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さよならWILDER
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平成日本のインディープロレス界において、デスマッチやハードコアファイターとして活躍した保坂秀樹さんが亡くなった。49歳。早すぎる、というか、若かったんだな、保坂さん……。
保坂さんのデビューは91年のWING、そこからFMWに登場して長く活躍していました。私が保坂秀樹というレスラーを知ったのもFMWの末期に近い頃。97年ぐらいだったと思います。新生FMWからエンタメ路線への転換期あたりだったと思います。
巨体に髭、キリッとした濃い顔、豪快なスープレックス、そして恐れ知らずのハードコアマッチ。私が見始めた頃のFMWといえばハヤブサさんが居て、冬木さんが居て、金村さんや黒田さんが居て、邪道さんと外道さん、田中さん、大矢さん、若手時代のマンモス佐々木さんも居ました。
田舎住まいで中央の試合や団体の情報に飢えていた私は、週刊誌は欠かさず買い、近隣のレンタルビデオ屋さんに置いてあるビデオ(当時まだDVDなんてものは無かった)も全部見て、それでも満たされず修学旅行を抜け出して水道橋に向かったりしていました。
そうすると、正直言って決して大きな扱いではないのですが、必ず保坂秀樹という名前を目にすることになるのです。
当時、私の一番のお目当ては冬木弘道さんや金村キンタローさんでした。
その対角線上に、もしくはその日の他の試合に、保坂さんがラインナップされている。そこで、よく試合を見ていました。
地元にFMWが来た時も必ず観戦に行きましたし、そこでも試合を見ることが出来ました。
けど、2001年のパワースプラッシュ2001シリーズ豊橋大会のポスター、パンフレットやカードには、保坂さんの名前が無かったので意外でした。もう離脱してしまってたのか、それとも欠場中だったのか…ちょっと記憶が無く…どなたかご存じの方はいらっしゃいますでしょうか?
珍しい?ところでは、2002年の全日本プロレス・エキサイトシリーズ豊橋大会に出場していました。これも見に行ったので、当日のパンフレットが残っています。
ジャイアント馬場さん亡き後の全日本プロレス。武藤さんがチャンピオンで、太陽ケアさんが台頭し、川田利明さんもバリバリ健在、さらに天龍さん一派やお馴染みのガイジンレスラーたちに加え、日本各地のインディー団体からも色んな選手が集まって賑やかな頃でした。
FMWファンの私としては、やはり保坂さんや、同時期に出場していた田中将斗さんの試合が気になるところ。そして当日の保坂さんのカードは、天龍源一郎さんとの一騎打ち。
試合は天龍さんが荒れまくる苛烈なゲンコツマッチ。もう殴る、蹴るではおさまらず、ヒートアップした天龍さんがリングに向かってイスまでブン投げる始末。
あの当時、伸び悩んでいた保坂への、天龍さんなりの激しすぎるエールだったようです。
あれからざっと20年が過ぎようとしています。
その間も保坂さんはゼロワンや日本各地のご当地団体、それに大仁田厚さんと行動を共にして活躍。一時期、市議会議員選にも出ていたっけ…。
一時期、セミリタイア状態だったこともあり、そういえばどうしているのかな…?と、ある日、何気なくTwitterだったかFacebookで昔の話を書いてたら、保坂さんご本人からいいねを頂き、アカウントの存在を知りました。
リプライにも丁寧にお返事を下さったり、時々私のTwitterを見て反応を下さったり、嬉しかったなあ。
しかし、その時には既に、保坂さんの体は病魔に侵されていたようでした。
治療に入り、時折更新されるときに語られる昔話や近況を楽しみにしていました。
私が大好きだった頃のFMWや、平成初期のインディープロレスを知る人が、また一人、いなくなってしまって。とても寂しい限りです。
でも、長く苦しい戦いを終えられたのだなと、少しほっとしている自分もいます。勿論、誰にだって長く元気で過ごしてほしい、引退しても幸せで在って欲しいと思いますが、みるみる痩せてゆく保坂さんの姿を見ていると、他にも癌や病気で亡くなられた身近な人のことなども思い出すので……。
リングを去った、もしくは旅立ってしまった方が増えている今だからこそ。
黒田哲広さんや田中将斗さん、リッキー・フジさん、フライングキッド市原さんらの話は、もっと聞いて読んで残してゆくべきじゃないかなと思います。
現役でなくとも、セミリタイアとかでも、やっぱり生きて話せるうちが全てなので……。
保坂秀樹さん、ありがとうございました。お疲れさまでした
タイトルのWILDERというのは、FMW時代の保坂選手の入場曲
寂しいけれど、私は今日もプロレスを愛し続けています
保坂さんのデビューは91年のWING、そこからFMWに登場して長く活躍していました。私が保坂秀樹というレスラーを知ったのもFMWの末期に近い頃。97年ぐらいだったと思います。新生FMWからエンタメ路線への転換期あたりだったと思います。
巨体に髭、キリッとした濃い顔、豪快なスープレックス、そして恐れ知らずのハードコアマッチ。私が見始めた頃のFMWといえばハヤブサさんが居て、冬木さんが居て、金村さんや黒田さんが居て、邪道さんと外道さん、田中さん、大矢さん、若手時代のマンモス佐々木さんも居ました。
田舎住まいで中央の試合や団体の情報に飢えていた私は、週刊誌は欠かさず買い、近隣のレンタルビデオ屋さんに置いてあるビデオ(当時まだDVDなんてものは無かった)も全部見て、それでも満たされず修学旅行を抜け出して水道橋に向かったりしていました。
そうすると、正直言って決して大きな扱いではないのですが、必ず保坂秀樹という名前を目にすることになるのです。
当時、私の一番のお目当ては冬木弘道さんや金村キンタローさんでした。
その対角線上に、もしくはその日の他の試合に、保坂さんがラインナップされている。そこで、よく試合を見ていました。
地元にFMWが来た時も必ず観戦に行きましたし、そこでも試合を見ることが出来ました。
けど、2001年のパワースプラッシュ2001シリーズ豊橋大会のポスター、パンフレットやカードには、保坂さんの名前が無かったので意外でした。もう離脱してしまってたのか、それとも欠場中だったのか…ちょっと記憶が無く…どなたかご存じの方はいらっしゃいますでしょうか?
珍しい?ところでは、2002年の全日本プロレス・エキサイトシリーズ豊橋大会に出場していました。これも見に行ったので、当日のパンフレットが残っています。
ジャイアント馬場さん亡き後の全日本プロレス。武藤さんがチャンピオンで、太陽ケアさんが台頭し、川田利明さんもバリバリ健在、さらに天龍さん一派やお馴染みのガイジンレスラーたちに加え、日本各地のインディー団体からも色んな選手が集まって賑やかな頃でした。
FMWファンの私としては、やはり保坂さんや、同時期に出場していた田中将斗さんの試合が気になるところ。そして当日の保坂さんのカードは、天龍源一郎さんとの一騎打ち。
試合は天龍さんが荒れまくる苛烈なゲンコツマッチ。もう殴る、蹴るではおさまらず、ヒートアップした天龍さんがリングに向かってイスまでブン投げる始末。
あの当時、伸び悩んでいた保坂への、天龍さんなりの激しすぎるエールだったようです。
あれからざっと20年が過ぎようとしています。
その間も保坂さんはゼロワンや日本各地のご当地団体、それに大仁田厚さんと行動を共にして活躍。一時期、市議会議員選にも出ていたっけ…。
一時期、セミリタイア状態だったこともあり、そういえばどうしているのかな…?と、ある日、何気なくTwitterだったかFacebookで昔の話を書いてたら、保坂さんご本人からいいねを頂き、アカウントの存在を知りました。
リプライにも丁寧にお返事を下さったり、時々私のTwitterを見て反応を下さったり、嬉しかったなあ。
しかし、その時には既に、保坂さんの体は病魔に侵されていたようでした。
治療に入り、時折更新されるときに語られる昔話や近況を楽しみにしていました。
私が大好きだった頃のFMWや、平成初期のインディープロレスを知る人が、また一人、いなくなってしまって。とても寂しい限りです。
でも、長く苦しい戦いを終えられたのだなと、少しほっとしている自分もいます。勿論、誰にだって長く元気で過ごしてほしい、引退しても幸せで在って欲しいと思いますが、みるみる痩せてゆく保坂さんの姿を見ていると、他にも癌や病気で亡くなられた身近な人のことなども思い出すので……。
リングを去った、もしくは旅立ってしまった方が増えている今だからこそ。
黒田哲広さんや田中将斗さん、リッキー・フジさん、フライングキッド市原さんらの話は、もっと聞いて読んで残してゆくべきじゃないかなと思います。
現役でなくとも、セミリタイアとかでも、やっぱり生きて話せるうちが全てなので……。
保坂秀樹さん、ありがとうございました。お疲れさまでした
タイトルのWILDERというのは、FMW時代の保坂選手の入場曲
寂しいけれど、私は今日もプロレスを愛し続けています
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