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醜いイケメン騎士と王宮へ行きます⑴

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私が異世界に来て5日が経った。

私はローランド様に助けていただいて、第2騎士団でお世話になっています。

この世界は美醜感覚が元の世界と違うせいか、微妙な見た目の騎士様が多いのだけれど、みんな優しく接してくれて好感が持てるようになった。

ただ客人として食べさせてもらうのは嫌だと言って、お手伝いを申し出たところ、みなさん稀人にそんな事はさせられないと言うので、ローランド様に直談判して仕事をゲットした。

今はリサさんと一緒に洗濯物を干しているところだ。
「カスミ様、そろそろ訓練が始まりますわよ。急ぎましょう」

私は毎日楽しみにしている騎士様の訓練を見るため、一生懸命頑張って身体を動かした。



◇◇◇


仕事をひと段落終えて、急いで訓練所へやって来た。

「リサさん、間に合ったね。私はここで見てるから、訓練頑張って来てね」

私の護衛兼付き人のリサさんが訓練できないのも申し訳ないので、ローランド様に相談したところ、私が必ず訓練所にいるのを条件にリサさんを訓練に戻して良いと許可をもらった。

ローランド様ってば話がわかるし頼りになるわ~。私はますますファンになっておりマス。うふ。

今日もローランド様は華麗に銀の髪を揺らし、流れる水の如く、舞っているかのように剣をふるっておられます。
カッコいい……。

なんか仮面つけているのもカッコ良く見えてきた。
顔がすごく醜いなんて、こんなにカッコいいのに切ないよ……。

たとえ醜くても、人柄や雰囲気でそれなりにカッコよく見えるんじゃないかな、なんて想像している。
うん、想像するのはタダだ。

時々日本を思い出すけれど、案外楽しくこちらで暮らせている。これもローランド様やリサさん、騎士団の皆様のおかげ。

感謝です。

騎士団では今のところ大きな事件はないけれど、迷子が保護されたり、街の中で産気づいてしまった妊婦さんを産院に搬送したり、スリを捕まえたりしていた。

(迷子の女の子のお守りを手伝った。可愛かった)

極秘案件とかもあるみたいだけど、私は部外者なので教えてもらえない。隠密部隊とかあるんだろうか?
想像してワクワクする。

騎士様たちはみんなのヒーローです。治安維持をありがとうございます。


ぼんやり考え事しながら
ひとりで見学していると、あっと言う間に訓練が終了した。

「おまたせしました、カスミ様」

リサさんがシャワーを浴びて帰って来た。濡れた髪が色っぽい。

数は少ないけれど、女性騎士もいて、何故かみんな美人だ。眼福。

「お腹空きましたね、お昼ごはんに行きましょう」

私はあんまり動いてないけれど、リサさんのために食事に誘った。

ふたりで訓練所から出ようとした時、後ろからローランド様が声をかけて来た。

「カスミ、王宮から連絡が来た。2日後に出向くからそのつもりでいてくれ」


あー、ついに、やってきたかぁ。
緊張するなぁ。


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