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第858回。図書室のムチムチおっぱい
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よく学校行くのに教室に馴染めないとかいろんな理由で保健室登校をしてたって話があるじゃん。
のっけから三河弁丸出しでワヤだけどまあこのまんま続けるに。
この辺のニュアンスは矢作川より東に住んでる愛知県民ならわかってもらえると思うだけどさ。
でね。
私はその保健室の先生とも打ち解けることが出来なかったんだ。そんでもって小学校5年生に上がったら4年のときの担任で心を許していたヤスムラ先生がいなくなっちゃって、代わりのというかまあその5年と6年の担任になる先生とはまったくもって上手くいかず。
今だったら先生も最初は歩み寄ってくれてたというかフツーにしてくれてたと思うけど、なにしろコッチは学校じゃ居場所はねえわ家は離婚したのに出てったバカがまだしつこくしてくるわで。
人生の大暗黒時代だった。あれがなきゃ、アレさえなきゃ、少年法とやらで罪にならないうちに殺しときゃ良かった、と今でも思うし死ぬなら保険金が入るようにしてくれとしているけれども。
その超絶暗黒時代、新日本プロレスばりのサイテー最悪の時期に私が登校してた場所が図書室だった。
学校の図書室のほかに、少子化だのドーナツ化だので子供が足りないんで空いてる教室にも本棚を置いてそこにも色んな本があった。
なのでどっかしらから本を持ってって読んでた。図書室に入れないときは、屋上に続く階段にずっといた。
図書室は前の日の夕方に鍵を開けて帰っちゃうんだ。そしたら運が良ければ次の日そのまま入れた。
まあそんな時代だったんだろ。
そこで海外のSFとか戦国武将の伝記とか江戸川乱歩とか読んでた。
電人Mとか地獄の道化師とか好きだったな。あの頃はすげえ大人になった気分もしてたけど、あれは
少年探偵団シリーズ
だったんで、明治だか昭和のお子様向け小説だったんだよな。自分と対象年齢が大して違わないか、ヘタしたらレトロ小学5年生はもっと大人びたものを読んでたのかもしれない。まあいいや。
戦国武将とか鉄道の歴史とかキノコや食虫植物みたいな珍しいもの、世界地図、そういうものを片っ端から読んだ。片っ端から興味があるつもりだったし、何でも面白かった。
教室や授業や帰り道に、みんなにおもねって過ごさなくても良かったし、奇異の視線や陰口を浴びることもない。一日そこでやり過ごして日が暮れたら帰れば良かった。少なくとも、家でも学校でも居場所がなかった私にとって、いちばん落ち着いていられるのがそこだった。図書室か、階段か。
だけどそこもさ、わざわざ見に来て何か報告しに行く奴とかいるし、そうでなくてもフツーに用があって通りかかったり図書室に来たりする人もいるわけで。
私のいた小学校は私が入学するときに新校舎が完成したので、当時は非常に綺麗で洗練された建物だった。その真新しい建物に渦巻く色んなガキなりの泥臭いところから逃げたくて、だけど家にも学校にも逃げ場はなくて。せいぜい図書室と屋上への階段が私にとっての避難所(ヘイヴン)だった。
あとでまた話すようになって、今ようやくこの年で友達と呼ばせて貰るような同級生によれば、あの頃は本当に近寄りがたいというか、近寄ってもどうしたらいいかわからないから遠巻きに見ているしかなかった、そうな。
そりゃそうだ。私だってあの頃の私みてえのがクラスに居たところで関わって得することなんか何も無いし、無理して友達になって嫌な思いをすることもない。
自分で自分の居場所をつぶして、かといって行き場もなくて右往左往していたというわけさ。
図書室は面白かったな。みんなが授業してて、自分も図書室の引き戸の鍵を閉めて大人しくしてればまず見つからなかった。んである日、大発見をするんだ。
それはずらっと並んだ本棚の片隅。
右から二番目の本棚にある赤い本と、左から四番目の青い本を入れ替えると出てくる黄色い本を真ん中から右に二つずれた本棚のへこんだところにハメこむと隠し通路が出て中にはゴマのオハギが…
というのではない。ずらっと並んだ本棚の、から先は大ウソどころか妄想である。しかもオハギって。好きだけどさゴマのオハギ。
本棚の片隅に、ずたっと分厚い本が並んでたんだ。それは世界の名画、絵画の写真が載った本。
ゴッホとかピカソとかそういうの。
でね、そこにアングル・ドラクロアっていうのがあって。
これはアングルさんとドラクロアさんの作品が収録されてて、それぞれの絵が沢山あった。ドラクロアのジャンヌダルクが走ってるところの絵とか有名じゃん?ああいうの。
本当に何の気なしに開いたその本には!
アングルって人の描いた水瓶を肩に担いでザバーってやってる半裸のムッチリムチムチ美人の絵が。
当然おっぱいも。
学校で、合法的に、おっぱいが見れる!
もちろん他の画家の本も片っ端から読んだけど、この水瓶半裸ムチムチおっぱいがベストだった。
未だにあの絵が誰のなんて絵なのかはわからない。たぶんアングルだかアンクルだかそんな人だったと思う。
シャルトル大聖堂っていうフランスのデカい建物の絵もあって、いつか行ってみたいなーとか思ったっけな。
のっけから三河弁丸出しでワヤだけどまあこのまんま続けるに。
この辺のニュアンスは矢作川より東に住んでる愛知県民ならわかってもらえると思うだけどさ。
でね。
私はその保健室の先生とも打ち解けることが出来なかったんだ。そんでもって小学校5年生に上がったら4年のときの担任で心を許していたヤスムラ先生がいなくなっちゃって、代わりのというかまあその5年と6年の担任になる先生とはまったくもって上手くいかず。
今だったら先生も最初は歩み寄ってくれてたというかフツーにしてくれてたと思うけど、なにしろコッチは学校じゃ居場所はねえわ家は離婚したのに出てったバカがまだしつこくしてくるわで。
人生の大暗黒時代だった。あれがなきゃ、アレさえなきゃ、少年法とやらで罪にならないうちに殺しときゃ良かった、と今でも思うし死ぬなら保険金が入るようにしてくれとしているけれども。
その超絶暗黒時代、新日本プロレスばりのサイテー最悪の時期に私が登校してた場所が図書室だった。
学校の図書室のほかに、少子化だのドーナツ化だので子供が足りないんで空いてる教室にも本棚を置いてそこにも色んな本があった。
なのでどっかしらから本を持ってって読んでた。図書室に入れないときは、屋上に続く階段にずっといた。
図書室は前の日の夕方に鍵を開けて帰っちゃうんだ。そしたら運が良ければ次の日そのまま入れた。
まあそんな時代だったんだろ。
そこで海外のSFとか戦国武将の伝記とか江戸川乱歩とか読んでた。
電人Mとか地獄の道化師とか好きだったな。あの頃はすげえ大人になった気分もしてたけど、あれは
少年探偵団シリーズ
だったんで、明治だか昭和のお子様向け小説だったんだよな。自分と対象年齢が大して違わないか、ヘタしたらレトロ小学5年生はもっと大人びたものを読んでたのかもしれない。まあいいや。
戦国武将とか鉄道の歴史とかキノコや食虫植物みたいな珍しいもの、世界地図、そういうものを片っ端から読んだ。片っ端から興味があるつもりだったし、何でも面白かった。
教室や授業や帰り道に、みんなにおもねって過ごさなくても良かったし、奇異の視線や陰口を浴びることもない。一日そこでやり過ごして日が暮れたら帰れば良かった。少なくとも、家でも学校でも居場所がなかった私にとって、いちばん落ち着いていられるのがそこだった。図書室か、階段か。
だけどそこもさ、わざわざ見に来て何か報告しに行く奴とかいるし、そうでなくてもフツーに用があって通りかかったり図書室に来たりする人もいるわけで。
私のいた小学校は私が入学するときに新校舎が完成したので、当時は非常に綺麗で洗練された建物だった。その真新しい建物に渦巻く色んなガキなりの泥臭いところから逃げたくて、だけど家にも学校にも逃げ場はなくて。せいぜい図書室と屋上への階段が私にとっての避難所(ヘイヴン)だった。
あとでまた話すようになって、今ようやくこの年で友達と呼ばせて貰るような同級生によれば、あの頃は本当に近寄りがたいというか、近寄ってもどうしたらいいかわからないから遠巻きに見ているしかなかった、そうな。
そりゃそうだ。私だってあの頃の私みてえのがクラスに居たところで関わって得することなんか何も無いし、無理して友達になって嫌な思いをすることもない。
自分で自分の居場所をつぶして、かといって行き場もなくて右往左往していたというわけさ。
図書室は面白かったな。みんなが授業してて、自分も図書室の引き戸の鍵を閉めて大人しくしてればまず見つからなかった。んである日、大発見をするんだ。
それはずらっと並んだ本棚の片隅。
右から二番目の本棚にある赤い本と、左から四番目の青い本を入れ替えると出てくる黄色い本を真ん中から右に二つずれた本棚のへこんだところにハメこむと隠し通路が出て中にはゴマのオハギが…
というのではない。ずらっと並んだ本棚の、から先は大ウソどころか妄想である。しかもオハギって。好きだけどさゴマのオハギ。
本棚の片隅に、ずたっと分厚い本が並んでたんだ。それは世界の名画、絵画の写真が載った本。
ゴッホとかピカソとかそういうの。
でね、そこにアングル・ドラクロアっていうのがあって。
これはアングルさんとドラクロアさんの作品が収録されてて、それぞれの絵が沢山あった。ドラクロアのジャンヌダルクが走ってるところの絵とか有名じゃん?ああいうの。
本当に何の気なしに開いたその本には!
アングルって人の描いた水瓶を肩に担いでザバーってやってる半裸のムッチリムチムチ美人の絵が。
当然おっぱいも。
学校で、合法的に、おっぱいが見れる!
もちろん他の画家の本も片っ端から読んだけど、この水瓶半裸ムチムチおっぱいがベストだった。
未だにあの絵が誰のなんて絵なのかはわからない。たぶんアングルだかアンクルだかそんな人だったと思う。
シャルトル大聖堂っていうフランスのデカい建物の絵もあって、いつか行ってみたいなーとか思ったっけな。
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