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拍子抜けでした…

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「悪役令嬢」…それは悲劇に散る。悲しい令嬢なのだと。さっきまで私は思っていた…。


…私はゲーム「不思議のハッピー」の悪役令嬢、ユリに転生してしまった。
このゲームの事はよく知らないけれど、私が生きていた現代で、小説とかに出てくる「悪役令嬢」というものは、最後には必ずバットエンドになっているイメージだった。
…バットエンドなんて、迎えない!
転生しても私は幸せになって見せる!!


どうやら、私はこの国の王子と婚約している存在みたいね。
だけれど、その王子、クリーシュは別の女を想っている。
その女の名前は、マナ。
マナが、このゲームのヒロインなのかしら…??

まずは、クリーシュの周りから探ってみましょうか。
クリーシュの一番の親友だと思われる、レバート。
レバートは、マナとも面識があるみたい。

私がバットエンドを迎えるとしたら、ここら辺の人たちが関わってくると思うのだけれど…。

そう考えていると、メイドが走って私の元へ向かってきた。
「お嬢様!!大変です~!!」
焦っている様子ね。
「…どうしたの?そんなに焦って。」

「それが…なんとあのクリーシュ王子から茶会の誘いが来ていたのです!
今までお嬢様に何もしてこなかったくせに…。」
「ええ?本当に?」
「はい。
…しかも、マナ様とレバート様だけしかいらっしゃらないようなのです。」

こちらが相手を探っているときに…、随分と都合がいいわね。
「…お嬢様。行かれますか??」
…私は少し考えたが、このチャンス、無駄にするわけにはいかない。
「えぇ、もちろん。」

もしかして、ここでバットエンドになる。とかも有り得るのかしら、??
でも、私は今のところ何も悪いことをしていないはず…。
まぁ、なんとかなるでしょう。

~お茶会当日~

会場…というかクリーシュの庭についた。
私はこれから何が行われるのかと緊張していたが…。
「あっ~!!来ました!
ユリさんだ~!!」
…最初に出てきたのはマナだった。
(というか随分、この子馴れ馴れしいわね。)
「クリーシュ王子からお話良く聞いていてっ~!!
ずっとお話ししたかったです~!!」
「…私の話を?
クリーシュ王子が??」
「そうですよっ~!!
まったく、さっきからずっとクリーシュ王子緊張していたんですよ~??」
…ん??

考える暇を私に与えず、
「さぁさぁっ~!!中に入って~!!」
私は言われるがままに庭の中に入ると…

…クリーシュ王子がいた。
「…えぇ、と。
ユリ。今までごめん。
君の事が好きだよ…。」

…え??
何で私に告白??

…もしかして、私は悪役令嬢じゃなくてヒロインだった、とかじゃないよね??

そんなオチってある~~~~!?!?!?!?
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