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第556回。むしむし大行進
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夏なので虫の季節。
昆虫、甲虫、軟体生物。
私は割と虫は得意な方だったけど、やっぱりこの年になるとちょっと触るときにビビる自分がいて。
何気にショックだったなあ。
普通にハチでもなんでも羽持ってつかめたのになあ。
子供のころは近所の公園でジグモを取っていた。
今じゃホントに見かけなくなっちゃったけど、もっと田舎に行けばいるのかな?
豊橋市でも、前はそれなりに街中の公園でもいたんだけどな。
ジグモ。
新・桃太郎伝説では何気に中ボスなジグモ。
こいつは面白いクモで、木の根っこに張り付くようにして袋状の巣を作るんだ。
大きくても子供の小指とか人差し指くらいのサイズ。寝袋が木の幹から根っこにかけてくっ付いてるんで、まわりの土を掘りだしてそっと引っ張ってやるとするっと抜ける。毛穴の汚れみたいに。
んで優しく圧していくと、たまに中にジグモちゃんがいる。
茶色くて、お尻がふかふかした可愛いクモだ。小指の先ほどもあれば大きな方で、おじいちゃんから取り方を教わった私は片っ端から木の根っこを調べてジグモちゃんを探した。
別にとって殺しはしないから、見つけて押し出して、また土に戻してた。ただそれだけだ。
あの公園からジグモが居なくなったのは大々的に改築したからで、おそらく樹木も土も入れ替わってしまったからだと思う。
割と好きだったのがカマキリとかカミキリとか。
カマキリは怖いけど大きいので掴みやすいし、やっぱ強そうだし…。
ただ一度、ぶっといハリガネムシをケツから出したままフラフラ歩いてるのを見たことがあって。
アイツはカマキリに寄生すると脳をコントロールして水辺に向かわせ、そこで産卵してまたそれが水の中で増えて、次の虫に寄生するのだそうな。ただそれだけのシステム。一体なんのために!?
そしてなぜカマキリに!?謎ばかりだ。ただ人間にも寄生されなくて本当に良かった。
私がある日、ケツから黒いハリガネムシを出したり引っ込めたりしながら
水、水…
って白眼剥いてたら殺してくれいっそその場で。まあケツに黒い尻尾をブッ挿してるだけかもしれないけど、どっちみち殺しておいてくれ。今のところそんな予定はねえけど。
カミキリはさ、黒地に白い点々のやつ。ゴマダラカミキリかな?あれがいいよな。
宇宙恐竜ゼットンのモチーフにもなったっていう。
あれも子供のころは、気が付くと夜、網戸にしがみついてたりしたのを捕まえて部屋の中でちょっと歩かせたりしてたな。掴んでみると
ミィ、ミィ
って鳴くんだよね。顎がきしんでるのかなあれは。
カミキリってかっこいいけど、あれは林業の大敵だそうで。
伊集院さんのラジオでは長野県出身の人は、あれを捕まえて役場に持ってくと一匹五円で買い取ってくれたなんて話もあったな。
カミキリの何がいいってさ、地味なんだけどしっかりしてるところだよな。
硬い背中、長い触角、複眼で、黒ベースのカラーリング。
クワガタやカブトムシほど派手じゃなく、蝶やカナブン、カマキリともハチとも違う独自の立ち位置を築いているところがいい。そういうキャラが私は好きだ。ガンダムよりエヴァよりボトムズ、みてえな。
華は無いけど実力はある、みたいな。
セミなんか幾らでも取ってられたのに、あ、俺もうセミ、ダメかな?って思う時が来るんだよな。
あのジイジイ鳴いてるとこを背中から
ひょっ
と掴むだけの事なんだけど、手が動かない。あれはなんなんだろうな。
そういえば私が小さい頃はミンミンゼミなんていなくてさ。
みーーーーんみんみんみんみーーーーー
っていうあれ。
旅行で長野かどっかに行った時に初めて聞いて感動したのを覚えてるもん。
ああ、これがテレビでセミの鳴き声といえばって感じで流れるあれか!って。
それが今フツーにその辺でも聞こえてくるから、セミもお引越しをしてるのかね。
ただ!色々あげてきたけど、私が一番心を奪われ、命を奪ってきた虫。
それは
ミミズ
である。もう本当に来世ミミズになるのだけはご勘弁を…そのぶん、あれからミミズについて調べたりして、ミミズのすばらしさ、働き者っぷりを学びました。
小学校の片隅にちょっとした森ゾーンみてえのがあって、そこの腐葉土だとかデカい石をどけるといくらでもいたミミズ。飼育小屋のニワトリが食うからってんで乱獲されたミミズ。
散々ぱら捕まえては食わせていたミミズ。
で、こいつは一体なんなんだ、と調べてみると面白い。
土の中を這いずり回るときに口から土を食べてケツから出していくのだけれど、その時にミミズによって土が耕されるためその土地にミミズがいるかいないかで実は地面の栄養価が全然違うのだそうな。それも一匹で相当の面積を耕せるというお役立ちっぷり。
エイミィ・ステュワートという人が書いた「ミミズの話」という本がある。いまだに我が家のどっかにある。とても面白い。ダーウィンも生涯最後の研究テーマに選んだのはミミズだった、とも書かれている。もう何年も前の本だけど今読んでも面白いと思う。物置を探してみよう。
今日は苦手な人には虫酸が走るような話で申し訳ない。
虫が好かないと言われてしまうかも知れないな。
まあ、好かれたい人に限って好かれないのは慣れっこだ。
明日もダンゴムシのように生きるとしよう。
昆虫、甲虫、軟体生物。
私は割と虫は得意な方だったけど、やっぱりこの年になるとちょっと触るときにビビる自分がいて。
何気にショックだったなあ。
普通にハチでもなんでも羽持ってつかめたのになあ。
子供のころは近所の公園でジグモを取っていた。
今じゃホントに見かけなくなっちゃったけど、もっと田舎に行けばいるのかな?
豊橋市でも、前はそれなりに街中の公園でもいたんだけどな。
ジグモ。
新・桃太郎伝説では何気に中ボスなジグモ。
こいつは面白いクモで、木の根っこに張り付くようにして袋状の巣を作るんだ。
大きくても子供の小指とか人差し指くらいのサイズ。寝袋が木の幹から根っこにかけてくっ付いてるんで、まわりの土を掘りだしてそっと引っ張ってやるとするっと抜ける。毛穴の汚れみたいに。
んで優しく圧していくと、たまに中にジグモちゃんがいる。
茶色くて、お尻がふかふかした可愛いクモだ。小指の先ほどもあれば大きな方で、おじいちゃんから取り方を教わった私は片っ端から木の根っこを調べてジグモちゃんを探した。
別にとって殺しはしないから、見つけて押し出して、また土に戻してた。ただそれだけだ。
あの公園からジグモが居なくなったのは大々的に改築したからで、おそらく樹木も土も入れ替わってしまったからだと思う。
割と好きだったのがカマキリとかカミキリとか。
カマキリは怖いけど大きいので掴みやすいし、やっぱ強そうだし…。
ただ一度、ぶっといハリガネムシをケツから出したままフラフラ歩いてるのを見たことがあって。
アイツはカマキリに寄生すると脳をコントロールして水辺に向かわせ、そこで産卵してまたそれが水の中で増えて、次の虫に寄生するのだそうな。ただそれだけのシステム。一体なんのために!?
そしてなぜカマキリに!?謎ばかりだ。ただ人間にも寄生されなくて本当に良かった。
私がある日、ケツから黒いハリガネムシを出したり引っ込めたりしながら
水、水…
って白眼剥いてたら殺してくれいっそその場で。まあケツに黒い尻尾をブッ挿してるだけかもしれないけど、どっちみち殺しておいてくれ。今のところそんな予定はねえけど。
カミキリはさ、黒地に白い点々のやつ。ゴマダラカミキリかな?あれがいいよな。
宇宙恐竜ゼットンのモチーフにもなったっていう。
あれも子供のころは、気が付くと夜、網戸にしがみついてたりしたのを捕まえて部屋の中でちょっと歩かせたりしてたな。掴んでみると
ミィ、ミィ
って鳴くんだよね。顎がきしんでるのかなあれは。
カミキリってかっこいいけど、あれは林業の大敵だそうで。
伊集院さんのラジオでは長野県出身の人は、あれを捕まえて役場に持ってくと一匹五円で買い取ってくれたなんて話もあったな。
カミキリの何がいいってさ、地味なんだけどしっかりしてるところだよな。
硬い背中、長い触角、複眼で、黒ベースのカラーリング。
クワガタやカブトムシほど派手じゃなく、蝶やカナブン、カマキリともハチとも違う独自の立ち位置を築いているところがいい。そういうキャラが私は好きだ。ガンダムよりエヴァよりボトムズ、みてえな。
華は無いけど実力はある、みたいな。
セミなんか幾らでも取ってられたのに、あ、俺もうセミ、ダメかな?って思う時が来るんだよな。
あのジイジイ鳴いてるとこを背中から
ひょっ
と掴むだけの事なんだけど、手が動かない。あれはなんなんだろうな。
そういえば私が小さい頃はミンミンゼミなんていなくてさ。
みーーーーんみんみんみんみーーーーー
っていうあれ。
旅行で長野かどっかに行った時に初めて聞いて感動したのを覚えてるもん。
ああ、これがテレビでセミの鳴き声といえばって感じで流れるあれか!って。
それが今フツーにその辺でも聞こえてくるから、セミもお引越しをしてるのかね。
ただ!色々あげてきたけど、私が一番心を奪われ、命を奪ってきた虫。
それは
ミミズ
である。もう本当に来世ミミズになるのだけはご勘弁を…そのぶん、あれからミミズについて調べたりして、ミミズのすばらしさ、働き者っぷりを学びました。
小学校の片隅にちょっとした森ゾーンみてえのがあって、そこの腐葉土だとかデカい石をどけるといくらでもいたミミズ。飼育小屋のニワトリが食うからってんで乱獲されたミミズ。
散々ぱら捕まえては食わせていたミミズ。
で、こいつは一体なんなんだ、と調べてみると面白い。
土の中を這いずり回るときに口から土を食べてケツから出していくのだけれど、その時にミミズによって土が耕されるためその土地にミミズがいるかいないかで実は地面の栄養価が全然違うのだそうな。それも一匹で相当の面積を耕せるというお役立ちっぷり。
エイミィ・ステュワートという人が書いた「ミミズの話」という本がある。いまだに我が家のどっかにある。とても面白い。ダーウィンも生涯最後の研究テーマに選んだのはミミズだった、とも書かれている。もう何年も前の本だけど今読んでも面白いと思う。物置を探してみよう。
今日は苦手な人には虫酸が走るような話で申し訳ない。
虫が好かないと言われてしまうかも知れないな。
まあ、好かれたい人に限って好かれないのは慣れっこだ。
明日もダンゴムシのように生きるとしよう。
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