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「気持ち悪い悪役令嬢はさっさと失せなさい!!
私こそがルベシュ王子に相応しいんだから!!」

…悪役令嬢って、なに??
…私は、悪役令嬢なの?


私の家は代々王族と婚約させられる家で、もちろん私、リスリも例外ではない。
ルベシュ王子、という王子と婚約させられたが、そこには愛などない。

…でも、愛されるようにたくさん努力したんだけどなぁ。

事が起きたのは身分の高い者同士のパーティーだった。

(…ルベシュ王子、また、私の所じゃなくて、他の女の子の所に行くのね。)
もう、慣れてしまったけれど。
婚約破棄さえされなければ、そう思っていた時。

ルベシュ王子がなにやらマイクを持ち始めた。
「お集りの皆さん、ここで重大な発表をさせてもらいます。
…我が婚約者の、リスリについてです。」
とルベシュ王子が切り出すと、会場がざわめいた。

…何か、嫌な予感がする。というか嫌な予感しかしない。

「リスリ、お前との婚約破棄をここで宣言する!!!」
…やっぱり婚約破棄、か。
「…ルベシュ王子、失礼ですが…、なぜ、婚約破棄を?」
「そんなの決まっているだろう?
お前が、俺に相応しくないのだから。」
ルベシュ王子は悪びれもせず言った。

(…ルベシュ王子にとって私は、どの程度の存在だったんですね。
私は少しでもルベシュ王子に近づけるように努力していたのに。)

「そうですか、ならもういいです。
婚約破棄、こちらからも願わせて頂きます。」
「もちろんそのつもりだ。」

これで話は終わり。だと思われたけど…
他国の王子、ラピスが名乗りを上げてきた。

「すいません、じゃあリスリさん、俺がもらってもいいですか??」

…!?!?!?
何でこの自然な流れで突然凄い事を言うの!?!?
「…え?
今なんと?」
「いや、だから。
君、リスリさんを俺がもらっていい?って言ってるじゃん。」

周囲はポカーンとしている。

「…考えさせてください。」
「んじゃあ明日リスリさんのとこ遊びに行くね?」

…大変なことになってしまった、、、

~次の日~

彼、ラピスは思っていた以上に早い時間に来た。
「リスリさん、おはよ。」
「…ラピスさん、おはようございます。」

少し次の会話に戸惑っていると、急にラピスさんが、
「ねぇ、俺の事好き??」
とかを言い出すので、少し笑ってしまった。
「どんだけ早く婚約したいんですかラピスさん。」
「一秒でも早く。」

…ラピスさんとの婚約、してみようかな、?
「ラピスさん、私と、婚約しませんか、?
まだお互い知らないことばかりですけど…、ラピスさんと、話してみたいって思ったんです。」
「ありがとう?
一生幸せにする」

…なんだろう、ラピスさんってちょっと不思議な所があるなぁ。
まぁ、そんなところもこれから知っていけたらいいけど。
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