上 下
659 / 1,299

第657回。無職透明。

しおりを挟む
皆さんこんばんは!!
ダイナマイト・キッドです。

ここをご覧下さっているのは学生さんでしょうか社会人の方でしょうか主婦の方でしょうかバルタン星人でしょうか。日々たくさんのアクセスを頂いております。有難う御座います。
フォッフォッフォ、フォフォ、フォフォフォッフォ
いまバルタン星人の皆様に向けてお礼を申し上げました。
でもなるべく地球には来ないでください、火星でどうぞ。
ナニ?火星にはバルタン星人の苦手なスペシウムがあるんで居心地が悪い…?その居心地の悪さは、キッドさんが二十歳ぐらいで無職だった頃の実家ぐらい?

そうそう私、無職の時期が結構あって。
大学行ったり、そのぐらいからバリバリ働いてりゃ今頃もっと給料もらって偉くなったり余裕あったりするんだろうなー、なんて思う今日この頃。
でも、まあ、あの無為な日々も無駄だったとかダメだったとは思わないんですね。それはまあ実際どーにか今も過ごせているからそう思うのかも知れないし、いま二十代でウダウダしてて私が三十過ぎであくせく働いても、あと数十年したらどうなってるかなんてわからないじゃん。
アリとキリギリスなんて噓っぱちでさ、私の今いる会社みてえに他人に仕事させててめえもついでに仕事しか気になってるボンクラばっか得するってことだって全然あるんだし。
キリギリスだろうとアンギラスだろうと生きてりゃどうなってるかなんてわからない、わからねえから生きてるってことなんじゃん?

どうせダメだ、と思うけど、まあ、ダメなりに生きております。
今は仕事してるだけで本質なんか変わりゃしないんで。
ダメな奴が作業服着てトラック乗ってるから仕事してるってことになってるだけだわな。

じゃあ仕事もして無かった頃はどうだったんだ、と今思い出すに、まあダメというか怠惰というか、やっぱり何か目標とか目的のない日々だったんだろうな。
明確な目標とか目的意識とか問題意識とか、壮大な夢とか、そういうのでもって頑張れる人ってのは正しいというか、当然というか、理解も納得もしやすいんだよね。
そういうのもなく、ただ頑張れるってのは馬鹿と紙一重の才能だと思う。
んで、そういう貴重な才能を馬鹿として浪費させちゃうのが飲食チェーン経営ブラック企業のワンピースの名言大好き若いころは格闘技やってた日焼けワンマン社長の洗脳だったりするんだろうな。
何しろ来る方も頭空っぽだから好きなだけ自分の考えを押し込んで漬物石みたいに頭でっかちで重たくしちゃって幾らでもそこに縛っておける。
そんなもんはゴメンだね、とギラドラス、もといキリギリスを決め込んでいたキッドさん。

しかし祖父母も健在で母と妹も同居してた実家での居心地は最悪で、ご飯も一緒に食べないしなるべく部屋からも出なかった。車の運転は出来たんでたまに祖父母をドラックストアに連れて行って買い物をするときに、ペットボトルのペプシコーラやお菓子にラーメンなんかをまとめて買ってもらっていた。
んで夕方お相撲見てたら眠くなっちゃって寝る。夜起きてゲームやったりネットやって明け方また寝る。
もしくは原付で意味もなく遠出する。
原付にすら、それも今より20円か30円は安かったであろうガソリンが満タンにできず、それでもどうにかなるさ、とまたがってどっか行く。通勤ラッシュでもなんでもいい。急ぎゃしないし用もない。
気が付くと浜北とか刈谷とか結構離れたところに着いてる。
eastern youthの「夏の日の午後」って歌よろしく堤防沿いや海のそば、水たまりの砂利道なんかを原付で走ってた。夏なんかホント暑いだけでちっとも楽しくなかったのに、あんまりやることないと走りに行っちゃう。
ネットの接続なんか母親が全部やってたんで(実は今でもよく知らない)たまに接続できなくなっちゃったりして、めんどくさいんでそういう時は明け方に近所のネカフェに行っていた。
まだそんなにYouTubeだのニコニコ動画だのPornhubだの、そんなもんもなかったのか、有名じゃなかったんで、ネットやるっても知れていた。漫画読んじゃ、モーニングセットのAを頼んで、足りないんでBも追加したりしていた。そうそう、なんもしてねえクセにあの頃よく食ってたな。
なんもしねえってのは意外と難しくて、精神的にも疲れちゃうんで、意外とカロリーが欲しかったのかも知れない。ゆっくりと、焦ったり投げだしたりしながら、確実にすり減っていくのを自覚しながら何もしないってのは、足元から泥沼に沈んでいくのをずーっと見ているようなもの。そりゃ食ったり寝たりしてなきゃ持たないって。
そうやって目を逸らすのにも飽きたころ、どうにか働き始めて、小遣いを稼いで、遊ぶにも休むにも気兼ねがなくなって。
元気だった祖父母はいなくなり、仕事で休日なんか全然足りなくて、小遣いも稼げず、いつの間にかあの怠惰な日々を懐かしく思うようになっていた。
いま働いて将来ラクになる保証なんかないのは、きっといつの時代も誰もかれも同じじゃん。
総理大臣とか大統領とかだと暗殺されちゃうかもしれないし、まあ我々小市民ケーンにしたら明日交通事故でも貰ってくたばるかもしれないのがせいぜいか。
ただ、働いても働いてもラクにならないのは結構キツいので、目先のお金ぐらいは寄こしてくれてもいいのになーと思う今日この頃。

自分がくたばったあとまた日本人になんか生まれて来ねえだろうから、どうなってもいいや。死ぬまで呑気にバカやって暮らしてえな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お漏らし・おしがま短編小説集 ~私立朝原女学園の日常~

赤髪命
大衆娯楽
小学校から高校までの一貫校、私立朝原女学園。この学校に集う女の子たちの中にはいろいろな個性を持った女の子がいます。そして、そんな中にはトイレの悩みを持った子たちも多いのです。そんな女の子たちの学校生活を覗いてみましょう。

天空からのメッセージ vol.96 ~魂の旅路~

天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き そのために、親を選び そのために、命をいただき そのために、助けられて そのために、生かされ そのために、すべてに感謝し そのためを、全うする そのためは、すべて内側にある

ちょっとエッチな執事の体調管理

mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。 住んでいるのはそこらへんのマンション。 変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。 「はぁ…疲れた」 連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。 (エレベーターのあるマンションに引っ越したい) そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。 「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」 「はい?どちら様で…?」 「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」 (あぁ…!) 今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。 「え、私当たったの?この私が?」 「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」 尿・便表現あり アダルトな表現あり

マンガを投稿しようとしているけど、気になる箇所がたくさん……!

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
画力のなさ……ネーミングセンスのなさ……知識のなさ……ギャグセンスのなさ……ファッションセンスのなさ……向上心のなさ……対応力のなさ……ボギャブラリーが貧困……背景描けない……影の付け方と遠近法分からない……言い出せばキリがない。好きで描いているのに詳しくないものや弱点も多い。動物を描いているのに動物の特徴が根本的に間違っているとか。おかしなところがないに越したことはないけれど、気を張って完璧にやるとか自分には無理っぽい……。完璧にと思うと、一生勉強とか練習で終わりそうだ。

私50才 お母さんも50歳

日向 瞑 
エッセイ・ノンフィクション
私、25歳の夏、2人の娘を置いて蒸発をした。そして今あの時のお母さんの年齢になった私、もし私が友達だったら なんて声をかけてあげるだろう。。。 私の幼かった頃はまだ多様性などと言う言葉はかけらもなくて、(今思えば)ADHDの私はどれだけ育て難かっただろう。 その上宇宙のエネルギーが見えたり、感性が鋭く右へ倣えの一般社会のルールにどうしても馴染めなくて、度々問題を起こす私のお母さんをやる事は本当に大変だったと思う。それなのに私はこんなに自分が人と違うのはお母さんのせいだと思っていた。もっとスキンシップをしてくれたら、もっと世話を焼いてくれたら、もっとそばにいてくれたら‥‥ 50年かけて自分探しをしてきた私。同じくお母さんも50年かけて今のお母さんになったのだ。 これはそんな気づきにインナーチャイルドが癒されたメッセージです。

剣士リーリアは漫画家になりたい

あのまろ
ファンタジー
 お金持ちのオタク少女、柏原エルはマンガ家になりたかった。 ある日、エルはトラックに轢かれて異世界転生してしまう。 「これって、マンガとかアニメ、ラノベで異世界転生ってやつじゃ……!?」 そこは夢にまで見た異世界。 でも思ってたより過酷で生きづらい。 そんな彼女はこの世界でもマンガを描くことにした。 「この世界にもマンガの文化ってあるんだね!? だったらわたしはまだ頑張れるよ!」 しかし、彼女にはマンガ家としての才能より剣士としての才能の方があって………

親ガチャ 子ガチャ 夫ガチャ失敗しました

未来ミキ
エッセイ・ノンフィクション
親ガチャ失敗したってさ、そういうあんた達の方が子ガチャ失敗だよ!! 親ガチャ失敗は、遺伝するかもね? 家族の為に尽くした人生。 自分を犠牲にした人生。 反面教師。 フォトやイラストお題のポエム。 現在、過去、未来を行ったり来たりします。 西暦を題名に入れます。

転職してOLになった僕。

大衆娯楽
転職した会社で無理矢理女装させられてる男の子の話しです。 強制女装、恥辱、女性からの責めが好きな方にオススメです!

処理中です...