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第816回。プライドねえのかパクり作家
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ちょっと前だけどツイッターや小説家になろうを通して交流のある人が、自分の作品と読み比べてみてほしい作品がある、という相談を持ち掛けてきた。
明らかにその人の作品をドンパクリしている作品が恥ずかしげもなく公開されていた。
まあ嘘なんか堂々としてる方がバレねえしいっそそうするわな、ってことなんだろうけど。盗人猛々しいとはこのことか。
どこのどいつか詳しく知る気にもならねえし正直そいつの名前なんか忘れた。
覚えてたって名指しでどこどこのこのバカタレ、と書いてやるつもりもないけど。
無名の、フツーに楽しんで書いてる人たちの作品をパクって本まで出してもらってて、後に引くにも引けねえとは思うのでキッチリ地獄見りゃいいと思うしどうでもいい。
自分のだっていつやられるかわからない…けど、まあ私の作品をパクって売れたり褒められたり出来るもんならしてみろって感じか。
パクって書くってのはどこまでなのか。
みてえに話をすり替えたり、倫理とか芸術とか今だったらインスパイアとかサンプリングとか話をデカくしたりする奴もいるけど、それとこれとは根本的に違うのだ。
万引きは窃盗罪の俗語であって盗んだものが冷凍ポテトサラダだろうが乾電池だろうが同じだし、人類史上最初の窃盗とか泥棒の話をしているんじゃないってのと同じだ。
めったなことじゃ怒らない、悲しんだり落ち込んだりするような性格の人が本気で怒ってるからな。よっぽどのことしやがってって話で。
だいたいそうやってコソコソ顔も名前もわからねえ、作品だってちょっぱってきたってわかりゃしねえと思ってやがるような奴はケンカの作法だって知りゃしねえんだって。
だから隠れて人を打つんだ。薄汚え真似しやがる。
でこっから自分の、私キッドの作品の中のはなし。
自分の創作なんか語るのこっぱずかしいしつまんねえしヤだけど、パクってるのなんのという話になるならどうなんだっていう部分はかなりあるって自覚は大いにある。
それはほかの人の文章をそのままパクったりしねえまでも、例えば好きな映画とかミュージックビデオとかを文字に直したり、自分の頭の中の映写機(韓国映画みてえなフレーズだな)に掛けてそれを見たまま書いたりはしている。ただそれもたとえば恋愛だとかホラーだとかそういうものに使うんじゃなく、あくまで自分の脳内をどうにかしようっていう、いわゆる頭クルクルパー小説を書く時にたまにやる。
具体的にはKraftwerkのThe Man Machineのビデオ。大勢の男が地下通路みたいなところをゾロゾロ歩いて行くところ。丸ごとじゃないけどその時に小説として具現化されていた風景の中に、そのイメージを溶かして混ぜ込んでいるような描写がある。これを読んでKraftwerkだなってわかる人もいないかもしれないし、気づいてもらえないのは私の腕前のせいだ。
♯池袋地獄変では、テリー・ギリアムの未来世紀ブラジルからの脳内映写機を通した描写があるし、他にも昔ちょっと見た罠の女って映画からイメージを得たものもある。
こういうものは私の頭の中に詰めこまれて、どこぞにしまい込まれたり脳髄に溶けちゃって浮かんでる上澄みみたいなもの、油膜になって伸びたり縮んだり虹色に鈍く光ったりしているところを、オタマで掬って味見をするようなもんで。一つ一つはわけわかんないし繋げて何千文字、何万文字にしたところで意味わかんないし、それにタイトルをつけて作品です!っつって載せちゃったところで意味なんかない。
つまるところ、脳の中に在るだけ、のものなんだ。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、UHA味覚糖(言いたかっただけ)で感じたものとしてアーカイブされているとはいえそれがそのままの姿でソラリスの仕業よろしく自分の頭の外に出てくることはない。
それってのはパクリなのか…?純然たる自分の頭の中から生み出されたものではない、むしろ記憶の断片がいびつに癒着したキメラみたいなものなんだけど…。
まあ何かの間違いでコレ読んで
「パクリってどういうことですか!?私の作品の事ですよね、失礼ですよ!まずは礼儀を学ばれたらいかがでしょうか!?この豚骨タンクローリー!」
とかまんまとゲロってノコノコ書き込んできたところで自首乙、あと豚骨タンクローリーを取り消さねえとめんどくせえ親戚とめんどくせえトラブルに巻き込まれるぞ、金とか土地の絡むやつに。
けどさあ、自分の頭の中で曲がりなりにも自分のもの、自分の記憶、自分の少ない脳みそから太くて短い指先を通して紡ぎ出した文章の連なりとさ、なんも考えずにアカの他人のふんどしを洗濯もしねえでイケシャアシャアの逆襲のシャアでもって穿いちゃって知らん顔してるってのは違うんじゃねえのかって思いたいわけよ。というか一緒にされたくねえよ。
要するに蓄積と発酵、腐敗、昇華といった過程を経て己の言葉、己の世界になったものと、その世界とやらから無断でよっこらしょっと摘まんで据えたものが同じなワケが無いし、天網恢恢疎にして漏らさず、だぞ、と。
まあそういうこっちゃ。
明らかにその人の作品をドンパクリしている作品が恥ずかしげもなく公開されていた。
まあ嘘なんか堂々としてる方がバレねえしいっそそうするわな、ってことなんだろうけど。盗人猛々しいとはこのことか。
どこのどいつか詳しく知る気にもならねえし正直そいつの名前なんか忘れた。
覚えてたって名指しでどこどこのこのバカタレ、と書いてやるつもりもないけど。
無名の、フツーに楽しんで書いてる人たちの作品をパクって本まで出してもらってて、後に引くにも引けねえとは思うのでキッチリ地獄見りゃいいと思うしどうでもいい。
自分のだっていつやられるかわからない…けど、まあ私の作品をパクって売れたり褒められたり出来るもんならしてみろって感じか。
パクって書くってのはどこまでなのか。
みてえに話をすり替えたり、倫理とか芸術とか今だったらインスパイアとかサンプリングとか話をデカくしたりする奴もいるけど、それとこれとは根本的に違うのだ。
万引きは窃盗罪の俗語であって盗んだものが冷凍ポテトサラダだろうが乾電池だろうが同じだし、人類史上最初の窃盗とか泥棒の話をしているんじゃないってのと同じだ。
めったなことじゃ怒らない、悲しんだり落ち込んだりするような性格の人が本気で怒ってるからな。よっぽどのことしやがってって話で。
だいたいそうやってコソコソ顔も名前もわからねえ、作品だってちょっぱってきたってわかりゃしねえと思ってやがるような奴はケンカの作法だって知りゃしねえんだって。
だから隠れて人を打つんだ。薄汚え真似しやがる。
でこっから自分の、私キッドの作品の中のはなし。
自分の創作なんか語るのこっぱずかしいしつまんねえしヤだけど、パクってるのなんのという話になるならどうなんだっていう部分はかなりあるって自覚は大いにある。
それはほかの人の文章をそのままパクったりしねえまでも、例えば好きな映画とかミュージックビデオとかを文字に直したり、自分の頭の中の映写機(韓国映画みてえなフレーズだな)に掛けてそれを見たまま書いたりはしている。ただそれもたとえば恋愛だとかホラーだとかそういうものに使うんじゃなく、あくまで自分の脳内をどうにかしようっていう、いわゆる頭クルクルパー小説を書く時にたまにやる。
具体的にはKraftwerkのThe Man Machineのビデオ。大勢の男が地下通路みたいなところをゾロゾロ歩いて行くところ。丸ごとじゃないけどその時に小説として具現化されていた風景の中に、そのイメージを溶かして混ぜ込んでいるような描写がある。これを読んでKraftwerkだなってわかる人もいないかもしれないし、気づいてもらえないのは私の腕前のせいだ。
♯池袋地獄変では、テリー・ギリアムの未来世紀ブラジルからの脳内映写機を通した描写があるし、他にも昔ちょっと見た罠の女って映画からイメージを得たものもある。
こういうものは私の頭の中に詰めこまれて、どこぞにしまい込まれたり脳髄に溶けちゃって浮かんでる上澄みみたいなもの、油膜になって伸びたり縮んだり虹色に鈍く光ったりしているところを、オタマで掬って味見をするようなもんで。一つ一つはわけわかんないし繋げて何千文字、何万文字にしたところで意味わかんないし、それにタイトルをつけて作品です!っつって載せちゃったところで意味なんかない。
つまるところ、脳の中に在るだけ、のものなんだ。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、UHA味覚糖(言いたかっただけ)で感じたものとしてアーカイブされているとはいえそれがそのままの姿でソラリスの仕業よろしく自分の頭の外に出てくることはない。
それってのはパクリなのか…?純然たる自分の頭の中から生み出されたものではない、むしろ記憶の断片がいびつに癒着したキメラみたいなものなんだけど…。
まあ何かの間違いでコレ読んで
「パクリってどういうことですか!?私の作品の事ですよね、失礼ですよ!まずは礼儀を学ばれたらいかがでしょうか!?この豚骨タンクローリー!」
とかまんまとゲロってノコノコ書き込んできたところで自首乙、あと豚骨タンクローリーを取り消さねえとめんどくせえ親戚とめんどくせえトラブルに巻き込まれるぞ、金とか土地の絡むやつに。
けどさあ、自分の頭の中で曲がりなりにも自分のもの、自分の記憶、自分の少ない脳みそから太くて短い指先を通して紡ぎ出した文章の連なりとさ、なんも考えずにアカの他人のふんどしを洗濯もしねえでイケシャアシャアの逆襲のシャアでもって穿いちゃって知らん顔してるってのは違うんじゃねえのかって思いたいわけよ。というか一緒にされたくねえよ。
要するに蓄積と発酵、腐敗、昇華といった過程を経て己の言葉、己の世界になったものと、その世界とやらから無断でよっこらしょっと摘まんで据えたものが同じなワケが無いし、天網恢恢疎にして漏らさず、だぞ、と。
まあそういうこっちゃ。
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