為に一緒に旅立つと、急ぐから部屋に置いてある物は全て処分して欲しいと記述しています」
アルジオン伯爵は胡散臭く感じたが、自分に不利益は無さそうだと判断した。
「分かったその通りにしてやれ、メイドの補充が必要ならお前に任せる、報告だけ上げろ」
「はい、では早速報告を致します、事前に旦那様に紹介状が届いているかとは存じますが、暫く執事見習いが邸内に入ります、見習いですので至らない点はご容赦ください」
「ああ、確か本来の雇用主が賃金を払うが、他家での経験を積ませたいとかいうアレか、分かった。それもお前に任せるから指導してやれ」
翌日にはアルジオン邸に美人で若いメイドが雇われた、執事見習いの若い男も既に働き始めており、邸内では次第にアンナの事は忘れられていった。
◆◇◆◇◆◇
新星ネイト・アーガンは騎士団長室に呼び出されていた。
騎士団長グリードから、自身が付けている腕輪の影響で予選試合が混乱した可能性が有ると指摘を受けて、腕輪をする事になった事情を、ぽつぽつと話始めた。
「どうやら、亡くなった父親の借金が有るらしく、家計を助ける為にこの話に乗ったようです」
アーガンの事情聴取を終えたグリードは、メイヴィスの執務室を訪れて報告をしていた。
「父親の残した借金返済の猶予と引き換えに、アルジオン家の執事から腕輪を渡され予選の期間中、特に試合中には必ず付けるよう指示をされたそうです」
「やはりアーガン本人は不正を行っている意識は無かったという事か?」
「一応疑ってはいたようですが、試合直前の魔導具検査を通ったので魔導具とは思わず、幸運のアイテムだと考えていたようです」
「幸運のアイテムだと?、何だそれは」
不正とは程遠いホンワカした言葉を聞いたメイヴィスは問いただした。
「アーガンの話では、幸運のお呪いの効力を確認したいから、予選の期間中は身に付けて欲しいと言われたそうです」
「腕輪の目的は予選試合の撹乱だろうが上手く騙したな。それにしてもアルジオン家か、確か御前試合の賭博の胴元をしていたな」
メイヴィスが公然の秘密を口にした。
「はい、非公認ですが公然の賭博ですね、庶民の娯楽の面も有りますから、これについては、厳しい取り締まりをしていません」
王国側も知ってて許しているので、騎士団もそこは公然の秘密だと理解して取り締まっていない。
「そうだな、庶民はそれほど高額の賭博では無いから見逃して来たが、アルジオン家が貴族の賭け金を釣り上げる為に、手を打ってきたという所か」
「殿下、アルジオン伯爵を賭博の罪で捕らえますか?」
庶民と違い、元々貴族の賭け金は大きい、だが庶民の賭博を見逃している分、貴族も取り締まりがしづらい。
「それよりも、アーガンの処罰と御前試合をどうするかを考えるべきだろう、本人に不正の意識は無くても予選で不正が行われた事に変わりはない」
アーガンと対戦して負けた四人は、不正が無ければまだ勝ち残っていた可能性が高い。
「そうですね、本来なら勝ち上がっていた筈の騎士達にも納得のいく事態の収拾を図りたい所ですね」
グリードも負けた騎士達の気持ちを気遣い、今後について考えを巡らせた。
暫く考えていたメイヴィスが口を開く。
「予選はここまでで中止にしよう、アーガンをこのまま出場させられないし、五回戦に残った者も事情を知れば釈然としないだろう」
「しかし殿下、それでは御前試合はどうされるのですか?、それも中止するとなると多方面に影響が出ます」
賓客も招く御前試合を今から中止する事はかなり難しい、グリードも簡単に頷くことは出来ない。だがメイヴィスには別の案があった。
「いや御前試合は中止しない。今年の御前試合は特別試合にするんだ、グリード、久し振りにお前の力を見せてくれ」
「私の力ですか?」
突然の事にグリードは戸惑うが、メイヴィスは彼に満面の笑みを向けて大きく頷いた。
「そうだ、お前の力だ」
◆◇◆◇◆◇
突然、王家から貴族達に夜会の招待状が届いた、何か急を要する発表が有るらしく、直近の日付に貴族達は大慌てで準備をしていた。
離宮にいるイザベラも慌てている一人だ、ドレスやアクセサリーを届ける様にアルジオン家に連絡を入れると、新顔のメイドがやって来た。
「貴女は誰?、アンナはどうしたの?」
アンナが来ない事を不審に思ったイザベラが新顔メイドを問いただす。
「アンナさんは辞めました」
「アンナが辞めたですって?」
イザベラはその言葉に驚いた、つい数日前に物を届けに来た時には、そんな話は一言もしていなかった、こんなに急に辞める理由が見当たらない。
「そんなまさか、どうして辞めたの?」
「何でも好きな男性と添い遂げる為に、一緒に旅立ったそうです」
「何ですって、それは本当の話なの?」
イザベラの不審感が増した、アンナから好きな男性の話など聞いた事も無い、駆け落ちする程好きなら、そんな素振りがある筈だが、それも無かった。
「はい、置き手紙にそう書いてありました」
「……置き手紙、それでお父様や皆んなもそれを信じたの?」
「はい、そうです」
全てが怪し過ぎる、腑に落ちないイザベラは眉を顰めた。
……何かアンナの身におかしな事が起きているのではないかしら、お父様までもそれを信じているとは……
黙って考えこんでいるイザベラに、新顔のメイドが恐る恐る話しかけた。
「実は、お嬢様のアクセサリーの殆どが紛失してまして、今日はドレスだけ持って参りました」
イザベラはメイドの話に仰天する。
「ちょっと!!、何よそれ、紛失とか許されないわよ、ちゃんと説明なさい」
イザベラの剣幕にメイドは怯えた顔で続きを話した。
「その、アンナさんが消えた後に、お嬢様の部屋から殆どの貴金属が無くなっている事が分かったのです。アンナさんが持ち逃げした可能性が高いと伯爵様はお考えです」
信用していたアンナの裏切りに衝撃を受けて、イザベラは頭の中が真っ白になったが、メイドは淡々と話を続ける。
「旦那様からイザベラお嬢様に言付けが有ります、お嬢様から被害届を出す様にとの事です、あと残っていたアクセサリーはこれだけです」
「………」
イザベラはメイドから宝石箱を受け取る、中を見ると小粒の宝石が数点入っていた、ほぼ無価値に近い物ばかりだ。
……以前の婚約者達から貰った大粒の宝石も、亡き母から受け継いだ数々の宝石も全て失ってしまった……
イザベラはアンナに対して憎しみが湧いてきた、もう彼女を心配する気持ちは残っていない。イザベラは直ぐに被害届を出して、アンナは窃盗犯として絵姿を公開された。
唯一、アンナの失踪に不審を抱いて動いてくれそうだったイザベラもアンナを見捨てた。どこかに囚われたアンナを助けてくれる人は、もう誰もいない。
「アンナ」
人通りが寂しくなる場所に馬車が一台止まっている、その横をアンナが通り過ぎようとした時に名前を呼ばれた。
「?」
呼び止められたアンナが周りを見回すと御者台から若い男が降りて来た、いつか街で声を掛けてきたあの男だ。
「貴方はあの時の!、一体何なの!」
気味が悪くなったアンナは走って逃げようとした、だが直ぐに男に捉えられて口にハンカチを当てられて薬物を嗅がされる。
……何?、これ?、体が動かない……
アンナの体から力が抜けていく、若い男はぐったりしたアンナを馬車に乗せて彼女の体を横たえた、そして頬を優しく撫でて話しかける。
「アンナ少しの間我慢してくれ、直ぐに僕達の家に連れて行ってあげる……ああ、なんて可愛いんだ、アンナ」
若い男は意識が朦朧として動けないアンナの顔を暫く眺めると、御者台に戻り静かに馬車を出発させた、閑散とした場所での出来事を目撃した者は誰もいない。
誰にも注意を払われる事無く、馬車は王都の外れに向かって走り去って行った。
突然アンナが居なくなってもアルジオン邸で不審に思う者は誰もいなかった、執事が伯爵に人事の相談をする。
「旦那様、メイドのアンナが退職しました、新しいメイドを雇い入れても宜しいですか?」
「アンナが?、あのガメツイ女が辞めただと?、辞めた理由は何だ?」
色々と悪事の片棒を担いでいたアンナからの金銭の要求が増えていたので、辞めた事に不満はなかったが、伯爵は半信半疑で理由を聞いた。
「本人から直接聞いたのでは無くアンナの部屋に書置きが有りました。好きな男と添い遂げる為に一緒に旅立つと、急ぐから部屋に置いてある物は全て処分して欲しいと記述しています」
アルジオン伯爵は胡散臭く感じたが、自分に不利益は無さそうだと判断した。
「分かったその通りにしてやれ、メイドの補充が必要ならお前に任せる、報告だけ上げろ」
「はい、では早速報告を致します、事前に旦那様に紹介状が届いているかとは存じますが、暫く執事見習いが邸内に入ります、見習いですので至らない点はご容赦ください」
「ああ、確か本来の雇用主が賃金を払うが、他家での経験を積ませたいとかいうアレか、分かった。それもお前に任せるから指導してやれ」
翌日にはアルジオン邸に美人で若いメイドが雇われた、執事見習いの若い男も既に働き始めており、邸内では次第にアンナの事は忘れられていった。
◆◇◆◇◆◇
新星ネイト・アーガンは騎士団長室に呼び出されていた。
騎士団長グリードから、自身が付けている腕輪の影響で予選試合が混乱した可能性が有ると指摘を受けて、腕輪をする事になった事情を、ぽつぽつと話始めた。
「どうやら、亡くなった父親の借金が有るらしく、家計を助ける為にこの話に乗ったようです」
アーガンの事情聴取を終えたグリードは、メイヴィスの執務室を訪れて報告をしていた。
「父親の残した借金返済の猶予と引き換えに、アルジオン家の執事から腕輪を渡され予選の期間中、特に試合中には必ず付けるよう指示をされたそうです」
「やはりアーガン本人は不正を行っている意識は無かったという事か?」
「一応疑ってはいたようですが、試合直前の魔導具検査を通ったので魔導具とは思わず、幸運のアイテムだと考えていたようです」
「幸運のアイテムだと?、何だそれは」
不正とは程遠いホンワカした言葉を聞いたメイヴィスは問いただした。
「アーガンの話では、幸運のお呪いの効力を確認したいから、予選の期間中は身に付けて欲しいと言われたそうです」
「腕輪の目的は予選試合の撹乱だろうが上手く騙したな。それにしてもアルジオン家か、確か御前試合の賭博の胴元をしていたな」
メイヴィスが公然の秘密を口にした。
「はい、非公認ですが公然の賭博ですね、庶民の娯楽の面も有りますから、これについては、厳しい取り締まりをしていません」
王国側も知ってて許しているので、騎士団もそこは公然の秘密だと理解して取り締まっていない。
「そうだな、庶民はそれほど高額の賭博では無いから見逃して来たが、アルジオン家が貴族の賭け金を釣り上げる為に、手を打ってきたという所か」
「殿下、アルジオン伯爵を賭博の罪で捕らえますか?」
庶民と違い、元々貴族の賭け金は大きい、だが庶民の賭博を見逃している分、貴族も取り締まりがしづらい。
「それよりも、アーガンの処罰と御前試合をどうするかを考えるべきだろう、本人に不正の意識は無くても予選で不正が行われた事に変わりはない」
アーガンと対戦して負けた四人は、不正が無ければまだ勝ち残っていた可能性が高い。
「そうですね、本来なら勝ち上がっていた筈の騎士達にも納得のいく事態の収拾を図りたい所ですね」
グリードも負けた騎士達の気持ちを気遣い、今後について考えを巡らせた。
暫く考えていたメイヴィスが口を開く。
「予選はここまでで中止にしよう、アーガンをこのまま出場させられないし、五回戦に残った者も事情を知れば釈然としないだろう」
「しかし殿下、それでは御前試合はどうされるのですか?、それも中止するとなると多方面に影響が出ます」
賓客も招く御前試合を今から中止する事はかなり難しい、グリードも簡単に頷くことは出来ない。だがメイヴィスには別の案があった。
「いや御前試合は中止しない。今年の御前試合は特別試合にするんだ、グリード、久し振りにお前の力を見せてくれ」
「私の力ですか?」
突然の事にグリードは戸惑うが、メイヴィスは彼に満面の笑みを向けて大きく頷いた。
「そうだ、お前の力だ」
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突然、王家から貴族達に夜会の招待状が届いた、何か急を要する発表が有るらしく、直近の日付に貴族達は大慌てで準備をしていた。
離宮にいるイザベラも慌てている一人だ、ドレスやアクセサリーを届ける様にアルジオン家に連絡を入れると、新顔のメイドがやって来た。
「貴女は誰?、アンナはどうしたの?」
アンナが来ない事を不審に思ったイザベラが新顔メイドを問いただす。
「アンナさんは辞めました」
「アンナが辞めたですって?」
イザベラはその言葉に驚いた、つい数日前に物を届けに来た時には、そんな話は一言もしていなかった、こんなに急に辞める理由が見当たらない。
「そんなまさか、どうして辞めたの?」
「何でも好きな男性と添い遂げる為に、一緒に旅立ったそうです」
「何ですって、それは本当の話なの?」
イザベラの不審感が増した、アンナから好きな男性の話など聞いた事も無い、駆け落ちする程好きなら、そんな素振りがある筈だが、それも無かった。
「はい、置き手紙にそう書いてありました」
「……置き手紙、それでお父様や皆んなもそれを信じたの?」
「はい、そうです」
全てが怪し過ぎる、腑に落ちないイザベラは眉を顰めた。
……何かアンナの身におかしな事が起きているのではないかしら、お父様までもそれを信じているとは……
黙って考えこんでいるイザベラに、新顔のメイドが恐る恐る話しかけた。
「実は、お嬢様のアクセサリーの殆どが紛失してまして、今日はドレスだけ持って参りました」
イザベラはメイドの話に仰天する。
「ちょっと!!、何よそれ、紛失とか許されないわよ、ちゃんと説明なさい」
イザベラの剣幕にメイドは怯えた顔で続きを話した。
「その、アンナさんが消えた後に、お嬢様の部屋から殆どの貴金属が無くなっている事が分かったのです。アンナさんが持ち逃げした可能性が高いと伯爵様はお考えです」
信用していたアンナの裏切りに衝撃を受けて、イザベラは頭の中が真っ白になったが、メイドは淡々と話を続ける。
「旦那様からイザベラお嬢様に言付けが有ります、お嬢様から被害届を出す様にとの事です、あと残っていたアクセサリーはこれだけです」
「………」
イザベラはメイドから宝石箱を受け取る、中を見ると小粒の宝石が数点入っていた、ほぼ無価値に近い物ばかりだ。
……以前の婚約者達から貰った大粒の宝石も、亡き母から受け継いだ数々の宝石も全て失ってしまった……
イザベラはアンナに対して憎しみが湧いてきた、もう彼女を心配する気持ちは残っていない。イザベラは直ぐに被害届を出して、アンナは窃盗犯として絵姿を公開された。
唯一、アンナの失踪に不審を抱いて動いてくれそうだったイザベラもアンナを見捨てた。どこかに囚われたアンナを助けてくれる人は、もう誰もいない。
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