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第ニ章 王子の盲愛 ダルトン with メイヴィス
第一王子の想い人*
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「兄上、好きな女性とかいないの?」
イオニスにそう問われた時に、ある事を思い出した。いや、忘れている訳では無いので思い返すと言うべきか、それは絶対に忘れられない出来事なのだから。
恋人とか、愛しい人とか、そんなのとは違う、顔も名前も知らない記憶の中の女性。【想い人】と言う言葉が、一番しっくりくるのかも知れない。
メイヴィスは服の下からペンダントを取り出し、どこか嬉しそうな顔でそれを眺めた。
あれは二年前の事だ、王都から西の辺境手前付近にある森で、魔獣の被害報告が数件有り、視察と魔獣の討伐も兼ねて、自分と騎士団長、騎士数名で現地へ赴いた。
前日迄の調査では何事もなかった森に突然、魔獣が発生した。調査を終えて引き上げようとしていた所を不意につかれた。
何とか魔獣は制圧出来たようだが、戦う内に仲間と逸れ、深傷を負った私は動けなくなり、その場で教会から派遣される聖女を待つ事にした。
発熱し多くの血が失われた体は、徐々に衰弱して意識が混濁し始めた頃、優しい空気を纏った何かが近づいてきて、私の体に触れた。
私は力無く目を閉じたまま、されるがままに身を委ねた、鎧が外されたのか体が少し楽になる。
素肌に人の手が当たる感触があり、そこから優しい光が体を包む。気持ちの良い力を感じて、次第に痛みがうすれ、動かなかった体が少しづつ動くようになった。
「もう、大丈夫です、殿下」
女性らしき声が聞こえ、優しい存在が離れる気配がしたため、咄嗟に相手の手を掴み引き寄せた。抱き寄せたその存在は、華奢で柔らかくて花のような香りがした。
意識を失う寸前だった私は、この存在を逃さない様に、本能的に左手を腰に巻き付け、後頭部に右手を回して彼女の体を拘束し引き寄せる。
服を脱がされていたらしい裸の胸に相手の頬が当たるのを感じたあたりで意識が途絶えた。
目が覚めると、体の傷は完治していたが抱きしめていたはずの存在は見当たらず、女性物のアクセサリーが落ちていた。恐らく治癒魔法を掛けてくれたのだろう、教会の聖女では無かったらしく、誰も彼女の事を知らなかった。
顔も名前も分からない生命の恩人。
会いたくても、多分、もう会えない。
花の香りがする、記憶の中だけの人。
それが私の想い人。
ペンダントを見ると、いつもメイヴィスの胸の中は穏やかで温かい気持ちになる。それは、ダルトンやイオニスを思う時の気持ちと同じだ。
多分その感情の名は、【愛しさ】
例えその気持ちを受け止める相手とこのままずっと出会えないとしても、この想いは一生途切れないだろうと彼は思う。
メイヴィスは大切そうに、ペンダントを服の中へしまった。
そしてその夜、メイヴィスは奇妙な夢を見た。
◆◇◆◇◆◇
今、私の腕の中に最愛の人がいる、ようやく見つけた、私の想い人。白い肌はどこまでも柔らかく、花のような甘い香りがして、私を魅了する。
これから毎日ずっと、肌と肌を合わせて、体を重ねて繋ぎ、二人で一つになる。今日は彼女と私の最初の日、彼女の全てを堪能し尽くすには、一晩では足りないだろう。
既に一度熱を放っても、彼女の中でまだ硬さを保っている逸物をゆるゆると動かし、彼女の反応を見る。
私の動きに気づいた彼女が、上目遣いで軽く睨んでくるが、目元がピンク色に染まった顔では、挑発している様にしか見えない。逆効果で硬度が増したソレが胎内を圧迫した。
「あっ!、やっ!、殿下!!」
「陛下だ、覚えられない子には、お仕置きをしなくてはいけないね」
彼女の顔にキスの雨を降らせながら、そう言って私は中を突き上げる、彼女の様子を見ながら、初めは緩く、徐々に動きを速めて強烈に、最後は彼女の尻が浮くくらい激しく貫ぬく。絶頂を迎えた彼女の体がブルブル震えた。
「ごめんね、気持ちよすぎて、我慢出来ない。」
まだ余韻に浸る彼女の頬を優しく撫でながら、再び腰を動かし始める。
今度は最初から容赦なく胎内を突き上げ、抉り、穿つと、彼女の媚肉が畝り、楔に吸い付き、私に射精を促す、気持ちが良過ぎて堪え切れずに射精し、彼女の胎内を私の子種で満たしてゆく。
私は彼女の体を優しく抱きしめ、感じ過ぎてぼんやりしている最愛の人にキスを贈り、想いを告げる。
「ようやく出逢えた私の想い人、君を愛してる。」
メイヴィスが見た夢。
それはもしかしたら、そう遠くない未来に起きる出来事かも知れない、でも今はまだ、誰も知らない。
イオニスにそう問われた時に、ある事を思い出した。いや、忘れている訳では無いので思い返すと言うべきか、それは絶対に忘れられない出来事なのだから。
恋人とか、愛しい人とか、そんなのとは違う、顔も名前も知らない記憶の中の女性。【想い人】と言う言葉が、一番しっくりくるのかも知れない。
メイヴィスは服の下からペンダントを取り出し、どこか嬉しそうな顔でそれを眺めた。
あれは二年前の事だ、王都から西の辺境手前付近にある森で、魔獣の被害報告が数件有り、視察と魔獣の討伐も兼ねて、自分と騎士団長、騎士数名で現地へ赴いた。
前日迄の調査では何事もなかった森に突然、魔獣が発生した。調査を終えて引き上げようとしていた所を不意につかれた。
何とか魔獣は制圧出来たようだが、戦う内に仲間と逸れ、深傷を負った私は動けなくなり、その場で教会から派遣される聖女を待つ事にした。
発熱し多くの血が失われた体は、徐々に衰弱して意識が混濁し始めた頃、優しい空気を纏った何かが近づいてきて、私の体に触れた。
私は力無く目を閉じたまま、されるがままに身を委ねた、鎧が外されたのか体が少し楽になる。
素肌に人の手が当たる感触があり、そこから優しい光が体を包む。気持ちの良い力を感じて、次第に痛みがうすれ、動かなかった体が少しづつ動くようになった。
「もう、大丈夫です、殿下」
女性らしき声が聞こえ、優しい存在が離れる気配がしたため、咄嗟に相手の手を掴み引き寄せた。抱き寄せたその存在は、華奢で柔らかくて花のような香りがした。
意識を失う寸前だった私は、この存在を逃さない様に、本能的に左手を腰に巻き付け、後頭部に右手を回して彼女の体を拘束し引き寄せる。
服を脱がされていたらしい裸の胸に相手の頬が当たるのを感じたあたりで意識が途絶えた。
目が覚めると、体の傷は完治していたが抱きしめていたはずの存在は見当たらず、女性物のアクセサリーが落ちていた。恐らく治癒魔法を掛けてくれたのだろう、教会の聖女では無かったらしく、誰も彼女の事を知らなかった。
顔も名前も分からない生命の恩人。
会いたくても、多分、もう会えない。
花の香りがする、記憶の中だけの人。
それが私の想い人。
ペンダントを見ると、いつもメイヴィスの胸の中は穏やかで温かい気持ちになる。それは、ダルトンやイオニスを思う時の気持ちと同じだ。
多分その感情の名は、【愛しさ】
例えその気持ちを受け止める相手とこのままずっと出会えないとしても、この想いは一生途切れないだろうと彼は思う。
メイヴィスは大切そうに、ペンダントを服の中へしまった。
そしてその夜、メイヴィスは奇妙な夢を見た。
◆◇◆◇◆◇
今、私の腕の中に最愛の人がいる、ようやく見つけた、私の想い人。白い肌はどこまでも柔らかく、花のような甘い香りがして、私を魅了する。
これから毎日ずっと、肌と肌を合わせて、体を重ねて繋ぎ、二人で一つになる。今日は彼女と私の最初の日、彼女の全てを堪能し尽くすには、一晩では足りないだろう。
既に一度熱を放っても、彼女の中でまだ硬さを保っている逸物をゆるゆると動かし、彼女の反応を見る。
私の動きに気づいた彼女が、上目遣いで軽く睨んでくるが、目元がピンク色に染まった顔では、挑発している様にしか見えない。逆効果で硬度が増したソレが胎内を圧迫した。
「あっ!、やっ!、殿下!!」
「陛下だ、覚えられない子には、お仕置きをしなくてはいけないね」
彼女の顔にキスの雨を降らせながら、そう言って私は中を突き上げる、彼女の様子を見ながら、初めは緩く、徐々に動きを速めて強烈に、最後は彼女の尻が浮くくらい激しく貫ぬく。絶頂を迎えた彼女の体がブルブル震えた。
「ごめんね、気持ちよすぎて、我慢出来ない。」
まだ余韻に浸る彼女の頬を優しく撫でながら、再び腰を動かし始める。
今度は最初から容赦なく胎内を突き上げ、抉り、穿つと、彼女の媚肉が畝り、楔に吸い付き、私に射精を促す、気持ちが良過ぎて堪え切れずに射精し、彼女の胎内を私の子種で満たしてゆく。
私は彼女の体を優しく抱きしめ、感じ過ぎてぼんやりしている最愛の人にキスを贈り、想いを告げる。
「ようやく出逢えた私の想い人、君を愛してる。」
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