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36歳記念エッセイ

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この記事(キッドさんといっしょ。)はご覧いただく人によってエッセイと呼ばれたりブログと呼ばれたり日記を言われたり色々で…どれがどう違うのかよくわからないけど、椎名誠さんにあやかってエッセイと言い張ることにした。

毎度ご覧いただきありがとうございます。7月18日はお誕生日。おめでとう私。
36歳、干支を三周しました。一周目の途中で何べんもくたばってやろうと思ったし、そうじゃなければ殺されると本気で思っていた、何度も危ない瞬間があったので、まあ良く生きたなと。死にたくなるようなことは相変わらず大なり小なり色々あるけど、マジで命の危険を感じたことは、アレ以来滅多に無いので幸せな人生なのかも知れない。

少なくとも、家に帰って不機嫌な拳や罵詈雑言が飛んでくることは無いし、テニスのラケットで眠くなるまでボコ殴りにされることもないし……。

劣等感や被害妄想、実際にうだつが上がらない現状なんかを夜中に突然ずーんと思い起こしてどうにかなりそうなときもあるけど、まあだからといって何もせず。
働いて文章を書いて、時々お出かけして遊んでもらっています。

自分より年下のプロスポーツ選手や有名人が増えて、ネットを通じて知り合った人でも若くて大変そうで頑張ってる人や生きづらそうな人、私と似たような何かを抱えている人と出会うことが増えて。
たぶん青いスーツに髪の毛を刈り上げてクルーザーで集合写真を撮って、それに費やしたカネをサラ金に返すのに四苦八苦してるような連中とか、フツーに仕事して地域や職場や有名人や政治家の悪口言ってるような連中とか、色んな生き方があるなかで(もっとマトモで愉快な人生もあるだろ)辛いこともキツいことも、痛い目にあったこともあったけど今でもどうにか楽しみを見つけたり、夢や目標や好きな人に巡り合ったり、そうやって生きられている人が私は好きだし、なんか老婆心みたいのが芽生えかかっているんだろうな。

危険な兆候だ。老害の第一歩であり大(きな)一歩だ。こういう造語を使い始めた時点で結構な手遅れだ。縛り首にしろ。ギューーー!

よし、死んだな。36歳肥満児、生まれ変わって続きを書くけども。

自分が散々な目に遭って生きて来て、だけどそれなりに夢があったり、好きな道があったり、好きな人も居たし、家には屋根も壁もあるし……。
お誕生日を無事に迎えて、しかもこのあと回転寿司を食べに行くので機嫌がいいのか、今はそんなに辛かったとか、この先どうしようとか、あまり書いてるうちの言葉には出て来ない。

ほとんど脳直(ノーチョク。レコチョクじゃないぞ)で書いている言葉たちなので、今こうして指先から出て来ないってことは案外ちょっとイケる気分なのかも知れない。
夜勤明けで、しかも仮眠でロクに眠れずアレな汁が出ているだけかも知れないが…。

沢山の人に迷惑をかけて、情けをかけてもらって、なんかちょっとでも楽しんでもらえたり、その場で笑ってもらえたりすればいいなと思って、それでもダメで嫌われたり、あることないこと書かれたり言われたりして生きてきたし、多分これからもそんな奴がたまには出て来るのだろう。

お世話になった人や、お互いに好きでいられた人、自分が好きでよかったと思えるような人、可愛がってくれる人、そう言う人たちのことだけ思い出して、また出会えるように頑張って生きて行こうと思う。感謝やヒトの有難み、繋がりの大切さは、言わなくても生きてれば自然と湧き出るし、それに気づいて改めて一息ついて考えたり感じこんだりするのが大事なんだな。
こういうことを日ごろから声高に言う奴も危ないが、ダメなままどっか行っちゃった人もいるので…自分も気をつけなくてはと、失敗するたびに思ってはいる。上手くいったためしはない。

何だか色んなことがあっという間に起こって、通り過ぎて、はるか昔の話になってしまったようで。4年や5年も会ってない人や、10年越しに漸く顔を合わせた人もいて。
あれから何年になるのか、もう何年も経ったのか、うわ!うわ!!なんてなことを言ってばかりいる。

だけど私は、万が一もっと長生きしてジジイになったら、周りが誰も知らないのをいいことにホラを吹きまくり、近所のガキにケツを蹴られるタイプの愉快なポンコツ老人になろうと思っているので、この調子でジジイになっていくのも悪くないのかも知れない。
30歳を超えた辺りから考え方が明らかに変わって来たし、それでも根本的なところが何も変わってなかったり、成長や改善がなかったりと、凹むこともありつつ自分を鑑みること自体が増えてきた。
イジけて心のSolitary shellに閉じこもるのではなく、なんとなく「こんなもんだろう」とか思うようになってきた。

さっきも書いたけど、子供の頃、本当に死ぬ寸前までボコられて罵倒され嘲笑され続けて育ったからなのか、生まれつき性根がそもそもアレなのか知らないが根は結構暗くて、好きになると執着や未練が沸いて、結果それで自爆して来た。どうにも他人の顔色や心持が気になって仕方がなく、全然気にしてないことまでコッチが気にして既成事実みたいにしてしまう。悪い癖だが、好きな人、好きになれた人から嫌われるのが怖くて仕方がない。

反面、興味が沸けばどこにでも行くし、色んな人に会うのも、知らない人に会うのも、全然平気だ。つくづくムシの良いときはとことん良くて、ダメなときは死ぬほどダメなのだ。

今こうして文章を書いて居られて本当に良かったと、二つの意味で思う。
ひとつは怪我で格闘技が出来なくなっても塞ぎ込まず、むしろ塞ぎ込んでいた時間すら使ってこうして書き物をして、みんなに見てもらうことで自分を保つことが出来ていること。
もうひとつは、文字通り生きてくだらねえこと書いてられてホントに良かったということ。

私が書いている小説に出て来る、殴られてダメージを受けた描写がとてもリアルで、眼で見た動きや感じた痛みそのものを書いている、と言ってくれた人が居た。その小説は怪談話なんだけど、人間の暴力性とかアブナイところなんかもバンバン書いている。
でその殴られてる描写、ダメージの感触は、ほとんど実体験だ。自分の中で永遠に消えずに、ずっと再生され続けるVTRが資料になっている。

あれは本当にちょっとやそっとじゃ消えないし、消せないし、他のことで忘れられないのならせめて気を紛らわしていないと、どうにかなってしまうと思う。
だから、子供の頃に辛かったって人の話は出来ればお聞きしたいし、辛いことを思い出してしまったときに私と話して気が紛れたり、何か読んで少しでもためになったり、そんなこともあればいいな、と思っている。

親に感謝するのも、人との繋がりを有難がるのも、絆も美徳もおもてなしも、全部そいつ自身の匙加減ってものがある。ブラックコーヒーにお砂糖を入れないのと同じで、親に感謝しない人生だってある。そしてそれが決して悪いと決まっているわけでもない。
辛いことがあった人には、自分で自分を保ち続けて出来上がった生きるための「型」がある。それを無理に自分の手柄として変化させたり上書きさせようって奴は間違いなく詐欺かペテンかカルトか、そのどれかのエサだ。

私は私として生きるしかなく、他人様は他人様で私がその人を好こうが嫌おうが、やはり勝手に生きているのだ。この地球上に何億人もワラワラと存在する有機物の塊が、意思とやらを持ってカラダを動かして出会い、楽しみ、たまには別れて寂しがる。とても面白い。

37歳は椎名誠さんが、さらば国分寺書店のオババ、でデビューした年だ。
椎名さんだって37歳だった、と思っていた37歳が目前に迫っている。なんとか私も、再び自分の作品を世に出したいと思って四苦八苦したり悪戦苦闘したり七転八倒している(転がってばかりじゃないか)。
それ以外にも、仕事を増やしたり頂いたりして、そっちも同時にこなさないといけない。

なんのかんの、やることはある。
夢も目標も失くして、自分で自分の道を断って茫然としていた頃に比べれば遥かにマシだし、それより前となると例の死ぬ寸前までボコボコ期だから、もっとマシだ。

もう滅多に昔の、ボコボコ時代の話なんかしないつもりだし、あれをマシの出発点にするのも悲惨過ぎて嫌だから、なんとか物書きとしての出発点を作りたい。
一生懸命書くので、出来上がってお知らせしてたら祝儀だと思ってリンク踏んでやってください。面白かったら、ひとこといただければ幸いです。

36歳のキッドさんも是非よろしく。
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