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#骨法とは何か
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2022年12月9日。
佐野和哉は何故、名古屋で丸一日過ごしていたのか?
(おっ、増田俊也さんの本みたいだ)
それは、このイベントに参加するため。
骨法とは何か?
私は正直、そこまで詳しく知らない。
小学4年ぐらいの時、アントニオ猪木さんが引退した。その時期に出たプレイステーション用のプロレス対戦格闘ゲーム、闘魂烈伝3のデカい筐体が駅前のゲームセンター「キャロット」に置いてあって。
そこで獣神サンダーライガーさんを使って遊んでた時に出た
アッパー掌打
なる打撃技が、動作と名前の分かりやすさで友人同士の間でちょっと流行った。
これが最初。
それから浴びせ蹴りとかダッシュして串刺し掌打とか、ライガーさんの使う普通のキックや、パンチでも掌底でもないあの技が骨法という格闘技のものであると知り。
同時期にハマってた餓狼伝説のアンディ・ボガードも骨法の使い手とされていて。
意外と身近なところに骨法は存在していたのである。
時は流れ。
Twitterで知り合った漫画家のペンダフさん、プロレスライターのジャスト日本さん、元格闘家で小説も書いているBodyさんと、それぞれに交流をしていて。
3人が3人ともプロレスを題材にした作品や、選手に取材して出版された書籍があり。
それらも読みつつ、日ごろから良くも悪くも突っ込みどころのあるネタを蒸し返したり、無理な拡大解釈をしたり、時には真面目に語ったりしていた。いつか会って話をしてみたいですね、なんて言いつつ過ごして居たら。
まさか3人が3人とも、それも名古屋は栄にあるライブバー、金色鮫(コンジキザメ)さんに集結する日が来るとは。
金色鮫さんは私もイベントに出させて頂いたり、別のイベントを見に行ったりして馴染みのある場所だし、ここしかない!と思って。その結果が、この1日の出来事で3つも日記が書けるほど濃密な1日となったわけで。
ぶっちゃけて言えばイベントの内容よりも、御三方と店長のイクヤさんに会いたかったのです。
骨法とは何か?
なんでもいい。面白いというか、胡散臭いというか、ちゃんと日本格闘技界の歴史や他ジャンルの文化にも名を遺したものであるにもかかわらず、どうにも掴みどころがなくツッコミどころは満載。
昭和という浄化されていない世の中のコクとかアクとかがまだ社会に沈澱出来ていた頃の話は本当に面白い。今になって聞くぶんには。
詳しい内容はイベントに参加した人や、次回の続編的イベント(2023年1月7日に、大阪・なんば紅鶴さんで開催されるそうな)もあるのでここでは控えるけれど、聞いてる分には本当に興味深いし面白いし、けど当事者だったら堪ったもんじゃねえなコレ。と思うことがいっぱいありました。
好奇心と限りない愛着を持ってイベントを進めるペンダフさん。
数々の取材で培った知識と素朴な疑問を挟んでトークを支えるジャスト日本さん。
そして当時のイベントに現地で参加したことや、ご自身の格闘生活での経験から解説を加えるBodyさん。
この三者三様のバランスの良さと、それを補ってぶち壊すペンダフさんの骨法LOVEが妙味と言えるイベントでした。
進行が押すとか、コーナーを巻くとか、そういうのはまあインディープロレスとか場末のライブを見てれば日常茶飯事なので気にもならないが、せっかく読んでたパワポの資料を無意識なのかマウスで上下されたのだけが、ちょいと不親切に感じたかな……。
あとはもう進行中でもお客から突っ込み、ヤジ、相槌自由というランバージャック形式で。最前列左端に居たお客さんは異様に詳しいし、最前列右端は社長さんだったし(何故か私も名刺を頂きTwitterを相互フォローのうえ当日のお写真も送って頂きました。今回、使わせて頂いたのがそれです。服部さんありがとうございます)。私も古い書籍の実物が出て来た時は
「あるんかい……!」
と思わず声に出た。そんな風に和気藹々としつつ話題はあくまでマニアックである、という、ある意味で異様なイベントだった。
でも、終わって見ればあの「雰囲気自体は明るくて、ぜんぜん陰湿じゃない」のが本当に良かったと思います。あれがネチネチしていると、悪口や誹謗中傷みたいになりかねない。
でも、どこまでも明るく、実体験と資料と愛着を持って歴史の紐解きと突っ込みを楽しんでゆくというスタンスが、私にはちょうど良かったです。
ネット上でもプロレスなりレスラーなりをネタにすることってあって。でも、それにだって限度というものがあって。
前にも書いたけど、自分は多分そこの線引きが、他の素直にそれを楽しんでる人からすると物凄くめんどくさいところにあって。
自分の根性の無さと諦めの悪さが原因だと百も承知で言うけど、受け身の一つも取らんでプロレスが出来るとかわかるとか、どっかの本(T島社とか)で見たような用語だけ振り回してんじゃねえぞ!と。
なので、こういう話題だと猶更、陰湿に重箱の隅を楊枝で突くような真似をしようと思えば何処までも出来てしまう。それでネチネチして、ニソニソ笑って2時間終わったら私は口も利かずに帰ったと思う。でも、骨法のここが凄いよね、ちゃんと凄い人も強い人もいて、先見性を発揮した時もあって、なぜ骨法が一時期とはいえメディアに乗って世間を巻き込めたか、そういうハナシも出て来て。それらは結局上手く行かないまま堀部正史さんは亡くなられてしまった。
そこまでの足跡を追いつつカラっとまとまったのがとても楽しく、豊かな時間を過ごせたのが嬉しかった。
昭和という良くも悪くも不便で難儀な時代だったからこそ狂い咲くことの出来たあだ花というのは、きっとあの時分もっと色んな分野に存在していたのだろうし、その一人が堀部正史さんだったんじゃないかなあ。
終わって漸く御三方に挨拶が出来まして、感動のご対面。
かれこれ数年越しなので感慨もひとしおでした。
思えばジャスト日本さんは特に、書いた文章を読んでいるから話をしたことはある気がするけど声を聴いたことがなくて。例えていうなら漫画がアニメになった時みたいに、本人の声を聴いて不思議な感じになるという体験を久しぶりにしました。
それと終わった後で私の正体が露見した時、それまであまり話さなかった金髪ショートカットのお姉さんがルチャリブレの大ファンという方で。偉そうに講釈たれてすみませんでした。でも新しいルチャリブレの話が出来る人が急に現れて嬉しかったです。お名前も聞かず失礼いたしました。
もしこれをご覧になられてましたらご一報くださいませ。
最近、Cafe福さんと今回のお姉さんと、ルチャリブレの話が出来る人と出会えてうれしいなあ。
イベント内でも話されていたように、まだまだわからないことが沢山ある。
掘り尽くしたと思ったはずの土壌から、まだ何が出て来るかわからないのが遡るマニアの楽しみ。新発見と新情報、新解釈に期待しつつ。
プロレスや創作の込み入った話なんかは、是非BRSさんで…!
ペンダフさん、ジャスト日本さん、Bodyさんありがとうございます。お疲れ様でした。
そしてイクヤさん、あのあと無事に連絡先を交換出来ました。ありがとうございます(私信)。
佐野和哉は何故、名古屋で丸一日過ごしていたのか?
(おっ、増田俊也さんの本みたいだ)
それは、このイベントに参加するため。
骨法とは何か?
私は正直、そこまで詳しく知らない。
小学4年ぐらいの時、アントニオ猪木さんが引退した。その時期に出たプレイステーション用のプロレス対戦格闘ゲーム、闘魂烈伝3のデカい筐体が駅前のゲームセンター「キャロット」に置いてあって。
そこで獣神サンダーライガーさんを使って遊んでた時に出た
アッパー掌打
なる打撃技が、動作と名前の分かりやすさで友人同士の間でちょっと流行った。
これが最初。
それから浴びせ蹴りとかダッシュして串刺し掌打とか、ライガーさんの使う普通のキックや、パンチでも掌底でもないあの技が骨法という格闘技のものであると知り。
同時期にハマってた餓狼伝説のアンディ・ボガードも骨法の使い手とされていて。
意外と身近なところに骨法は存在していたのである。
時は流れ。
Twitterで知り合った漫画家のペンダフさん、プロレスライターのジャスト日本さん、元格闘家で小説も書いているBodyさんと、それぞれに交流をしていて。
3人が3人ともプロレスを題材にした作品や、選手に取材して出版された書籍があり。
それらも読みつつ、日ごろから良くも悪くも突っ込みどころのあるネタを蒸し返したり、無理な拡大解釈をしたり、時には真面目に語ったりしていた。いつか会って話をしてみたいですね、なんて言いつつ過ごして居たら。
まさか3人が3人とも、それも名古屋は栄にあるライブバー、金色鮫(コンジキザメ)さんに集結する日が来るとは。
金色鮫さんは私もイベントに出させて頂いたり、別のイベントを見に行ったりして馴染みのある場所だし、ここしかない!と思って。その結果が、この1日の出来事で3つも日記が書けるほど濃密な1日となったわけで。
ぶっちゃけて言えばイベントの内容よりも、御三方と店長のイクヤさんに会いたかったのです。
骨法とは何か?
なんでもいい。面白いというか、胡散臭いというか、ちゃんと日本格闘技界の歴史や他ジャンルの文化にも名を遺したものであるにもかかわらず、どうにも掴みどころがなくツッコミどころは満載。
昭和という浄化されていない世の中のコクとかアクとかがまだ社会に沈澱出来ていた頃の話は本当に面白い。今になって聞くぶんには。
詳しい内容はイベントに参加した人や、次回の続編的イベント(2023年1月7日に、大阪・なんば紅鶴さんで開催されるそうな)もあるのでここでは控えるけれど、聞いてる分には本当に興味深いし面白いし、けど当事者だったら堪ったもんじゃねえなコレ。と思うことがいっぱいありました。
好奇心と限りない愛着を持ってイベントを進めるペンダフさん。
数々の取材で培った知識と素朴な疑問を挟んでトークを支えるジャスト日本さん。
そして当時のイベントに現地で参加したことや、ご自身の格闘生活での経験から解説を加えるBodyさん。
この三者三様のバランスの良さと、それを補ってぶち壊すペンダフさんの骨法LOVEが妙味と言えるイベントでした。
進行が押すとか、コーナーを巻くとか、そういうのはまあインディープロレスとか場末のライブを見てれば日常茶飯事なので気にもならないが、せっかく読んでたパワポの資料を無意識なのかマウスで上下されたのだけが、ちょいと不親切に感じたかな……。
あとはもう進行中でもお客から突っ込み、ヤジ、相槌自由というランバージャック形式で。最前列左端に居たお客さんは異様に詳しいし、最前列右端は社長さんだったし(何故か私も名刺を頂きTwitterを相互フォローのうえ当日のお写真も送って頂きました。今回、使わせて頂いたのがそれです。服部さんありがとうございます)。私も古い書籍の実物が出て来た時は
「あるんかい……!」
と思わず声に出た。そんな風に和気藹々としつつ話題はあくまでマニアックである、という、ある意味で異様なイベントだった。
でも、終わって見ればあの「雰囲気自体は明るくて、ぜんぜん陰湿じゃない」のが本当に良かったと思います。あれがネチネチしていると、悪口や誹謗中傷みたいになりかねない。
でも、どこまでも明るく、実体験と資料と愛着を持って歴史の紐解きと突っ込みを楽しんでゆくというスタンスが、私にはちょうど良かったです。
ネット上でもプロレスなりレスラーなりをネタにすることってあって。でも、それにだって限度というものがあって。
前にも書いたけど、自分は多分そこの線引きが、他の素直にそれを楽しんでる人からすると物凄くめんどくさいところにあって。
自分の根性の無さと諦めの悪さが原因だと百も承知で言うけど、受け身の一つも取らんでプロレスが出来るとかわかるとか、どっかの本(T島社とか)で見たような用語だけ振り回してんじゃねえぞ!と。
なので、こういう話題だと猶更、陰湿に重箱の隅を楊枝で突くような真似をしようと思えば何処までも出来てしまう。それでネチネチして、ニソニソ笑って2時間終わったら私は口も利かずに帰ったと思う。でも、骨法のここが凄いよね、ちゃんと凄い人も強い人もいて、先見性を発揮した時もあって、なぜ骨法が一時期とはいえメディアに乗って世間を巻き込めたか、そういうハナシも出て来て。それらは結局上手く行かないまま堀部正史さんは亡くなられてしまった。
そこまでの足跡を追いつつカラっとまとまったのがとても楽しく、豊かな時間を過ごせたのが嬉しかった。
昭和という良くも悪くも不便で難儀な時代だったからこそ狂い咲くことの出来たあだ花というのは、きっとあの時分もっと色んな分野に存在していたのだろうし、その一人が堀部正史さんだったんじゃないかなあ。
終わって漸く御三方に挨拶が出来まして、感動のご対面。
かれこれ数年越しなので感慨もひとしおでした。
思えばジャスト日本さんは特に、書いた文章を読んでいるから話をしたことはある気がするけど声を聴いたことがなくて。例えていうなら漫画がアニメになった時みたいに、本人の声を聴いて不思議な感じになるという体験を久しぶりにしました。
それと終わった後で私の正体が露見した時、それまであまり話さなかった金髪ショートカットのお姉さんがルチャリブレの大ファンという方で。偉そうに講釈たれてすみませんでした。でも新しいルチャリブレの話が出来る人が急に現れて嬉しかったです。お名前も聞かず失礼いたしました。
もしこれをご覧になられてましたらご一報くださいませ。
最近、Cafe福さんと今回のお姉さんと、ルチャリブレの話が出来る人と出会えてうれしいなあ。
イベント内でも話されていたように、まだまだわからないことが沢山ある。
掘り尽くしたと思ったはずの土壌から、まだ何が出て来るかわからないのが遡るマニアの楽しみ。新発見と新情報、新解釈に期待しつつ。
プロレスや創作の込み入った話なんかは、是非BRSさんで…!
ペンダフさん、ジャスト日本さん、Bodyさんありがとうございます。お疲れ様でした。
そしてイクヤさん、あのあと無事に連絡先を交換出来ました。ありがとうございます(私信)。
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