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異世界の食事は美味しかった。
しおりを挟むとりあえず、お互いが名乗り合い、お茶を飲んだところで、セディさんがマリーさんに何か指示したみたいだ。
マリーさんが頷くと、セディさんは立ち上がり、にこりと笑って私に礼をし客間から出て行った。
マリーさんは私の手を取って、一緒に来るようにと誘導する。
階段を登り廊下を歩くとひとつの扉を開けた。
マリーさんは、私を指差し、部屋を指差す。
私の部屋だよって言ってるみたい。
私はありがとうの代わりにお辞儀をしてみせた。
マリーさんは笑顔になって、部屋に入っていく。私もついて行くと、トイレの場所や、お風呂場を見せてくれ、使い方をゼスチャーで教えてくれた。
トイレは洋式トイレみたいな形をしており、流す時は天井から垂らされた紐に付いた丸い石を引っ張ると流れるらしい。
お風呂場は浴槽がなく、シャワーだけみたいだ。
タンスから、服を取り出し、私に手渡してくる。
これに着替えて休めと?
私は頷いて受け取ると、マリーさんは食事を食べるゼスチャーをして、テーブルを指差した。
食事をここに持って来てくれるの?
私はマリーさんに、両手を合わせて拝むように感謝した。
マリーさんが退室した後、渡された洋服に着替えた。
ぽっちゃり体型の私に入るか不安だったけど、ふんわり広がったタイプのワンピースで、大抵の人には着られるデザインなので良かった。
だけど、こう言うデザインは、ますます太って見えるから恥ずかしい。
まるで妊婦さんみたいに見えるだろう。
私は借り物を着るより方法がないのだから仕方ない。
ちょうど溜息をついていた時、マリーさんが食事を持って戻って来た。
食事をテーブルに乗せ、温かいお茶を入れてくれる。
そして私に時計を見せて来た。
数字の形が違うけれど、12時間に区切られているので時間の概念は同じみたいだ。
今はちょうど1時のあたりを針が指しており、マリーさんが2時を指指して食事を指差した。
2時に食器を下げに来るってことだよね。
私は頷いて、また手を合わせて感謝を示した。
マリーさんが退室した後、私はもそもそと食事を始めた。
あまり食欲は湧かなかったが、いつまでこんな食事を食べさせてもらえるかも分からないし、食べられる時に食べとこう。
私はそう思って食べ始めたのだけど、意外と異世界料理は美味しくて、少しだけ元気が出たのだった。
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