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第706回。書きたいことに限って忘れる。

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そういうもんなのか。
書きたい、と思ってしまったがゆえに忘れるという事態も起こる。
武器が先か戦争が先か、みてえな。違うか。大袈裟だし。

今日(2019年1月7日)ね、家帰ってきて晩御飯食べてるときに
あっ、コレ書こう。コレの事なら結構イケる気がする。最近ネタ切れだと思ってたけど、まだあるもんだなあー…。
と思ってたことだけを覚えてて、じゃあ何のことについて何をどう書こうと思ったか、については丸っきり忘れてしまった。
忘れてしまったことさえ忘れてしまっていればそれでいいのだけど、忘れてしまったことにだけ気付いているので始末が悪い。
そんなことを伊集院さんもラジオで言ってたな。覚えていない、忘れたということすらも忘れてしまえばラクなのだ、と。
伊集院さんと言えば、フリートークの傑作選とか音源にしてダウンロード販売とかしてくれないかな…。少なくとも色んな素材を使ってるレギュラーコーナーに比べれば、ラジオ局と伊集院さんの権利の問題でなんとか…構成の渡辺さんが自分の声の権利でゴネてたら笑えるけど(ハッハハハ)
だって今じゃ本放送を生で聞くことが多様化とかいろいろで難しいうえに昔ながらの録音でもそんなにラジオ局や伊集院さんに大きなプラスがあるとは言いづらい。それなのにYouTubeとかに丸々アップされてたりするんじゃん。ラジコプレミアムでもひろーーーい意味でラジオのためになってるかもしれないけど、それよりも何よりも直接やっぱり利益になって欲しいと思うし、正直なこと言えばYouTubeにアップする奴は伊集院さんのラジオが好きでやってるんじゃなく、それアップしたら自分とこ踏むからやってるだけで。それはラジオにも出演者にも誰のためにもならないんだよね。ながーい目で見たらそんなの使って聞いてる自分のためにも。だって食い物にされて枯れちゃうんだもん。
ラジオでもテレビでも超大手だから体力があるだけで、好き放題吸い尽くされても全然大丈夫なわけがないじゃない。ラジコプレミアムで聞いてネタを書いて送ることで
「聞いてるよ伊集院さん!試験官に浮かんだビーカーじゃないよ!」
っていう示しをつけるぐらいしか、今の我々に出来ることがないのは歯がゆいよ。
伊集院さんのリスナーは特に、ズルして得しても罪悪感しか得られない性格してるし、「ルールバカ」としてもちゃんと買うよ。買わせてくれよ。正当なやり方でまた聞きたいんだよ、益子焼のお茶椀を買いに自転車で走ったり、五島列島の教会を巡ったりしたあの噺が。
五島列島三部作なんかそういうラジオのフリートーク音源のダウンロード販売の端緒には持ってこいだと思うよ。ラジオならではの話芸が詰まってると思う。臨場感、その場にいるような風景が、行ったこともない場所なのに緑の匂いや息を切らして進む感覚まで知らず知らずのうちに脳に浮かばされてその中を漂っているかのようなトークだった。他の旅行記ほど愚痴のオンパレードでもなければ、ほどよく?下品だし。2時間どころか3時間でも4時間でも聞いてられる、聞いていたいと久しぶりに思ったな。アレは傑作だったと思う。

とまあ、伊集院さんへの愛と妄念に似た憧れを散々書いてハっと我に返った今。
悔しいなあー、何を書きたかったんだ私…。少なくともさっき書いたみてえなアルファポリスのランキングで大差付けられて悔しいんで腹いせみてえに書いたハウツーエッセイにワンツーパンチなんてな話じゃなかったはずなんだよ(アレはアレで日頃から思っていることではあったけど)なー。
そうそう、そうやって一日に幾つも書く時もあれば、二日も三日もなーんにも出てこないこともあって。
そういう時は他の事した方がいいんだろな。
何冊も本を買ったり、映画を見ようと思ってたりするんだけど、家に帰って晩御飯食べると全部どうでもよくなってしまう。胃袋にエネルギーを使いすぎなのだろうか。

そういえば今日は、炭水化物をあまりとらなかった。全然じゃないとは思うけど晩御飯もオデンだけでお米は食べなかったし…。
ちょっとホントに体重計に乗るのが怖いので、もうちょっと節制したら乗ってみようと思います。
何か怖いってさ、思いのほか軽かった時なんだよ。いや重すぎるのも嫌だけどさ。自分で感じてる自分の重さに比べて、実際の数値として現れた結果が軽いと感じたってことは、それだけ筋肉が落ちてるってことだからな。
書くことも筋肉も鍛えてないとすぐに衰える。衰えることすら忘れたり、気にすることを放棄出来たらどんなに楽か。
カート・コバーンの評伝に書いてあった「片田舎の狭い世界での暮らしに何の疑問も持たずそのままその社会に溶け込んで暮らせるっていう一種の才能」みたいなもんで、それがフツーだと思ってりゃラクなんだろうな。そういうもの、とも思わない。
忘れたことも、書こうと思ったことも、鍛えたいということも、また聞きたいと思うこともなく。
漫然と生きてれば、それが一番楽なのかもしらん。それでいいかどうかはともかく。
自然体とか無欲というのはそこからが入り口なのかもね。
それに抗って、つまり楽しみを見つけて生きるためにはパワーが要るし、手段が必要だ。私にとってはそれが書くことだし、そうすることで力を効率的に使うことが出来る。少なくともやみくもにもがくよりは。その結果、武道の達人みたいに殆ど力を加えなくても楽しみが産まれるようになったら、そっちのが無欲とか自然体ってもんにより近いっていう気もするな。
私の老後の理想、バカ仙人ってのは、案外その境地なのかもしれん。
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