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本編
46:真新しい物…では無かった
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『封印の魔道具』────最終日にその存在が明かされ、いよいよワールドクエストのクライマックスだと俄かに浮き足立つプレイヤー達。
「そんな隠し玉があったんだねー」
「だから多少強引にでも打って出てたんだな」
「つまり、奥の遺跡に出現するなんらかのレイドボスを倒すか封印するかで脅威を取り除ければ、このワールドクエストを達成出来るということか」
「そういうことっぽいねー」
ワールドクエスト発生から、もっと言うと発生するきっかけとなった情報整理の指名依頼から考えると、長かった一連のクエストもいよいよ大詰めということになる。
僕的には遺跡調査が1番骨が折れたので、もうそんな事もあったな、くらいの感覚だが。
そして、配信画面の向こうでは、最終確認を終えた攻勢組が奥の遺跡への移動を開始した。
攻勢組の歩みは順調だ。いや、順調すぎると言うべきか。結構な時間を歩いているが、獣型の1体も出て来ない。
僕達が調査に行った時も道中はこれと似たような状況だったなと思い返す。
“何も出て来なさすぎて逆にすげーフラグ感”
“まぁ、ボス戦まで消耗を抑えられると思えば”
“でも、獣型か普通の魔物でも出て来ないと、ダメージソースの鉄錆ニキがバフ積めなくね?”
“流石にワークエ最終ボス相手に事前のバフ積みはNPCであっても許されなかったか”
“そういや、バッファーっていないの? あのハープ持ってた奴とか”
“あの人は防衛組に残ってたよ。他のバッファーは?”
“そもそもパーティ組んでない奴にはバフかかんねーよ”
“まぁ、NPCも鼓舞とか持ってるでしょ。っつーか、俺達より基本強いから大丈夫じゃん?”
そうか、敵が1体もいないとなると、称号効果のバフが積めないのか。こういう場合は、今見てる配信者の連撃コンボで積めるバフの方が使い勝手が良いように思える。それぞれの上昇率が分からないから、正確な比較は出来ないが。
「うーん、あんまり何も起こらないね。ちょっと退屈かなぁ」
また今日も買ってきた軽食をもりもり食べながらあぬ丸が言う。
「防衛組の方にはチラホラ魔物が来ているのに不思議だな」
「モヤモヤから出て来るのが分かったから、こっちの近くで実体化してるのかもねー」
そう、防衛組の方はこの2日と同じように魔物が襲いかかってきている。ただ、関所解放時のアナウンスの通り、数や勢いはかなり落ちているようだ。
「あとどれくらいかかるんだろー」
「僕の予想している場所に向かっているなら、普通に数時間かかる距離だな」
「遠っ!」
「まぁ、“奥”って言ってたしな……」
「そういえば、遺跡情報をまとめていたら、付近に残っていた動物と魔物の情報があったんだが、暇なら読むか?」
「「読む!」」
遺跡周辺の動物と魔物に関する資料をそれぞれ生成して2人に渡した。僕も《編纂》しながら配信を流し見することにする。
*
「おっ! やっと目的地に着いたっぽいよー!」
「む」
いつの間にかすっかり集中してしまったのか、あぬ丸の声で我に返って顔を上げる。
────やはり。
「あの遺跡か……」
そこにあったのは巨大な黒いもやが渦巻いていて見えづらいが、建物のシルエットから間違いなく未発見の空間があったあの遺跡だった。
“いつ形を成してもおかしくないな……”
“魔道具の準備を急げ!”
“おう!”
お、いよいよ封印の魔道具を見れるのか。これはちょっと《解析》してみたい。
攻勢組の中心となっている傭兵達が取り出したそれは、仄かに青緑みがかった石だった。石には何か文字のような物が刻まれている。
……何か刻まれている文字に見覚えがあるような……。
[鎮めの結界石]
特別な意味が込められた文字を大量に溶かして作られた石。
この石を用いて囲むことで、狂った魔物を鎮める効果のある領域が作られる。
6つ用いた場合は《封印》を発動することが出来る。
使用回数:1/1
耐久力:A
品質:A
分類:魔道具
効果:狂った魔物の鎮静(大)、《封印》
素材:鎮め札(999)、魔石(大)
製作技能:《錬金術》
製作者:ジェフリー
……インベントリ1枠の上限いっぱいの鎮め札を溶かした物だったらしい。全く知らない情報を知れるかと少し楽しみにしていたのに、蓋を開けてみれば8割方知っている情報というか、ほとんど僕が卸した物が使用されているというか……。
1番の新情報といえば、素材として使われると隠蔽した情報の手がかりがほとんど消えるということだろうか。本気で隠蔽したかったら、中間素材などに仕込んで誰かに生産してもらうのがいいのかもしれない。
…………いや、僕は別に生産職じゃないので、そんな機会がこれからもあるのかは分からないが。
あと、耐久力や品質がとても上がっているが、これは《錬金術》を行った製作者の腕が良いからだろうか?「ジェフリー」という人物に心当たりは無いが。
今までの《解析》の仕様からいって、製作者欄は僕が知らないと「???」となっていたのだが……レベルが上がったことで、知らない人物でも表示されるようになったのだろうか。
そんなことを考えている間にも、迅速に結界石の設置が完了したようだ。
そして設置完了とほぼ同時に、黒いもやが急速に動き出す。しかし、何故か遺跡に引っ込んでいってしまった。
かに思えたが────。
ドゴオオオオオオオンッ!!!!
轟音と共に遺跡の壁が吹き飛ばされ、ガラガラと崩れていく。土煙が立ち込め、視界が悪い。
やがて一陣の風が吹き、土煙を晴らしていく。
そこに現れたのは、トロル型のようなシルエットに見えるがトロル型よりもさらに大きく見える。そして差異は他にも……腕の先のシルエットに違和感があり目を凝らすと、それは────。
“グルアアアアアッ!!!”
“グルガアアアッ!!!”
“グオオオオオオオッ!!!”
両腕の先が獣型になっていた。そして、その頭はどう見ても独自に動いて咆哮している。また、トロル型の脅威であった、腹の口もしっかりと存在していた。
[狂った魔物・獣腕のトロル型]
永劫に癒えない飢えの為に常に命を求め、命を貪る。
形が変われども、行動原理は変わらない。
完全に息絶えるまで止まらない為、非常に危険。
《渇き》により多くの命を食らう為の変化が起こった。
腹と腕の口から放たれる咆哮は《恐怖》《錯乱》状態になることがある。
分類:魔物
生息地:-
属性:無
弱点:聖属性
素材:魔石(大)
状態:-
特殊効果:《惑い》《渇き》
《渇き》
奪えども奪えども癒えない。もっと奪わなければ。
《解析》結果からの推察になるが、形態の変化は特殊効果に《渇き》が追加されたから、だろうか? 名前からもベース自体はトロル型であることが窺える。
そしてその《渇き》の詳細だが……文面がまた他のものとも違うというか、魔物自身の考えていることのようにも思える。
この戦いの間に情報を前線に伝えることは出来ないだろうが、一応また《編纂》で書面化しておく。
「うわぁ、今までの総決算!って感じの見た目だねー!」
「体力は変わってないけど、攻撃力と……俊敏さが上がってそうか?」
僕が《解析》結果に気を取られている間に、獣腕のトロル型が攻勢組を捕捉し、目の前の命全てを平らげようと動き出したようだ。
しかし、一歩踏み出せばそこは、仕掛けた結界の領域だ。
キイイイイィィィィン
“グオオォォ……?”
“グル……”
“グルル……”
獣腕のトロル型が足を踏み入れたのに反応してか、結界の内側が淡く光り、効果が発動されたのが分かる。
それと共に、登場した時の激しさが嘘のように動きが緩慢になり、敵意も薄れたように見える。なるほど、確かに鎮め札単体よりも遥かに効力がある。
“今だ! かかれーーー!!!”
“おおおおお!!!”
結界の効力発動を確認した後、攻勢組に号令がかかり、次々に攻撃を仕掛けていく。
ユヌ防衛戦のおそらく、最後の戦いが始まった。
「そんな隠し玉があったんだねー」
「だから多少強引にでも打って出てたんだな」
「つまり、奥の遺跡に出現するなんらかのレイドボスを倒すか封印するかで脅威を取り除ければ、このワールドクエストを達成出来るということか」
「そういうことっぽいねー」
ワールドクエスト発生から、もっと言うと発生するきっかけとなった情報整理の指名依頼から考えると、長かった一連のクエストもいよいよ大詰めということになる。
僕的には遺跡調査が1番骨が折れたので、もうそんな事もあったな、くらいの感覚だが。
そして、配信画面の向こうでは、最終確認を終えた攻勢組が奥の遺跡への移動を開始した。
攻勢組の歩みは順調だ。いや、順調すぎると言うべきか。結構な時間を歩いているが、獣型の1体も出て来ない。
僕達が調査に行った時も道中はこれと似たような状況だったなと思い返す。
“何も出て来なさすぎて逆にすげーフラグ感”
“まぁ、ボス戦まで消耗を抑えられると思えば”
“でも、獣型か普通の魔物でも出て来ないと、ダメージソースの鉄錆ニキがバフ積めなくね?”
“流石にワークエ最終ボス相手に事前のバフ積みはNPCであっても許されなかったか”
“そういや、バッファーっていないの? あのハープ持ってた奴とか”
“あの人は防衛組に残ってたよ。他のバッファーは?”
“そもそもパーティ組んでない奴にはバフかかんねーよ”
“まぁ、NPCも鼓舞とか持ってるでしょ。っつーか、俺達より基本強いから大丈夫じゃん?”
そうか、敵が1体もいないとなると、称号効果のバフが積めないのか。こういう場合は、今見てる配信者の連撃コンボで積めるバフの方が使い勝手が良いように思える。それぞれの上昇率が分からないから、正確な比較は出来ないが。
「うーん、あんまり何も起こらないね。ちょっと退屈かなぁ」
また今日も買ってきた軽食をもりもり食べながらあぬ丸が言う。
「防衛組の方にはチラホラ魔物が来ているのに不思議だな」
「モヤモヤから出て来るのが分かったから、こっちの近くで実体化してるのかもねー」
そう、防衛組の方はこの2日と同じように魔物が襲いかかってきている。ただ、関所解放時のアナウンスの通り、数や勢いはかなり落ちているようだ。
「あとどれくらいかかるんだろー」
「僕の予想している場所に向かっているなら、普通に数時間かかる距離だな」
「遠っ!」
「まぁ、“奥”って言ってたしな……」
「そういえば、遺跡情報をまとめていたら、付近に残っていた動物と魔物の情報があったんだが、暇なら読むか?」
「「読む!」」
遺跡周辺の動物と魔物に関する資料をそれぞれ生成して2人に渡した。僕も《編纂》しながら配信を流し見することにする。
*
「おっ! やっと目的地に着いたっぽいよー!」
「む」
いつの間にかすっかり集中してしまったのか、あぬ丸の声で我に返って顔を上げる。
────やはり。
「あの遺跡か……」
そこにあったのは巨大な黒いもやが渦巻いていて見えづらいが、建物のシルエットから間違いなく未発見の空間があったあの遺跡だった。
“いつ形を成してもおかしくないな……”
“魔道具の準備を急げ!”
“おう!”
お、いよいよ封印の魔道具を見れるのか。これはちょっと《解析》してみたい。
攻勢組の中心となっている傭兵達が取り出したそれは、仄かに青緑みがかった石だった。石には何か文字のような物が刻まれている。
……何か刻まれている文字に見覚えがあるような……。
[鎮めの結界石]
特別な意味が込められた文字を大量に溶かして作られた石。
この石を用いて囲むことで、狂った魔物を鎮める効果のある領域が作られる。
6つ用いた場合は《封印》を発動することが出来る。
使用回数:1/1
耐久力:A
品質:A
分類:魔道具
効果:狂った魔物の鎮静(大)、《封印》
素材:鎮め札(999)、魔石(大)
製作技能:《錬金術》
製作者:ジェフリー
……インベントリ1枠の上限いっぱいの鎮め札を溶かした物だったらしい。全く知らない情報を知れるかと少し楽しみにしていたのに、蓋を開けてみれば8割方知っている情報というか、ほとんど僕が卸した物が使用されているというか……。
1番の新情報といえば、素材として使われると隠蔽した情報の手がかりがほとんど消えるということだろうか。本気で隠蔽したかったら、中間素材などに仕込んで誰かに生産してもらうのがいいのかもしれない。
…………いや、僕は別に生産職じゃないので、そんな機会がこれからもあるのかは分からないが。
あと、耐久力や品質がとても上がっているが、これは《錬金術》を行った製作者の腕が良いからだろうか?「ジェフリー」という人物に心当たりは無いが。
今までの《解析》の仕様からいって、製作者欄は僕が知らないと「???」となっていたのだが……レベルが上がったことで、知らない人物でも表示されるようになったのだろうか。
そんなことを考えている間にも、迅速に結界石の設置が完了したようだ。
そして設置完了とほぼ同時に、黒いもやが急速に動き出す。しかし、何故か遺跡に引っ込んでいってしまった。
かに思えたが────。
ドゴオオオオオオオンッ!!!!
轟音と共に遺跡の壁が吹き飛ばされ、ガラガラと崩れていく。土煙が立ち込め、視界が悪い。
やがて一陣の風が吹き、土煙を晴らしていく。
そこに現れたのは、トロル型のようなシルエットに見えるがトロル型よりもさらに大きく見える。そして差異は他にも……腕の先のシルエットに違和感があり目を凝らすと、それは────。
“グルアアアアアッ!!!”
“グルガアアアッ!!!”
“グオオオオオオオッ!!!”
両腕の先が獣型になっていた。そして、その頭はどう見ても独自に動いて咆哮している。また、トロル型の脅威であった、腹の口もしっかりと存在していた。
[狂った魔物・獣腕のトロル型]
永劫に癒えない飢えの為に常に命を求め、命を貪る。
形が変われども、行動原理は変わらない。
完全に息絶えるまで止まらない為、非常に危険。
《渇き》により多くの命を食らう為の変化が起こった。
腹と腕の口から放たれる咆哮は《恐怖》《錯乱》状態になることがある。
分類:魔物
生息地:-
属性:無
弱点:聖属性
素材:魔石(大)
状態:-
特殊効果:《惑い》《渇き》
《渇き》
奪えども奪えども癒えない。もっと奪わなければ。
《解析》結果からの推察になるが、形態の変化は特殊効果に《渇き》が追加されたから、だろうか? 名前からもベース自体はトロル型であることが窺える。
そしてその《渇き》の詳細だが……文面がまた他のものとも違うというか、魔物自身の考えていることのようにも思える。
この戦いの間に情報を前線に伝えることは出来ないだろうが、一応また《編纂》で書面化しておく。
「うわぁ、今までの総決算!って感じの見た目だねー!」
「体力は変わってないけど、攻撃力と……俊敏さが上がってそうか?」
僕が《解析》結果に気を取られている間に、獣腕のトロル型が攻勢組を捕捉し、目の前の命全てを平らげようと動き出したようだ。
しかし、一歩踏み出せばそこは、仕掛けた結界の領域だ。
キイイイイィィィィン
“グオオォォ……?”
“グル……”
“グルル……”
獣腕のトロル型が足を踏み入れたのに反応してか、結界の内側が淡く光り、効果が発動されたのが分かる。
それと共に、登場した時の激しさが嘘のように動きが緩慢になり、敵意も薄れたように見える。なるほど、確かに鎮め札単体よりも遥かに効力がある。
“今だ! かかれーーー!!!”
“おおおおお!!!”
結界の効力発動を確認した後、攻勢組に号令がかかり、次々に攻撃を仕掛けていく。
ユヌ防衛戦のおそらく、最後の戦いが始まった。
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