上 下
1 / 1

1.

しおりを挟む

突然、本当に突然だった。
私の婚約者と、私の親友が、浮気している所を見てしまったのは。


元々。
私、私の婚約者と、私の親友。
私達は皆大親友だった。

私と彼が婚約したときは、親友は泣いて喜んでくれたはずだ。
『お幸せに!』そんな言葉も言ってくれたはずだ。
…それなのに。
なんで浮気してしまったのだろう。

~次の日~
今日、私は問い詰めてみることにした。

「ねえ、」
「ん?」

「…何か、私に隠していることない?」
…ここで言ってくれれば。
そして反省してくれれば。
許してあげなくもない。
そう考えていたのだけれど。

…貴方は首を横に振り。
「んーん。
僕は君を愛しているからね。
隠し事なんてしないよ。」
「…そうですか。」
私はもう一度口を開く。
「…もう一度聞きます。
貴方と、私の親友の関係で何か言うことは無い??」

「_え?
何もないよ?」

そうなんだ。
貴方はその程度だったんですね。

「婚約破棄しましょう。ね?」
「…え!?!?」
「もう、理由は分かっているでしょう?」
「そっか。
分かった、じゃあね。
婚約破棄はこっちでしとくから、安心してね。」
(…、そういうことじゃないのにな。)
「謝るぐらいしたら?浮気したんだから。」
「…」
貴方は黙ってしまった。

「…そんな貴方を愛した私が悪いんですね。
家は出ていきます。私がいなくなって、貴方たちが堂々と結婚すると思うと吐き気がする。
さようなら。」
私はそんな捨て台詞を吐き、家を出て行った。

…正直、これで良かったのかもしれない。
きっと、彼をあのまま愛していたら、沼から抜け出せなくなる。
所謂、ずぶずぶになってしまっていたと思うから。

私は、家を出て行ったあと。
誠実な夫が出来ました。
彼とは違い、私に愛を注いでくれています!
あの時彼をきっぱり諦められたからこそ、今幸せに暮らせているのだと実感しました。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

婚約破棄ですか?それでは、帳簿を置いていきますね?ああ、借金です!

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

兄のために嫌々婚約したのに、妹が邪魔してきて婚約破棄されました。絶対に許しません!

法華
恋愛
カラ=ブライトは料理人の兄の雇用と引き換えに、醜悪なレストランオーナーのローワンと婚約した。しかし、いよいよ結婚という段階になって、彼は婚約破棄を宣言し、約束も破ると言い出した。どうやら妹のミーシャが、兄への嫌がらせのためにこんな事態を引き起こしたらしい。二人とも、絶対に許しません! ※反響あれば連載化を検討します。よろしくお願い致します。

婚約破棄ですか?ちょっと意味がわかりませんね?

tartan321
恋愛
「エリザベス!!!貴様のミクリッツに対する愚かな虐めをこれ以上許すことはできないぞ!よって、貴様との婚約を破棄する!!!!」 はあ……ちょっと意味がわかりませんね? 明日、完結します。

私より幼馴染を大事にする男と婚約破棄したら、王子様と結婚して幸せになれました

法華
恋愛
リゼ・リィンカーネーションの婚約者オッズ卿は、彼女より幼馴染からの呼び出しを優先してばかり。それどころか、まるで恋人同士かのようにいちゃついている。リゼはそんな婚約者に愛想を尽かして、婚約破棄を突きつける。行き場所のない彼女を拾ったのは、なんとこの国の第三王子だった。彼のもとでリゼは精神を立て直し、愛を育んでいく。 ※五話完結

妹に婚約者を奪われましたが、おかげで真実の愛に出会えました。

法華
恋愛
跡取りを産むためにランスロット卿と婚約し、たゆまぬ努力を強いられてきたクリスティアは、ある日妹のメリアに婚約者を奪われる。しかし、彼女の元に宝石商バロックが現れ、子作りのためではない、本当の愛を知る。しばらくして妹の計略がばれ、ランスロット卿はクリスティアに戻ってくるよう要求するが、彼女はすでにバロックと幸せに暮らしており、戻る気なんてさらさらなかった。 ※四話完結

王子は婚約破棄を泣いて詫びる

tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。 目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。 「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」 存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。  王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。

「婚約破棄の原因は私の浮気」だなんて許せません!浮気しているのはあなたの方じゃないですか!

法華
恋愛
ソフィアは婚約者から、自分が男性と手を繋いでいる写真を見せられ、婚約破棄を言い渡される。しかし、その写真はフェイクで、浮気していたのは婚約者の方だった。彼とその浮気相手が企んだ陰謀に、正義の鉄槌が下される。 ※反響ありましたら連載化を検討します。よろしくお願い致します。

体裁のために冤罪を着せられ婚約破棄されたので復讐した結果、泣いて「許してくれ!」と懇願されていますが、許すわけないでしょう?

水垣するめ
恋愛
 パーティ会場、観衆が見守る中、婚約者のクリス・メリーズ第一王子はいきなり婚約破棄を宣言した。 「アリア・バートン! お前はニア・フリートを理由もなく平民だからと虐め、あまつさえこのように傷を負わせた! そんな女は俺の婚約者に相応しくない!」 クリスの隣に立つニアという名の少女はクリスにしがみついていた。 彼女の頬には誰かに叩かれたように赤く腫れており、ついさっき誰かに叩かれたように見えた。 もちろんアリアはやっていない。 馬車で着いてからすぐに会場に入り、それからずっとこの会場にいたのでそんなことを出来るわけが無いのだ。 「待って下さい! 私はそんなことをしていません! それに私はずっとこの会場にいて──」 「黙れ! お前の話は信用しない!」 「そんな無茶苦茶な……!」 アリアの言葉はクリスに全て遮られ、釈明をすることも出来ない。 「俺はこいつを犯罪者として学園から追放する! そして新しくこのニアと婚約することにした!」 アリアは全てを悟った。 クリスは体裁のためにアリアに冤罪を被せ、合法的に婚約を破棄しようとしているのだ。 「卑怯な……!」 アリアは悔しさに唇を噛み締める。 それを見てクリスの傍らに立つニアと呼ばれた少女がニヤリと笑った。 (あなたが入れ知恵をしたのね!) アリアは全てニアの計画通りだったことを悟る。 「この犯罪者を会場から摘み出せ!」 王子の取り巻きがアリアを力づくで会場から追い出す。 この時、アリアは誓った。 クリスとニアに絶対に復讐をすると。 そしてアリアは公爵家としての力を使い、クリスとニアへ復讐を果たす。 二人が「許してくれ!」と泣いて懇願するが、もう遅い。 「仕掛けてきたのはあなた達でしょう?」

処理中です...