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第39話 緊急事態は変態に御用心
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――こうなったら、やってやる。
奴は、この町を支配する気でいる。城も、国も。やがては、人間を金で支配して、世界を手中に収める腹づもりだろう。
ラングリードは観光都市だ。目玉となる温泉施設を抑えられたら負ける――。
さて、これからどうしようかと思いながら屋敷を出る。
すると、町の様子がおかしかった。
「敵襲だーッ!」
町の人たちが、慌てふためいている。兵士たちも、城の方から続々と出撃していた。
その中にメリアがいて、俺に気づいた。
「ベイルくん!」
「なにがあった?」
「西から、魔王軍が迫ってます。急いでととのってください!」
「わかった。――だが――」
俺は、万が一のことを懸念して、指示しておく。
「ダークエルフたちの動きが気になる。警戒しておけ」
戦いの最中、ダークエルフたちが魔王軍に加担しないとも限らない。
「わかってます。フランシェ様も、気に懸けていました」
それだけ言葉を交わし、メリアは西門へと向かっていく。
「ここからだと『ジェットバースト』が近いか」
ジェットバスに特化した、最新のスーパー銭湯だ。サウナもある。
俺は駆け足で、向かって、そのままの勢いで入店した。
「悪い。緊急事態だ。サウナを借りるぞ!」
「はッ!」
受付はダークエルフの若い男だった。一瞬、妨害されるかと思ったのだが、すぐさまタオルを用意して、あとを付いてきてくれる。
店内で清掃作業中のダークエルフも「こちらでございます!」と、案内してくれる。
意外だ。店内にいるダークエルフたちが、脱衣室へのドアを開けてくれたり、ロッカーを解放したりしてくれていた。
衣服を脱ぎ、ロッカーへ放りこんでいく。それらを見守ってくれるダークエルフ。大浴場への扉も開放してくれた。
「ベイル様、お急ぎください!」
「ああ!」
タオル一枚になって、ロッカーの鍵を閉めようとしたその時――。
背筋がゾッとする。
――ん?
総勢十数人のダークエルフが、俺を見守っている? うん、見守っているんだけど……なんか、禍々しくない?
「どうなされました、勇者様。魔王軍が迫っているのでしょう? 緊急なのでしょう? 我々は、勇者様が快適におとといになられるよう、ご協力させていただきます。ごゆるりとおくつろぎください」
うん、もの凄い丁寧なんだけどさ。
コレ。丸腰になった瞬間、殺されないかな?
明らかに集まりすぎだろう。っていうか、手に持っている武器はなに? 剣とか槍とか弓矢とか持ってるんだけど。包囲されてるんだけど。
この場にはダークエルフしかいない。もし、これらがウルフィの差し金だったら、丸腰になった瞬間、殺される。
あるいは、サウナ中にドアを閉められて蒸される気がする。
「……な、なんで武装してるの?」
「これは勇者様を御守りするためでございます」
守るんだったら、店の外で守れよ。なんでこっちに槍の先端を向けてるんだよ。弓矢の照準を合わせてるんだよ。
「勇者様、お急ぎください!」
「さあ!」
「さあ!」
「さあ!」
「さあ!」
「「「さあ!」」」
――うん。完全に殺す気だ。
凄い圧。
どれだけ俺を丸腰にさせたいのか。
さすがに怖い。
ヤバい。ここを利用するのはやめよう。
ロッカーを再度開ける。
その瞬間、ロッカーを掌でバタン! と、強引に閉じてしまうダークエルフ。
「な、なにを……?」
「勇者様……いまは一刻を争う事態なのですよ……?」
「い、いや、そういえば、いつもの馴染みの店の方が、ととのう気がするから」
「そんなことはございません」
きっぱりと言い切るダークエルフ。なにを根拠に、そんなことを言えるのだろう。
とにもかくにも、ここにいたら殺される気がする。
俺は、ロッカーに拳を打ち込んで破壊する。そして、剣を取り出した。鞘から抜いて、縦横無尽に振り回す!
「うおおおあぁぁぁッ! 俺の側に近寄るなぁぁぁッ!」
「ゆ、勇者様がご乱心だ! みんな、お鎮めするのだ!」
「おう!」
ご乱心を鎮めるには武器を使うらしい。マジで容赦なかった。さすがに殺すわけにもいかないので、剣の側面で打ちのめしていく。気絶させていく。
「ああッ! なんて物騒な町になっちまったんだッ!」
☆
ダークエルフたちを打ちのめした俺は店を脱出。近くにある馴染みの銭湯へと入っていく。フロントを駆け抜けながら「サウナを借りるぞ!」と、言った。
「ベイルちゃん! ほらよ!」
俺のことを知っている馴染みのおばちゃんは、入店と同時にタオルの入ったバッグを投げて渡してくれる。
脱衣はすでに済んでいる。まあ、さっきの店からここまで、ずっと全裸のままだからな!
電光石火の速さでロッカーに荷物を放りこみ、すぐさまサウナへ。
こうしている間にも、仲間たちは一生懸命戦っている。すでに、かなりのタイムロスだ。
7分経過。サウナから出て、すぐさま水風呂へ。
「あ、あれ?」
水風呂?
否、これは――。
「冷たく……ない……だと?」
温度にして二十度後半? 常温とされる水だ。このままではルーティンが崩壊し、ととのうことができない。
「こ、これはどういうこと――」
疑問に思ったその時、脱衣所の影からこちらの様子を窺っているおばちゃんを見つける。俺は、彼女の襟首を掴んで、問い詰める。
「おばちゃん! これはどういうことだ! 冷水じゃないぞ!」
「ひいいッ! た、たぶん魔法冷却器の故障じゃないかな?」
「いつからだッ?」
「い、いつからかな? あ、あははは……」
この感じ。もしかしてダークエルフに買収されているのか? あるいは脅されているのか?
とにもかくにも、おばちゃんのうしろめたそうな表情を見る限り、なにか事情があると考えて良さそうだ。ただ、腹立たしいが、このおばちゃんに時間を割いている場合ではない。
俺は、すぐさまロッカーから荷物を持ち出して、店を出る。
とりあえず、城に戻ろう。さすがに、城内のサウナであれば、ウルフィの支配も及んではいないはずだ。
俺は、疾風迅雷を体現するかのように、全裸で城へと駆けるのであった――。
☆
とりあえず、結果報告。
昨日の襲撃はなんとかなかった。
しかし、俺の到着が遅れたせいで、被害は思ったよりも酷かった。事情を知ったフランシェは、仕方がないと言ってくれたが、深刻な問題だと理解してくれたようだ。
朝。大食堂で、彼女と朝食を食べながら、これからのことを話し合う。
「ウルフィは敵という認識で間違いなさそうですね」
「ああ。内側から、この町を乗っ取ろうとしている」
「厄介なのは、表向きは『正攻法』だということです。あくまで企業オーナー……私たちが気に入らないという理由だけで排除をすることはできません」
魔物の襲撃も、ウルフィが直接的に指示したわけではないと言われたらソレまで。銭湯のおばちゃんも、口を割ることはなかった。
「なにか方法はありますか?」
「目には目を。歯には歯を。正攻法には正攻法だ。奴の会社を潰す」
現状、ウルフィのサウナを経営不振に陥らせる。もちろん、こっちは役人。横暴な手段は使えないので、正攻法で叩き潰すしかない。
「金のかかる方法だが、ひとつ考えがある。――国からどのぐらいの額を引っ張ることができる?」
「国の金を使うのですか? 勝算はあるのでしょうね?」
「あってもなくても、やるしかねえだろ。この経済戦争に世界の命運が懸かってるんだ」
真剣なまなざしでフランシェを見やる。すると、彼女は瞳を閉ざして溜息をついた。
「……わかりました。これでも王族です。可能な限りの資金を用意します」
「頼む。――あとは、世界各国に手紙を送ってくれ。この作戦を成し遂げるには、『他国の力』も借りる必要がある」
奴は、この町を支配する気でいる。城も、国も。やがては、人間を金で支配して、世界を手中に収める腹づもりだろう。
ラングリードは観光都市だ。目玉となる温泉施設を抑えられたら負ける――。
さて、これからどうしようかと思いながら屋敷を出る。
すると、町の様子がおかしかった。
「敵襲だーッ!」
町の人たちが、慌てふためいている。兵士たちも、城の方から続々と出撃していた。
その中にメリアがいて、俺に気づいた。
「ベイルくん!」
「なにがあった?」
「西から、魔王軍が迫ってます。急いでととのってください!」
「わかった。――だが――」
俺は、万が一のことを懸念して、指示しておく。
「ダークエルフたちの動きが気になる。警戒しておけ」
戦いの最中、ダークエルフたちが魔王軍に加担しないとも限らない。
「わかってます。フランシェ様も、気に懸けていました」
それだけ言葉を交わし、メリアは西門へと向かっていく。
「ここからだと『ジェットバースト』が近いか」
ジェットバスに特化した、最新のスーパー銭湯だ。サウナもある。
俺は駆け足で、向かって、そのままの勢いで入店した。
「悪い。緊急事態だ。サウナを借りるぞ!」
「はッ!」
受付はダークエルフの若い男だった。一瞬、妨害されるかと思ったのだが、すぐさまタオルを用意して、あとを付いてきてくれる。
店内で清掃作業中のダークエルフも「こちらでございます!」と、案内してくれる。
意外だ。店内にいるダークエルフたちが、脱衣室へのドアを開けてくれたり、ロッカーを解放したりしてくれていた。
衣服を脱ぎ、ロッカーへ放りこんでいく。それらを見守ってくれるダークエルフ。大浴場への扉も開放してくれた。
「ベイル様、お急ぎください!」
「ああ!」
タオル一枚になって、ロッカーの鍵を閉めようとしたその時――。
背筋がゾッとする。
――ん?
総勢十数人のダークエルフが、俺を見守っている? うん、見守っているんだけど……なんか、禍々しくない?
「どうなされました、勇者様。魔王軍が迫っているのでしょう? 緊急なのでしょう? 我々は、勇者様が快適におとといになられるよう、ご協力させていただきます。ごゆるりとおくつろぎください」
うん、もの凄い丁寧なんだけどさ。
コレ。丸腰になった瞬間、殺されないかな?
明らかに集まりすぎだろう。っていうか、手に持っている武器はなに? 剣とか槍とか弓矢とか持ってるんだけど。包囲されてるんだけど。
この場にはダークエルフしかいない。もし、これらがウルフィの差し金だったら、丸腰になった瞬間、殺される。
あるいは、サウナ中にドアを閉められて蒸される気がする。
「……な、なんで武装してるの?」
「これは勇者様を御守りするためでございます」
守るんだったら、店の外で守れよ。なんでこっちに槍の先端を向けてるんだよ。弓矢の照準を合わせてるんだよ。
「勇者様、お急ぎください!」
「さあ!」
「さあ!」
「さあ!」
「さあ!」
「「「さあ!」」」
――うん。完全に殺す気だ。
凄い圧。
どれだけ俺を丸腰にさせたいのか。
さすがに怖い。
ヤバい。ここを利用するのはやめよう。
ロッカーを再度開ける。
その瞬間、ロッカーを掌でバタン! と、強引に閉じてしまうダークエルフ。
「な、なにを……?」
「勇者様……いまは一刻を争う事態なのですよ……?」
「い、いや、そういえば、いつもの馴染みの店の方が、ととのう気がするから」
「そんなことはございません」
きっぱりと言い切るダークエルフ。なにを根拠に、そんなことを言えるのだろう。
とにもかくにも、ここにいたら殺される気がする。
俺は、ロッカーに拳を打ち込んで破壊する。そして、剣を取り出した。鞘から抜いて、縦横無尽に振り回す!
「うおおおあぁぁぁッ! 俺の側に近寄るなぁぁぁッ!」
「ゆ、勇者様がご乱心だ! みんな、お鎮めするのだ!」
「おう!」
ご乱心を鎮めるには武器を使うらしい。マジで容赦なかった。さすがに殺すわけにもいかないので、剣の側面で打ちのめしていく。気絶させていく。
「ああッ! なんて物騒な町になっちまったんだッ!」
☆
ダークエルフたちを打ちのめした俺は店を脱出。近くにある馴染みの銭湯へと入っていく。フロントを駆け抜けながら「サウナを借りるぞ!」と、言った。
「ベイルちゃん! ほらよ!」
俺のことを知っている馴染みのおばちゃんは、入店と同時にタオルの入ったバッグを投げて渡してくれる。
脱衣はすでに済んでいる。まあ、さっきの店からここまで、ずっと全裸のままだからな!
電光石火の速さでロッカーに荷物を放りこみ、すぐさまサウナへ。
こうしている間にも、仲間たちは一生懸命戦っている。すでに、かなりのタイムロスだ。
7分経過。サウナから出て、すぐさま水風呂へ。
「あ、あれ?」
水風呂?
否、これは――。
「冷たく……ない……だと?」
温度にして二十度後半? 常温とされる水だ。このままではルーティンが崩壊し、ととのうことができない。
「こ、これはどういうこと――」
疑問に思ったその時、脱衣所の影からこちらの様子を窺っているおばちゃんを見つける。俺は、彼女の襟首を掴んで、問い詰める。
「おばちゃん! これはどういうことだ! 冷水じゃないぞ!」
「ひいいッ! た、たぶん魔法冷却器の故障じゃないかな?」
「いつからだッ?」
「い、いつからかな? あ、あははは……」
この感じ。もしかしてダークエルフに買収されているのか? あるいは脅されているのか?
とにもかくにも、おばちゃんのうしろめたそうな表情を見る限り、なにか事情があると考えて良さそうだ。ただ、腹立たしいが、このおばちゃんに時間を割いている場合ではない。
俺は、すぐさまロッカーから荷物を持ち出して、店を出る。
とりあえず、城に戻ろう。さすがに、城内のサウナであれば、ウルフィの支配も及んではいないはずだ。
俺は、疾風迅雷を体現するかのように、全裸で城へと駆けるのであった――。
☆
とりあえず、結果報告。
昨日の襲撃はなんとかなかった。
しかし、俺の到着が遅れたせいで、被害は思ったよりも酷かった。事情を知ったフランシェは、仕方がないと言ってくれたが、深刻な問題だと理解してくれたようだ。
朝。大食堂で、彼女と朝食を食べながら、これからのことを話し合う。
「ウルフィは敵という認識で間違いなさそうですね」
「ああ。内側から、この町を乗っ取ろうとしている」
「厄介なのは、表向きは『正攻法』だということです。あくまで企業オーナー……私たちが気に入らないという理由だけで排除をすることはできません」
魔物の襲撃も、ウルフィが直接的に指示したわけではないと言われたらソレまで。銭湯のおばちゃんも、口を割ることはなかった。
「なにか方法はありますか?」
「目には目を。歯には歯を。正攻法には正攻法だ。奴の会社を潰す」
現状、ウルフィのサウナを経営不振に陥らせる。もちろん、こっちは役人。横暴な手段は使えないので、正攻法で叩き潰すしかない。
「金のかかる方法だが、ひとつ考えがある。――国からどのぐらいの額を引っ張ることができる?」
「国の金を使うのですか? 勝算はあるのでしょうね?」
「あってもなくても、やるしかねえだろ。この経済戦争に世界の命運が懸かってるんだ」
真剣なまなざしでフランシェを見やる。すると、彼女は瞳を閉ざして溜息をついた。
「……わかりました。これでも王族です。可能な限りの資金を用意します」
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