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7話 キス
しおりを挟む◆エルちゃん視点
(貴族のお姉さんいい匂いがする、何だろう.......嗅いでいると心が落ち着くような)
僕はまだここに来て日は浅いですが、貴族のお姉さんの事が好きになってしまいました。でも、今の僕は女の子です.......精神は男の子なので、凄い複雑な気持ちではあります。これが一目惚れ.......恋なのでしょうか。
「何だろう.......何で僕の心臓はこんなにバクバクしてるのだろう.......顔が熱い.......そしてお姉さんに褒められたい、撫で撫でされたい。昨日の自分は、お姉さんの事怖がってたのに今では.......」
「――――――!!」
「んみゃあっ!? 待って! お姉さん、どうして僕をいきなり押し倒すのですか!?」
「――――――♪」
「あっ.......」
お姉さんが謎のボタンを押してから、黒くて薄い魔道具の画面が消えて部屋は静かになった。そして、僕とお姉さんの唇が重なり合う。
(お。お姉さんとキス、え? 僕は男ですよ? 身体は女の子だけど.......あっ、だめ!)
何と! お姉さんは、自分の舌を僕の舌に絡めて来たのです! お姉さんの唾液が僕の舌に絡みあい、そして僕とお姉さんは一つになった。
(頭の中が真っ白になりそう、お姉さんの力が強くて僕のこの小さな身体では、抗えないよぉ。でも、何でだろう、僕の身体がお姉さんの事を受け入れてる?)
駄目だと分かっているんだけど、僕はもう我慢の限界でした。お姉さんの全てが欲しい、人との温もりがこんなにも素晴らしいものだとは.......
「――――――♪」
「はぁ.......はぁ.......」
お姉さんの表情が何だかエッチだ。お姉さんは目元に小さなホクロがあって、大人特有のセクシーで妖艶な雰囲気を醸し出しています。こんな美しいお姉さんに迫られてしまったら、男ならば我慢出来る筈がありません。
「お姉さんの胸が.......」
何とお姉さんの柔らかくて大きな胸が、僕の貧相な胸を押し潰すかのように重なり合いました。
「ごくり.......柔らかい.......」
「――――――!!」
「え? この棒のお菓子を咥えろと!?」
お姉さんは棒状のお菓子を取り出して、それを自分の口で咥えました。そこまでは特に問題は無かったのですが、何と! お姉さんの咥えてる棒状のお菓子を反対から咥えろと言わんばかりに、僕の口に押し付けて来るのです。
「一つのお菓子を2人で共有すると言う事でしょうか? こんなお高そうなお菓子、また頂いても良いのですか?」
「――――――♪」
「食べろという事でしょうか? でも、食べ始めてたらお姉さんの唇と僕の唇が当たってしまいますよ?」
僕はどうしようか悩みました。これ以上、邪な心で綺麗なお姉さんの唇を奪う訳には行きません。なので僕はお姉さんの胸を押し返して拒否しました。するとお姉さんは名残惜しそうな顔をして、何とか諦めてくれました。
「あれ? お姉さん、何処へ行くのです」
「――――――、、。」
「ま、待って下さい! 僕を置いて行かないで!」
僕は内心凄く焦りました。僕がキスを拒んだ事でお姉さんは怒ってしまったのでしょうか.......今ここでお姉さんに見捨てられてしまったら、僕は生きて行けません。もう、あのゴミを漁るような飢餓の苦しみを味わう日々には、もう戻りたくはありません。
「うぅっ.......お姉さん! ごめんなさいっ! いくらでもキスしますから、どうか僕を見捨てないで下さい!!」
「――――――!?」
「ふぇぇぇぇえええんんっ!!」
僕はお姉さんの足にしがみついて、本物の幼い子みたいに泣きじゃくりました。
◆楓視点
どうも、一ノ瀬楓です。私はあれから我慢出来ずに、エルちゃんを押し倒してしまいました。私は実は、百合やエッチな事。可愛い女の子とイチャイチャするのが、物凄く大好きな至って普通の女です。部屋にはエロ同人誌に百合関連の本や官能小説等が沢山置いてあります。エルちゃんみたいに可愛い女の子が目の前に居たら、もう我慢出来る筈が無いじゃ無いですか!
「エルちゃん♡」
「――――――!? ――――――!!」
「恥ずかしがらないで、お姉ちゃんに全て任せて」
プリっとした幼女特有のプルプルとした唇。うるうるしたぱっちりとした目に小さなお口。しかも不安げな表情で私を見るエルちゃん.......頬もほんのりと赤く、エルちゃんの長い耳がぴくぴくと動いています。
「エルちゃん~♡ はぁ、幸せ♡ 抱き心地も最高!」
★★★数分後★★★
そんな感じでエルちゃんとイチャイチャしていたのですが、少し困った事になりました。
エルちゃんがうっとりとした表情を浮かべている時でした。私は尿意を感じて、トイレに行こうとしたその時.......
「エルちゃん.......あのね。お姉ちゃんトイレ行くだけだから、ここで少し待っててくれるかなぁ?」
「――――――!?」
「はぅ♡ 可愛い.......エルちゃん、お姉ちゃんすぐ戻るから、ね?」
「うぅ.......ぐすんっ.......」
私が席を立ってトイレに行こうとしたら、エルちゃんが信じられないようなものを見た顔で、私の足にしがみついて来たのです! エルちゃんが可愛いくて内心めちゃくちゃ嬉しかったですが、そんなに泣きそうな顔で.......と言うか既に泣いていますね。
「エルちゃん良し良し♪ 良い子だから、少しの間だけ待っててくれるかな?」
「ふぇええええんんっ!!」
エルちゃんが私に懐いてくれたのは嬉しいのですが、言葉が通じないと不便ではありますね。
「お姉ちゃん、エルちゃん、ただいまぁ! 帰りにおもちゃ屋さん寄ったんだけど.......って!? どうしたのエルちゃん!?」
「葵ちゃんおかえり~♪ 私トイレに行きたいだけなんだけど、エルちゃんが私の足にしがみついちゃって」
「ぐすんっ.......うぅ?」
丁度タイミング良く葵ちゃんが帰って来ました。私は葵ちゃんにエルちゃんを抱っこしててもらうように、お願いをしてトイレに直行しました。
◆葵視点
「エルちゃん♪ よしよし、楓お姉ちゃんはトイレに行くだけだから、安心して♪」
「――――――??」
とりあえず泣き止んでくれて良かったよ。しかし、エルちゃんは軽いな~いつも楓お姉ちゃんが抱っこしてばかりだから、まともにエルちゃんを抱くのは初めてかもしれません。
「あ。そうだ! エルちゃん、魔法少女★みくるちゃんのウエハースは売り切れて無かったけど、無事みくるちゃんのコスプレセットは買えたよ♪ お着替えしてみようね~」
「――――――??」
「か、可愛い.......」
もう、語彙力を失ってしまう程です。私はこれと言って特殊な性癖はありませんけど、エルちゃんのこの表情を写真に収めて、私の部屋に飾りたいです。そしてスマホの待ち受けにもしたいですね。
(とりあえずお姉ちゃんが戻って来たら、魔法少女★みくるちゃんの衣装をエルちゃんに着せて、そしてその後は配信かな。しばらく休止しますと突然言ったら、ファンの人達どんな反応するのかな)
私はエルちゃんを抱っこしながら、配信の内容の言葉をどうするか考えていました。するとエルちゃんは私の胸に顔を埋めて、すりすりと甘えて来ました! エルちゃんはずるいです。これじゃ私の理性が持ちそうにありません!
「――――――?」
「もう~エルちゃんのえっち♡」
「――――――!?」
「ふふっ.......女の子同士だからセーフだよ♪」
エルちゃんの頬っぺたにキスをしたら、エルちゃんは顔を赤くしてモジモジしながら、再び私の胸に顔を埋めてしまいました。
「照れ屋さんなのかな? ふふっ.......」
「葵ちゃん~お待たせ♪ あら? エルちゃん今度は、葵ちゃんに甘えてるのかな? お姉ちゃんは2人の可愛い妹が居て幸せです♡」
「お姉ちゃんったら、大袈裟なぁ~あ、そうだ! お姉ちゃん、魔法少女★みくるちゃんのウエハースは買えなかったけどコスプレセット無事に買えたよ~♪」
お姉ちゃんの目がキラキラと輝いているように見えます。エルちゃんに余程着せたかったのかな? まあ、私も楽しみにしてるけどね♪
「あ。おっとと、エルちゃん危ないよ?」
「――――――!!」
エルちゃんは楓お姉ちゃんを見てから、私の腕の中でモゾモゾと動いて居たので、地面に降ろして上げると一目散に楓お姉ちゃんの元へと行ってしまいました。
「ちゅっ!」
「うふふっ.......甘えん坊さん何だから♪ エルちゃんからキスされるなんてお姉ちゃん今日死んじゃうのかな?」
う、羨ましいなんて思って無いんだからね! 楓お姉ちゃんとエルちゃんが仲良くキス何て.......
「羨ましい.......」
「あら? 葵ちゃん妬いてるの? 遠慮せずにお姉ちゃんの胸に飛び込んでおいで♪」
「お姉ちゃん♡ エルちゃんも大好き♡」
そして私達は3人で抱き合ってイチャイチャしたりとしましたが、ここからお待ちかねの時間です。エルちゃんに魔法少女★みくるちゃんのコスプレをさせるのです! おもちゃ屋さんで買った、魔法少女のステッキ(980円)の準備もばっちりです!
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2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。
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そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて…
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