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第649回。キッドさんは浦安鉄筋家族が好き。

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皆さんこんばんは!!
ダイナマイト・キッドです。

このエッセイは10月24日に、11月7日分として書いて投稿します。
でも11月4日に大阪で松山座さんのプロレスを見るので、少なくとも2つくらいは記事がずれると思います。そういうわけであまり時節にカンケー無い話題を…というわけじゃなく。ホントに6日分まで書き切ることを目標にしてたら意外と早く終わったんで一旦ネタ切れに近い状態になりましてね。
何を書こうか、たまには真面目に小説なんぞを…と思ってたらハッと。

浦安鉄筋家族おもしれーよな。

と思ったので書き始めました。
仕事行く前の、朝6時ぐらいにクルマんなかで思いついて、会社ついてすぐメールにメモして一旦パソコンに送りまして。
そのメモがコチラ。

2018/10/24, 6:35
浦安鉄筋家族
小四くらいから
近所に住んでた同級生から聞いた
ハチャメチャなギャグ
かなりディープなプロレスネタ
背景やそこかしこの小ネタ
映画や人物のパロディ

そうそう。初めて読んだの小4ぐらいだったよ。いやもうちょっと早かったかな?
単行本が11巻ぐらいまで出てたような。
あの当時まだ仲の良かった同級生が教えてくれたんだけど、最初なんのことだかわからずに話を合わせちゃったんだよね。後になってああいう知ったかぶりって思い出してすげえ恥ずかしくなるんで辞めた方がいい。私は最近やっと素直に知らないとか、言い出しにくくってつい…とか言えるようになってきた…気がする。まだ自信はない、咄嗟に出る質の悪い癖のようなもので中々直らない。

こないだその同級生と我が家の前でバッタリ会った。
色々あったけど、なんか普通に昔みたいに
…カズヤ?
と呼び留められて、2分ぐらい立ち話をした。
いいヤツだったな。
元々心根の優しい、運動神経抜群で明るい彼だったなと思い出して少し嬉しかった。

そんな彼から教わって以来、元祖ぐらいまで愛読していた浦安鉄筋家族。
最初のころは荒っぽい絵柄に強烈なギャグとかパロディとかが詰め込まれててなんとも過激なギャグマンガだった。初代も中盤から読み始めたので、最初のころの小鉄が別人に見えたもんな。彼が坊主頭になる原因でもある西川のり子は途中から出てきて定着したわけだし。
やっぱりプロレスネタが多かった(今もかな?)のも大きくて、新日&全日は好きだけど結構辛辣なのも多い。愛ゆえに、ということか。
大仁田厚さんそっくりの巡査が一人で張り切って有刺鉄線に突っ込んだり泥の中を転げまわったり、最終的に自ら地雷を踏んで爆破し
感動したか!?
の問いに小鉄たちが呆れて立ち去る、ってエンディングなんか、作者の浜岡先生が当時のFMWや大仁田厚さんをどうとらえていたかが端的に表されていると思う。まあ、概ねあの通りだし、それが出来る出来ないは別の事。冬木ボスも生前の本に書いてたけど、じゃあ自分が出来るかって言われたら絶対できないし、あそこまで泥まみれ血みどろになって地雷なんか踏んで、あんなことが出来るってことが凄いっていう。
それはおそらくギャグマンガを描くという行為にも近いものがあって、自分の中に内包してる色んな映画やマンガや産み出したキャラクター、思いついたギャグ、シチュエーション、会話文から表情から全部そこに曝け出すわけで。ある意味では四方八方から注目されるプロレスの試合のようにどこからどういう風に見られるかもわからず、またある意味では絵画のように一方向からの熱い視線を浴びることになる。
何かで言ったけど物事というのはキュビスム的な解釈を求められるものであって、一方向からしか見えない多面体を、見えてないほとんどの面まで平面に直して理解していく。
ギャグマンガとして目の前にあるコマの中に何が詰め込まれているのか。
映画のワンシーン、小説の一文、プロレスの動作、あらゆるものにそれが当てはまる。
そういう意味では、あのデスマッチ評は単行本の後ろに載ってる自らの作品に対する辛辣すぎる作品評に繋がる気がする。
あのぐらい手厳しく自分の作品を見つめていないと気が済まないからこそ、あのマンガは長続きしてるんじゃないかなあ。
正直言えば大食いの野村さんが出てきた辺りで完全に変わったし、地味な三人組の女の子だけでお話が作れたり、普段はわき役だけど急に一本の漫画になったりと、実に映画的な側面が強くなってきている。
いつまでも過激デスマッチ路線なのではなく、ヒューマニズムを打ち出して…おっ、どこのFMWだ???

学校をチョコ爆弾で嫌いないじめっ子ごと爆破するとか、屋上から落下するのをプロジェクトAのジャッキー・チェンよろしく複数アングルで描き分けたり、プロレス技で脳天から叩き落したり。
そういうことがどんどん描きにくくなっていく時期に、そういう描写を必要としなくても続けられる漫画になったのは幸運だと思うし、そういうマンガだったことを知っている読者も幸運だし、これから普通に浦安鉄筋家族が楽しめる人もまた幸運だと思うのだ。
今も昔も何のジャンルも、それでいいと思うんだよ。
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