【R18】傲慢な王子

やまたろ

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第四章 皇子の狂愛  サイラス feat ラグランド

王女ナターシャ*

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「ナターシャ、綺麗だよ」

 何故か私の寝屋にいた婚約者のサイラスが、抱き締めて来た。私は彼から贈られた薄くて身体が透けて見える夜着を着ている。


『変だわ、これを見た時あんなに嫌だったのに、どうして着ているのかしら』


 頭の中がふわふわして、深い思考が出来ない。サイラスが体を撫で回して夜着の上から乳首を弄ると私は声が漏れた。

「あっ」


「ああ、ナターシャ愛しい人。僕の指で感じたの?・・・チュウ」


 薄い夜着の上から胸を柔らかく揉まれ、布ごと乳首を吸われて、寝台へ押し倒される。


『何故この人が私の寝室に居るのかしら?、このような事は婚姻後にするべき事なのに、いつの間にか勝手に寝室に入って、当たり前の様に私を抱く、抵抗しない私もおかしいわよね?』

  
 ふっ、ふっ、


 興奮したサイラスの息遣いが聞こえる、
 彼の股間は盛り上がり、ナターシャは夜着を脱がされた。裸の肌にサイラスが触れてくる、脚を開かれて彼に全てを見せる事を強要されて、恥ずかしくても逆らえない。


 彼は夜の王様。


 いつもの様にサイラスが舐めてきて、中に指を入れられる、私は快感で背中が反り、反った胸の先が供物のようにサイラスの前に差し出される。彼はそれを美味しそうに何度も何度もしゃぶり、味わうように噛む。


『私はサイラスの何処が好きなのかしら?、そもそも彼を好きなのかしら?、私には別の婚約者が居たのに、いつ婚約者になったのかしら?』


 ふわふわした頭で考えていると、いきなり楔を打ち込まれた。 


「あひぃっっ、あっ、あっ」


「ナターシャいけない人だ、僕の事だけを考えて、今貴方の中に居るのは僕だよ、チュッ、チュッ」

 
 サイラスがぐちぐちと楔を動かして蜜壺を刺激する、そして愛しげに眼尻や額に口付けを落とすと柔らかく腰を動かしてナターシャの様子を見つめる。 


 サイラスはまるで乗馬を楽しむかのように、柔らかく優しくナターシャを突いてくる。もどかしい快感に身を捩る姿を見てほくそ笑んで、彼女から求めて来るのを待っている。


「さぁナターシャ、どうして欲しい?、言わなければずっとこのままだよ、ふふっ、ああ、ナターシャ、言って?」


 サイラスは腰を柔らかく回し蜜壺の入り口を優しく突くだけだ。ナターシャはもっと強い刺激と快感が欲しくて、自然と腰を動かす。


「駄目だよ、ちゃんと言葉で伝えて、さぁナターシャ言って、僕が欲しいって」 


 ナターシャの頭の中はふわふわで、自分がサイラスに抱かれている疑問を追求出来ない。ゆるゆると焦らされて堪らなくなる。


「サイラス、もっと欲しい、もっと強く突いて、もっと激しく抱いて」


「良く出来ました、ナターシャ・・・・・・・くちゅう」


 サイラスが褒めて深い口付けをしてきた、直後激しく腰を動かされ猛った雄を最奥まで押し込まれる。


        「あっあっあっあっあっあっ」


 激しい律動に乳房がぶるぶる揺さぶられる、膣内を擦るサイラスの雄は硬くてギリギリまで膨らんでいる、彼が一層強い腰使いで雄を子宮まで押し込んだ。

 彼以外は誰も入った事のない、ナターシャの最奥、その秘密の場所を遠慮なく犯す。欲望でぱんぱんに膨らんだ肉棒で刺し、入り口をぐじゅぐじゅと刺激して突きまくる。


「あああ、ああ、あう、あああ、ああ」


「ナターシャ愛しい人、貴方に僕の子種を注ぐよ、いいね?・・・・・・・・くぅっ!」


 サイラスの子種はいつもより量が多くて全てを受け止めるのに時間がかかった。ナターシャは動きを止めたサイラスを見てまた考える


『私は彼が好きなの?、婚姻もしていないのに子種を中で出された、どうしてなの?、いつ彼は私の婚約者になったの?、何故私は毎日、彼に抱かれているの?』


「ナターシャ、僕の愛しい人」


 サイラスが甘く囁やく。


 お父様も、お母様もサイラスは素敵だと言う。
 彼が素敵?
 頭がふわふわしてしている。


 私にはサイラスの前にも婚約者が居た。
 彼とはこんなはしたない事はしてない。


 私の元婚約者は美しくて聡明で優しい隣国の王子様で、とても素敵な人だった。あの人と結婚出来る私はとても幸せだと思っていた。 


 どうしてあの人との婚約を解消したのかしら?、誰が解消の手続きをしたの?、誰がサイラスと婚約させたの?


「ナターシャ、今度友人を紹介したいけど、王室から招待状を出して欲しいんだ、君の名前を使っても良いかな?」


 ナターシャは自分の考えに気を取られてサイラスの話は聞いていなかった。





 ◆◇◆◇◆◇




「ジャスティン、ちょっと相談が・・あら、そのペンダントどうしたの?」


 グレースは恋人が見慣れないペンダントを身に付けている事に気が付いた。


「ああ、実はウィリアム兄さんから送られてきたんだ、守護石だから暫く身に付けておけと、一緒に届いた手紙に書いてあった」


「守護石?、初めて聞くわ」


 それは綺麗な琥珀色をしていて、グレースは物珍しそうに見ている。


「魔法省が新しく試作した魔道具の一種らしい、ウィリアム兄さんは既に試したらしくその効果は保証するそうだ。所でグレース、相談したい事があるのかい?」


「ああ、そうなの。ナターシャ王女からラグランドからの客人のもてなしについて内密に意見交換したいとお茶会の招待状が届いたの、どうしたら良いかしら?」


「まあ彼女は一応君の親族だし、不安なら僕も送迎を兼ねてついて行くよ、王城内なら危険な事は無いだろうが、着飾った美しい君をゆっくり見たいからね」


「・・・・」


 ジャスティンが満面の笑顔でグレースを褒めるので、グレースは顔を赤く染める、そして彼の言動と笑顔からグレースは確信した。


 ジャスティンは天然のタラシだと。





 ◆◇◆◇◆◇





 私のとの婚約解消に伴う賠償関連の調整のために元婚約者が国内入りをした。王宮に滞在する彼と王族のみの会食の場で数年振りに会った。


 彼が挨拶のため私の手を取った瞬間から、それまでふわふわしていた自分の頭の中がはっきりとして意識が鮮明になる。静電気のようなものに、体を覆っていた何かをバシッと吹き飛ばされた感覚。 


 メイヴィス・ジーク・ラグランド


 黄金色の髪に琥珀色の瞳、澄んだ空気を纏う美しい私の元婚約者。
 何故か急に、彼に対して抱いていた想い、熱い感情があふれて心に流れ込んできた。


 幼い頃に出逢って、美しくて優しい彼に憧れて恋をして、少しでも彼に相応しい女性になりたくて頑張ってきた自分。
 王妃として彼の隣に立つ為に、知識や教養、美容に語学、あらゆる努力をしてきた自分。


 この美しくて聡明で優しい彼と歩む未来が確かにあったのに、それは直ぐ目の前だったのに、頭がぼやけていた間に全てを失っていた、その未来はもう来ない。


 夢見た未来は無くなり、サイラスに穢された私は、もう誠実な彼には相応しくない。ようやく自分を取り戻せたのに、私は知りたくない現実を理解して、涙が止まらなくなった、どうしてこうなったのか。









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