上 下
641 / 1,299

第639回。キッドさんは見知らぬ街を歩いたり車で走ったりするのが好き。

しおりを挟む
皆さんこんばんは!!
ダイナマイト・キッドです。
このエッセイが乗っている11月5日、私は大阪から帰路の車内にいることでしょう。
車内ってもゴつき車内プチイチゴ、とかそんなんじゃなく(どこで覚えたそんな言葉)、普通に大阪からの帰り道…しかも下手すると下道。高速道路を使わずに、松原から八尾へ抜けて奈良県を天理まで進んでバイパスに入って亀山から1号線と23号線のパターンかも知れない。
名阪国道は奈良と三重をガッツリ横断出来るうえに無料なのでまあ片側二車線の追い越し車線をトラックが飛ばす飛ばす。夜中なんかマリオカートか!ってぐらいトラックばっかりで。
伊賀にある名阪ドライブインで休憩するんだけど、真っ暗で自販機とトイレの明かりだけ点いててね。
まあそういうのが楽しかったりもするんだけど。

真夜中に大阪を出て、八尾とか奈良県の25号線を走ってるとさ、もうこんなとこそうそう来ないよな…ってところも通るんだけど。
大阪だとちょくちょく行くんで年に1度か2度通ってたりもするんで、逆に妙に見覚えがあるのに知らないはずの道路とかもあって。
昔、愛知から大阪に向かうのに天理の名阪国道と西名阪のつなぎ目んところで工事してて抜け道が通れなくなってたんだよ。完全に狭い道路が通行止め。
しかも暗くて看板もよく見えないんで、私もだけどそのまま気付かないですいーっと入ってしまってから無情なフェンスと赤いピカピカに行く手を阻まれるという。
で、その現場の向かいのおばさんが出てきて、どうしたの?というんで、いや愛知から来たんだけどウッカリ入ってしまって…と言ったら、ここで向き変えて良いよ、と言ってくれたので有難く向きを変えてるところに入って来るわ来るわ。みんな考えることは同じなのね。西名阪に乗らずに下道で大阪を目指そうって連中を次から次へと誘導する見知らぬおばちゃんと私。
私が運転手のところまで行って
「ここ通れないんで、あのおばちゃんが立ってる酒屋さんの駐車場で向き変えて良いらしいんで、そっちで!」
でおばちゃんが駐車場でハイこっちーって誘導するっていう。
4台か5台くらいそうやって、おばちゃんに礼を言って私もやっと脱出したっけな。
その日は途中で忘れ物に気が付いて伊賀市内でホームセンターやジャスコ(イオンだったかもしれない)を回ったり、このあとも奈良県内の24号線に近いドンキに寄ったりで大阪ついたら夜中の1時だった。真冬だったし寒かったなあ…。

いま寄ったりって打ったら変換の一発目が「四人(よったり)」だったぞ。
古典落語でぐらいしか聞かない言い回しだけどなあ…。

三重とか奈良とか滋賀とか、ああいうところは走ると楽しいね。
愛知でも私が住んでるのは東の方だから、西の方とか知多半島なんか新鮮でね。
巽ヶ丘とか。
知多半島も良いところだよな。ああいうところは道路や区画があまり変わってないというか、昔からの漁師町だったり観光地だったりするのがなんとなく垣間見えて。
垣間見るぐらいだからいいのであって、住んで暮らすとなればまた違うんだろうけど、知多半島って常滑側から247を走って来ると長閑な漁村や海岸線の向こうにごっつい工業地帯の煙突や発電所が見えるんだよね。あのコントラストがとてもいいね。
逆に武豊側から入るとどんどん開けてきて、風景が広く空と海が大きくなっていって、平日の昼間のぼんやりした時間にそんなとこ走ると交通量もそんななくて。半島を一周する唯一の大きな道路だからボチボチと建物もあるし、中には凄く良いお店もあるんだけど、それが急にぽっかーん、と田畑と海が見えるだけになる地帯があって。晴れてなかったんだよその日は。ぼーんやり曇ってて空も午後2時くらいで昼間と夕方のあいだくらいの色しててさ。海もぼんやりした薄紫色なんだ。
で風だけひゅーっと吹いてさ。
そこでイエローモンキーの天国旅行なんかかかったら、ああ死ぬんだ今日オレ。って思うわな。
あのがーーーじゃーーーじゃーーーーん…ヒューーーンっていうイントロ。アレが鳴るだけで脳内物質が何かこうドクリと分泌(で)るんだよね。
久しぶりにイエローモンキーがあんなハマった場所を走ったなあ。

見知らぬ土地で面白いのは、観光地とか名勝名跡とかじゃなく、フッツーの住宅街とかちょっとした県道の通り沿いのチェーン店とカーディーラーとサラ金とパチンコと官公庁の出張所があるようなところなんだよ。もちろん静かに、普通に通り過ぎるだけ。写真なんか撮ったって面白くないし何も写りゃしない。そこにあるどこにでもある風景が残るだけ。でも走ったり歩いたりすると、生活があるんだよ。その生活のお邪魔にならないように、ただスーッと通るんだ。今ココにこんな奴が居ることを誰も知らないで、みんないつも通りの生活をしている。これがいい。
…私はショッカーにでもなれるかもしれないな。
これがイーッ!!

なんでもない。終わります。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

生意気な女の子久しぶりのお仕置き

恩知らずなわんこ
現代文学
久しくお仕置きを受けていなかった女の子彩花はすっかり調子に乗っていた。そんな彩花はある事から久しぶりに厳しいお仕置きを受けてしまう。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

処理中です...