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仕切り直しで楽しもう。
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私が慣れないことをして震え、慰めてくれたセディが、私を無理やり襲っていると勘違いされてしまった。
その様子を見たお客たちがデパート内にいた職員に知らせ、職員が近くの派遣騎士を呼んだとのことだった。
「あ、あの......副団長......。申し訳ないのですが、通報があって出動したからには、調書、要りますよね......?」
「......分かっている。身内だからとうやむやにしては、何かあった時不味いからな」
近くの派出所に行く道中、お昼近かったこともあり、軽食を買い込み4人で派出所に戻った。
◇◇◇
「......で、ゆい様がお店の対応に苦情を申し立てたが、慣れない経験だったため、店を出てから震えてしゃがみ込んでしまった......と。それを副団長が慰めていたら、通りすがりの客に勘違いされ、通報された模様......と」
聞き取りした騎士が、ものすごーく気の毒そうな表情を浮かべて、調書に経緯を書き記していく。
セディは私の隣に座って、ブスッとした表情で惣菜パンをかじっていた。
「では、副団長からの申し立てで間違いないか、一応ゆい様に確認いたします。ゆい様は、本当に、副団長と同意の上でデートなさっておいでで?」
聞き取りの騎士様が私に向かって聞いて来たので返事する。
「はい」
「それで、副団長の申し立ての通りの経緯で、その......副団長とデパートの往来の中で抱き合っていた.....ということで間違い無いのですね?」
「だきっ......?! ちがうです!セディ、わたしをかくしてくれただけ、せなか、さすってくれただけ、です」
私はまるで人目も憚らずふたりでイチャついたみたいに書かれてはいけないと即座に否定しておいた。
するとセディが顔をほんのり赤くして、私に謝って来た。
「......ほんとごめんな、ゆい。俺、あの時思わず抱きしめてしまったけど、決して邪な気持ちでやったんじゃないんだ。ただ、ゆいがこんなに勇気出して庇ってくれたんだと思うと嬉しくて...... 俺なんかにひっつかれて、気持ち悪くなかったか?」
「きもちわるいわけない!ひとめから、かくしてくれたです。うれしい、ありがとです、セディ」
私は微笑んでセディにお礼を言った。
セディだったら、邪な気持ちだって、大歓迎だよ?
ふたりで見つめあっていると、聞き取りしていた騎士様まで赤くなり、もう1人の騎士様は言った。
「副団長、ゆい様の専属護衛になったのは本当だったんすね」
「えっ、まだ信じてくれていなかったのかよ?」
「す、すんません。頭ではそうかと思ってはいたんすが、感情が疑問に思ってました」
セディはチッと舌打ちをし、私と聞き取りの騎士様は苦笑した。
◇◇◇
聞き取り調査と昼食を終えた私たちは、仕切り直しでデートを楽しもうと馬車に乗り込んで動物園に向かった。
「ゆい、もっと美味しいお昼ご飯を奢るつもりだったのに、あんな惣菜パンなんかで済ませることになってすまなかった」
セディが今日、何度目になるか分からない謝罪の言葉を口にした。
セディは何にも謝ることなんてないのに切ないよ......。
「セディ、あやまらないで。いろいろあったけど、また、デパートに、つれていってくれるですか?」
「......ああ。もちろん。ゆいが嫌でなかったら、何度だって連れて行くよ」
「それじゃ、たくさんデートして、みんなにおぼえてもらお。そしたら、ゴカイ、されなくなる」
「......ああ。そうだな。......ありがとう」
「セディ、シャザイもオレイもいらないです。わたしだってセディといられて、うれしいですから」
「うん......でも、やっぱり、ありがとうって言いたいんだ」
「じゃ、わたしも。いっぱいありがとです、セディ」
私はセディのために、自分の中では最高の笑顔を作って見せた。
◇◇◇
その後私たちは動物園に到着し、仲良く園内を見て回った。
デパートとは違い、動物園は平民も多いせいか、私たちをあからさまにジロジロ見る人たちは少なかった。
動物は、前の世界と似たようなものが多かったけれど、やはり微妙に姿が違って、太っていたり痩せていたりして見えた。名前もゴリラがモニラだったり、キリンがトリンだったりと微妙に違っていた。
動物園を回る間、私とセディは拳一つ分の距離があり、手を繋ぐこともなく清い清いデートだった。
けれどセディはいつも私の安全を気にしてくれて、人とぶつかりそうになったりするとサッと肩を抱いて避けてくれたり、疲れた様子を見せると座らせてくれるなど、とても紳士に扱ってくれたので幸せだった。
私が座っている間に、セディが飲み物を買いに行ってくれたのだけれど、その間に知らない男の人たちにナンパされてしまった時も、セディはかっこ良く私を助けてくれた。
本当に素敵すぎて、私はまた、セディに惚れ直してしまったのだった。
私はお屋敷に帰ってから、ママさんにとても楽しかったと報告をしたのだけれど、服装が変わっていることについて尋ねられ、それに答えるとセディはママさんからぶっ飛ばされてしまった。
本当に本当に、セディは不憫すぎると思う。
その様子を見たお客たちがデパート内にいた職員に知らせ、職員が近くの派遣騎士を呼んだとのことだった。
「あ、あの......副団長......。申し訳ないのですが、通報があって出動したからには、調書、要りますよね......?」
「......分かっている。身内だからとうやむやにしては、何かあった時不味いからな」
近くの派出所に行く道中、お昼近かったこともあり、軽食を買い込み4人で派出所に戻った。
◇◇◇
「......で、ゆい様がお店の対応に苦情を申し立てたが、慣れない経験だったため、店を出てから震えてしゃがみ込んでしまった......と。それを副団長が慰めていたら、通りすがりの客に勘違いされ、通報された模様......と」
聞き取りした騎士が、ものすごーく気の毒そうな表情を浮かべて、調書に経緯を書き記していく。
セディは私の隣に座って、ブスッとした表情で惣菜パンをかじっていた。
「では、副団長からの申し立てで間違いないか、一応ゆい様に確認いたします。ゆい様は、本当に、副団長と同意の上でデートなさっておいでで?」
聞き取りの騎士様が私に向かって聞いて来たので返事する。
「はい」
「それで、副団長の申し立ての通りの経緯で、その......副団長とデパートの往来の中で抱き合っていた.....ということで間違い無いのですね?」
「だきっ......?! ちがうです!セディ、わたしをかくしてくれただけ、せなか、さすってくれただけ、です」
私はまるで人目も憚らずふたりでイチャついたみたいに書かれてはいけないと即座に否定しておいた。
するとセディが顔をほんのり赤くして、私に謝って来た。
「......ほんとごめんな、ゆい。俺、あの時思わず抱きしめてしまったけど、決して邪な気持ちでやったんじゃないんだ。ただ、ゆいがこんなに勇気出して庇ってくれたんだと思うと嬉しくて...... 俺なんかにひっつかれて、気持ち悪くなかったか?」
「きもちわるいわけない!ひとめから、かくしてくれたです。うれしい、ありがとです、セディ」
私は微笑んでセディにお礼を言った。
セディだったら、邪な気持ちだって、大歓迎だよ?
ふたりで見つめあっていると、聞き取りしていた騎士様まで赤くなり、もう1人の騎士様は言った。
「副団長、ゆい様の専属護衛になったのは本当だったんすね」
「えっ、まだ信じてくれていなかったのかよ?」
「す、すんません。頭ではそうかと思ってはいたんすが、感情が疑問に思ってました」
セディはチッと舌打ちをし、私と聞き取りの騎士様は苦笑した。
◇◇◇
聞き取り調査と昼食を終えた私たちは、仕切り直しでデートを楽しもうと馬車に乗り込んで動物園に向かった。
「ゆい、もっと美味しいお昼ご飯を奢るつもりだったのに、あんな惣菜パンなんかで済ませることになってすまなかった」
セディが今日、何度目になるか分からない謝罪の言葉を口にした。
セディは何にも謝ることなんてないのに切ないよ......。
「セディ、あやまらないで。いろいろあったけど、また、デパートに、つれていってくれるですか?」
「......ああ。もちろん。ゆいが嫌でなかったら、何度だって連れて行くよ」
「それじゃ、たくさんデートして、みんなにおぼえてもらお。そしたら、ゴカイ、されなくなる」
「......ああ。そうだな。......ありがとう」
「セディ、シャザイもオレイもいらないです。わたしだってセディといられて、うれしいですから」
「うん......でも、やっぱり、ありがとうって言いたいんだ」
「じゃ、わたしも。いっぱいありがとです、セディ」
私はセディのために、自分の中では最高の笑顔を作って見せた。
◇◇◇
その後私たちは動物園に到着し、仲良く園内を見て回った。
デパートとは違い、動物園は平民も多いせいか、私たちをあからさまにジロジロ見る人たちは少なかった。
動物は、前の世界と似たようなものが多かったけれど、やはり微妙に姿が違って、太っていたり痩せていたりして見えた。名前もゴリラがモニラだったり、キリンがトリンだったりと微妙に違っていた。
動物園を回る間、私とセディは拳一つ分の距離があり、手を繋ぐこともなく清い清いデートだった。
けれどセディはいつも私の安全を気にしてくれて、人とぶつかりそうになったりするとサッと肩を抱いて避けてくれたり、疲れた様子を見せると座らせてくれるなど、とても紳士に扱ってくれたので幸せだった。
私が座っている間に、セディが飲み物を買いに行ってくれたのだけれど、その間に知らない男の人たちにナンパされてしまった時も、セディはかっこ良く私を助けてくれた。
本当に素敵すぎて、私はまた、セディに惚れ直してしまったのだった。
私はお屋敷に帰ってから、ママさんにとても楽しかったと報告をしたのだけれど、服装が変わっていることについて尋ねられ、それに答えるとセディはママさんからぶっ飛ばされてしまった。
本当に本当に、セディは不憫すぎると思う。
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