697 / 1,299
第698回。どーそーかい
しおりを挟む
12月30日の夜は毎年恒例の同窓会でした。
会社の忘年会とか、学校単位の同窓会も全ブッチ安定の私キッドさんですが、この日だけは別。
中学の柔道部の集まりで、私たちよりよっぽど出来のいい一個下のホソダ君とヒコサカ君が中心に音頭を取ってくれて今回で12回目。アレ?13回目だっけか。ほらな、キッドさんこと佐野先輩がこのザマなので、やっぱり彼らがやってくれて大いに助かっている次第。
私が中学3年生の時のメンバーから、一個下のホソダ君たち、さらにそのすぐ下のメンバーを集めて毎年12月末になると集まって色々な思い出話をしたり近況を聴いたりしている。
乱暴な根暗ことこの私を筆頭に個性派のなかでもボキャブラ天国で言えばバカとインパクトの方に偏った連中。それに私たちからすると二個下の同じくバカだが実はちょっと知的とかシブいにも寄せている世代。
そのバカパクの9・10世代とシブ知7・8世代(当時ボキャブラ天国見てねえとわかんねえよなー)に挟まれた世代は全員で5名と少数ながらみんな割と大人しくて真面目なうえちゃんと仕事もしているし、ホソダ君は家具職人に、ヒコサカ君は大手企業に入ってこの日はドイツからの凱旋帰国だった。今度はインドに飛ばされるかもしれないということで、帰ってきたら手足を伸ばして火を吹くか、実にオシャンティーで鼻から虹色の夢を出すピンクのゾウさんを見るようになっているか。今から楽しみである。
まあなんだ、ホントにこの程度の脳みそをしている先輩どもと、それに輪をかけて成績の良し悪しが極端な後輩に挟まれたらイヤでもお利口になるわな。
凄いぞ、マジもんのバカから警察官に弁護士にと、事件を起こす方・捕まえる方・なんとかして執行猶予を勝ち取る方と3人揃っているマッチポンプ集団。マッチどころかニトログリセリンみてえな最終兵器男・タナベ君は元々陽気で明るいおバカさんなのだがお酒が入るとそれがいい方にパワーアップ。
酒癖と言うのは付き合う人間に対する感情によるなあ、と彼を見ていて思う。やむを得ず食事会に行かされてそこで似たような奴がタバコなんかも吸ってたりするとホント帰りたいもん。土に。
今回は数少ない女子部員の安藤さんも来てくれた。酒が強くて柔道も強くて美人。結構ツンとした顔たちだったのだが年齢を重ねて丸みを帯びた表情と、クールに見えて結構人懐っこい性格とざっくばらんな話しぶり。大変ステキな女性になっていました。
が、ホントに私を含めた下手な男子部員よりはるかに強い。能ある鷹は爪を隠すとはよく言ったものだ。
そんな安藤さんの思い出話のなかに、私でも忘れてた大事件?が。いやー人間ホントに自分のしたことってのは忘れるね。
中学1年で入ったばっかりのころ、1年生はみんなまとめてプールと校舎の間にある通路に整列して、そこで筋トレをすることになっていた。で、その引率をしていたオオバっていうデブがすげえイヤな奴で。小学校が同じなうえすぐ近所に住んでたんでお祭りとかで会うと意地悪してきたりするんで私コイツ嫌いだったんだよ。
で、急にこのオオバこと同級生が付けた通称チルミル(なんでそんな名前なのかは不明。でもお似合いだ)が絡んで来た。どうも今までの振る舞いが気に入らないので、先輩後輩になったからにはキチンと落とし前をつけたかったらしい。
で、数分後キッチリととしまえん、いや落とし前がつきました。チルミルの顔面に。
安藤さんに言われるまでスッカリ忘れていた。けど、その時に思い出した。
このチルミル、今まで喧嘩したり試合したどんな奴より弱かった。デブで目つきも悪かったが見かけ倒しだった。しまいにはプールの仕切りになってる金網にがっしゃーん!したのもついでに思い出した。
両鼻から鼻血を噴き出しながら、
ぜんぜべにばだいじょにぢどげよ(先生には内緒にしとけよ)
と言われたんで、内緒のまま忘れていたらしい。というか、安藤さんも含め他の連中も何も言わなかったんだろうか。
当の先生が他のところで話し込んでいたので知ってたかどうかこの日は聞いてないけど、まあ知ってれば怒られてただろうしなあ…。
というか、久しぶりの再会で思い出したエピソードがコレって、誰が何を覚えてるかわからんもんだねー。
他にもみんなで海水浴に行ったり、自転車を飛ばして洞窟を探検しに行ったり、なんだかんだ結構仲のいい先輩後輩だったと思う。フツー、中学ぐらいから、早いと小学生でもスポーツするのにまず叩きこまれちゃうのは厳しい上下関係だったりする。今も昔もそーゆーの大嫌いな佐野さんは先輩としての厳しい指導や命令もしない代わりに威厳もへったくれもなかった。弱かったし。
大体、ついこないだまで同じ小学校だったり同じ立場で、下手したらすぐ近所に住んでたりもするのに、そんな急に柔道着に着替えたのが1年早いか遅いかでエバれるような人間(ヤツ)なんか、何してたってエバるしロクなもんじゃねえよ。
明るく楽しく馬鹿々々しく、練習キッツイのなんか同じなんだから、それで頑張ればいいじゃん、と思っていた。
コレだけ聞くとすげえ良いことみてえだろ?でも、致命的な欠点があるんだよこの方針は。
逆立ちしたってモテねえんだ、これが。
まあ、それはそれで楽しかったから、いいけど。今は。
会社の忘年会とか、学校単位の同窓会も全ブッチ安定の私キッドさんですが、この日だけは別。
中学の柔道部の集まりで、私たちよりよっぽど出来のいい一個下のホソダ君とヒコサカ君が中心に音頭を取ってくれて今回で12回目。アレ?13回目だっけか。ほらな、キッドさんこと佐野先輩がこのザマなので、やっぱり彼らがやってくれて大いに助かっている次第。
私が中学3年生の時のメンバーから、一個下のホソダ君たち、さらにそのすぐ下のメンバーを集めて毎年12月末になると集まって色々な思い出話をしたり近況を聴いたりしている。
乱暴な根暗ことこの私を筆頭に個性派のなかでもボキャブラ天国で言えばバカとインパクトの方に偏った連中。それに私たちからすると二個下の同じくバカだが実はちょっと知的とかシブいにも寄せている世代。
そのバカパクの9・10世代とシブ知7・8世代(当時ボキャブラ天国見てねえとわかんねえよなー)に挟まれた世代は全員で5名と少数ながらみんな割と大人しくて真面目なうえちゃんと仕事もしているし、ホソダ君は家具職人に、ヒコサカ君は大手企業に入ってこの日はドイツからの凱旋帰国だった。今度はインドに飛ばされるかもしれないということで、帰ってきたら手足を伸ばして火を吹くか、実にオシャンティーで鼻から虹色の夢を出すピンクのゾウさんを見るようになっているか。今から楽しみである。
まあなんだ、ホントにこの程度の脳みそをしている先輩どもと、それに輪をかけて成績の良し悪しが極端な後輩に挟まれたらイヤでもお利口になるわな。
凄いぞ、マジもんのバカから警察官に弁護士にと、事件を起こす方・捕まえる方・なんとかして執行猶予を勝ち取る方と3人揃っているマッチポンプ集団。マッチどころかニトログリセリンみてえな最終兵器男・タナベ君は元々陽気で明るいおバカさんなのだがお酒が入るとそれがいい方にパワーアップ。
酒癖と言うのは付き合う人間に対する感情によるなあ、と彼を見ていて思う。やむを得ず食事会に行かされてそこで似たような奴がタバコなんかも吸ってたりするとホント帰りたいもん。土に。
今回は数少ない女子部員の安藤さんも来てくれた。酒が強くて柔道も強くて美人。結構ツンとした顔たちだったのだが年齢を重ねて丸みを帯びた表情と、クールに見えて結構人懐っこい性格とざっくばらんな話しぶり。大変ステキな女性になっていました。
が、ホントに私を含めた下手な男子部員よりはるかに強い。能ある鷹は爪を隠すとはよく言ったものだ。
そんな安藤さんの思い出話のなかに、私でも忘れてた大事件?が。いやー人間ホントに自分のしたことってのは忘れるね。
中学1年で入ったばっかりのころ、1年生はみんなまとめてプールと校舎の間にある通路に整列して、そこで筋トレをすることになっていた。で、その引率をしていたオオバっていうデブがすげえイヤな奴で。小学校が同じなうえすぐ近所に住んでたんでお祭りとかで会うと意地悪してきたりするんで私コイツ嫌いだったんだよ。
で、急にこのオオバこと同級生が付けた通称チルミル(なんでそんな名前なのかは不明。でもお似合いだ)が絡んで来た。どうも今までの振る舞いが気に入らないので、先輩後輩になったからにはキチンと落とし前をつけたかったらしい。
で、数分後キッチリととしまえん、いや落とし前がつきました。チルミルの顔面に。
安藤さんに言われるまでスッカリ忘れていた。けど、その時に思い出した。
このチルミル、今まで喧嘩したり試合したどんな奴より弱かった。デブで目つきも悪かったが見かけ倒しだった。しまいにはプールの仕切りになってる金網にがっしゃーん!したのもついでに思い出した。
両鼻から鼻血を噴き出しながら、
ぜんぜべにばだいじょにぢどげよ(先生には内緒にしとけよ)
と言われたんで、内緒のまま忘れていたらしい。というか、安藤さんも含め他の連中も何も言わなかったんだろうか。
当の先生が他のところで話し込んでいたので知ってたかどうかこの日は聞いてないけど、まあ知ってれば怒られてただろうしなあ…。
というか、久しぶりの再会で思い出したエピソードがコレって、誰が何を覚えてるかわからんもんだねー。
他にもみんなで海水浴に行ったり、自転車を飛ばして洞窟を探検しに行ったり、なんだかんだ結構仲のいい先輩後輩だったと思う。フツー、中学ぐらいから、早いと小学生でもスポーツするのにまず叩きこまれちゃうのは厳しい上下関係だったりする。今も昔もそーゆーの大嫌いな佐野さんは先輩としての厳しい指導や命令もしない代わりに威厳もへったくれもなかった。弱かったし。
大体、ついこないだまで同じ小学校だったり同じ立場で、下手したらすぐ近所に住んでたりもするのに、そんな急に柔道着に着替えたのが1年早いか遅いかでエバれるような人間(ヤツ)なんか、何してたってエバるしロクなもんじゃねえよ。
明るく楽しく馬鹿々々しく、練習キッツイのなんか同じなんだから、それで頑張ればいいじゃん、と思っていた。
コレだけ聞くとすげえ良いことみてえだろ?でも、致命的な欠点があるんだよこの方針は。
逆立ちしたってモテねえんだ、これが。
まあ、それはそれで楽しかったから、いいけど。今は。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる