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第502回。葦毛湿原に行ってみた。
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モウセンゴケを見に。
葦毛湿原ってのは豊橋市の山間にある文字通りの湿原で、ココでしか見られない貴重な動植物が色々ある。小学校とか中学校の頃に遠足で来て、そっから面白いんで何度も足を運んでいる。
足を運ぶと言っても、湿原の中に足が入っちゃうとそこに着いた土とか植物の種とかいろんなものが混じっちゃうと大変なので、湿原の中は細い通路を通ることになる。
で葦毛湿原。漢字の変換が出ない。
もうちょっとわかりやすい、ポップでキャッチな名前にすればいいのに。
ジメジメヶ丘とか、ドロド湿原とか。
ダメか。なんか、ありがたみがねえや。
で葦毛湿原。お目当てのトウカイコモウセンゴケは絶滅危惧種に指定されているもので、ここにはコレのほかにミカワバイケイソウ、ミミカキグサなどがある。ミミカキグサも、今日ちょうど黄色くて可愛い花を咲かせていた。
トウカイモウセンゴケは食虫植物で、もっとこう、熱帯雨林とかアマゾンとかサバンナとか、なんかアフリカとか南米のほうに行かないと無さそうなものが身近に見られるって言うのがいいよな。
ただまあウツボカズラとかハエトリソウみたいなアクティブなものじゃなくて、赤い球状の部分に粘液がついてて、これが溶解液で止まった虫を溶かしちゃうっていうわりと受け身なタイプの食虫植物だ。
なんだろうな、ネチネチ要求はする癖に自分からは何もしない、マゾとエゴをはき違えためんどくせえ男って感じ…うん、違うなあ。そんでそんなめんどくせえ男はホントに巨大なモウセンゴケに取っ捕まって溶ければいいよな。
コウペンちゃんとかいう腐れ毛玉ペンギンもどきを見て癒されるとかぬかしてリツイートしちゃうような男はすべからく食虫植物のエサになれ!!!
ぜー、はー、ぜー、はー…
何の話だっけ。
いま私、湿原っていうか失言のほうをガっと行ったよね。溶かされる前に話を進めようね。
モウセンゴケってのは食虫植物で、湿原に生えてるものだからこの時期が見ごろなのだ。
じめっとしてないとダメなのよ。
決して暗い人間でも、欠陥があるわけでもないけどじっとしてたい人とか、そういう時ってあるじゃん。
だけど「それじゃダメ!もっと希望をもって前を向いて元気よく!!絆絆マジ卍!」みてえなことグイグイ押し付けてくる奴って、ある意味、そっちのがどっか欠陥あるんじゃねえの?って思うよな。
世の中テメエみてえな明るいだけのバカ中心に回ってると思うなよ!!!!!誰しもお前みてえに恵まれてたって死ぬ奴は死ぬしお前だって今すぐ雷落ちりゃ惨めに灰になってくたばるんだよ!!!!!!!
ぜー、はー、ぜー、はー…
で葦毛湿原。
ここは東海のミニ尾瀬と呼ばれてはいるものの、実はその尾瀬などのように長年にわたり植物が堆積ししっかりと水量を蓄えて形成されたものではなく、チャートの岩盤の上に存在するためその岩盤の上を流れてゆく湧き水が少ない時期には、ちょっと枯れちゃったみたいにもなっちゃうのだ。
他とちょっと違うと言われても他の湿原や湿地をしらないので、まあなんとも言えないけども。
この葦毛湿原は県指定天然記念物でもあり、周辺一帯の山々には遊歩道が整備されているため、葦毛湿原の入り口もそのまま赤岩山へつながる豊橋自然歩道の一部になっている。また愛知県の石巻山多米県立自然公園に指定されていることもあって、見学に来る人のほかに山登りに訪れる人も多い。
そして山登りに来る中高年の皆さんは大抵子供に優しい。
というわけで、私が子供のころ、一人で自転車を飛ばしてここで虫やらモウセンゴケやらを見物しているとよく声をかけられた。ガイドのボランティアをやっているおじさんとか、山登りにきた老夫婦とか。
で、立て札や資料なんかも今より少なかったためにそういうおじさんに教わったり、ハイキング老夫婦にお菓子の余ったのをもらったりしていたものだった。
昨日の豊川稲荷の話でも書いたけど、キッドさんのおじいちゃん(豪傑ノリコちゃんの旦那さんのほう)(第465回。ビートのりこ参照)は夜間高校の先生だったので物知りだった。
工業高校の夜間部なので専門はまた別なんだけど、若いころからあちこち旅行に行ったり、郷土史を調べたりするのが趣味だったのでやっぱ学者さん向きの人だったんだろう。
どうしてあんな豪快!豪傑!THE三河のババア!って感じのノリコさんと結婚したんだか今持って不思議だが、当時まだ珍しかった恋愛結婚だったというし…蓼食う虫も好き好きか(ノリコさんが化けて出て怒られろキッド)
でその物知りじいさんに色々教わったこともあって、昔からココが好きなのだ。
最近では各地で、神社や自然を荒らされたり古い建物に落書きが見つかったなどというニュースも見る。
昔から少なくはなかったのだと思う。ただメディアが肥大化して、目につくようになっただけだ。
メディアはニュースに飢えている。アクセスを常に求め続けている。だから、何でもいいからニュースにしたがる。文化財や自然公園への落書きなんて確実に一定数のアクセスがある話題だ。
だから、そのニュースを見たからと言ってどうこう、ではなく。
今まで目立たなかった「よくあること」が可視化されただけだ。
今も昔も、自然を愛する心の豊かな人も居れば、そうじゃない奴も居る。
同じ人間だとか、同じ心を持っているとは思わないでもいい。
自分が、自分の大切なものを、優しく見つめ続けていく。そのための環境づくりに、ちょっとしたお手伝いをしたり、何かの手助けに慣れれば幸いぐらいで。
たとえばこの葦毛湿原だって大変にデリケートな場所、デリケートゾーンなので(怒られろ)あるからして、下手な手出しをせず、整備や調査をしてくれている皆様のお邪魔にならないように行儀よく見学させて頂ければ、それだけでも十分なのではないかと思うのである。
せっかく身近にこんな素晴らしい場所があるのだから、ずっと残っていって欲しいと思うし、それがとても難しくて、だからこそ凄いことなんだよ、ということの実感も含めて。
自然って素晴らしい。でも、その素晴らしさを受け止める豊かさを、自分自身から失わないようにしたいね。
葦毛湿原ってのは豊橋市の山間にある文字通りの湿原で、ココでしか見られない貴重な動植物が色々ある。小学校とか中学校の頃に遠足で来て、そっから面白いんで何度も足を運んでいる。
足を運ぶと言っても、湿原の中に足が入っちゃうとそこに着いた土とか植物の種とかいろんなものが混じっちゃうと大変なので、湿原の中は細い通路を通ることになる。
で葦毛湿原。漢字の変換が出ない。
もうちょっとわかりやすい、ポップでキャッチな名前にすればいいのに。
ジメジメヶ丘とか、ドロド湿原とか。
ダメか。なんか、ありがたみがねえや。
で葦毛湿原。お目当てのトウカイコモウセンゴケは絶滅危惧種に指定されているもので、ここにはコレのほかにミカワバイケイソウ、ミミカキグサなどがある。ミミカキグサも、今日ちょうど黄色くて可愛い花を咲かせていた。
トウカイモウセンゴケは食虫植物で、もっとこう、熱帯雨林とかアマゾンとかサバンナとか、なんかアフリカとか南米のほうに行かないと無さそうなものが身近に見られるって言うのがいいよな。
ただまあウツボカズラとかハエトリソウみたいなアクティブなものじゃなくて、赤い球状の部分に粘液がついてて、これが溶解液で止まった虫を溶かしちゃうっていうわりと受け身なタイプの食虫植物だ。
なんだろうな、ネチネチ要求はする癖に自分からは何もしない、マゾとエゴをはき違えためんどくせえ男って感じ…うん、違うなあ。そんでそんなめんどくせえ男はホントに巨大なモウセンゴケに取っ捕まって溶ければいいよな。
コウペンちゃんとかいう腐れ毛玉ペンギンもどきを見て癒されるとかぬかしてリツイートしちゃうような男はすべからく食虫植物のエサになれ!!!
ぜー、はー、ぜー、はー…
何の話だっけ。
いま私、湿原っていうか失言のほうをガっと行ったよね。溶かされる前に話を進めようね。
モウセンゴケってのは食虫植物で、湿原に生えてるものだからこの時期が見ごろなのだ。
じめっとしてないとダメなのよ。
決して暗い人間でも、欠陥があるわけでもないけどじっとしてたい人とか、そういう時ってあるじゃん。
だけど「それじゃダメ!もっと希望をもって前を向いて元気よく!!絆絆マジ卍!」みてえなことグイグイ押し付けてくる奴って、ある意味、そっちのがどっか欠陥あるんじゃねえの?って思うよな。
世の中テメエみてえな明るいだけのバカ中心に回ってると思うなよ!!!!!誰しもお前みてえに恵まれてたって死ぬ奴は死ぬしお前だって今すぐ雷落ちりゃ惨めに灰になってくたばるんだよ!!!!!!!
ぜー、はー、ぜー、はー…
で葦毛湿原。
ここは東海のミニ尾瀬と呼ばれてはいるものの、実はその尾瀬などのように長年にわたり植物が堆積ししっかりと水量を蓄えて形成されたものではなく、チャートの岩盤の上に存在するためその岩盤の上を流れてゆく湧き水が少ない時期には、ちょっと枯れちゃったみたいにもなっちゃうのだ。
他とちょっと違うと言われても他の湿原や湿地をしらないので、まあなんとも言えないけども。
この葦毛湿原は県指定天然記念物でもあり、周辺一帯の山々には遊歩道が整備されているため、葦毛湿原の入り口もそのまま赤岩山へつながる豊橋自然歩道の一部になっている。また愛知県の石巻山多米県立自然公園に指定されていることもあって、見学に来る人のほかに山登りに訪れる人も多い。
そして山登りに来る中高年の皆さんは大抵子供に優しい。
というわけで、私が子供のころ、一人で自転車を飛ばしてここで虫やらモウセンゴケやらを見物しているとよく声をかけられた。ガイドのボランティアをやっているおじさんとか、山登りにきた老夫婦とか。
で、立て札や資料なんかも今より少なかったためにそういうおじさんに教わったり、ハイキング老夫婦にお菓子の余ったのをもらったりしていたものだった。
昨日の豊川稲荷の話でも書いたけど、キッドさんのおじいちゃん(豪傑ノリコちゃんの旦那さんのほう)(第465回。ビートのりこ参照)は夜間高校の先生だったので物知りだった。
工業高校の夜間部なので専門はまた別なんだけど、若いころからあちこち旅行に行ったり、郷土史を調べたりするのが趣味だったのでやっぱ学者さん向きの人だったんだろう。
どうしてあんな豪快!豪傑!THE三河のババア!って感じのノリコさんと結婚したんだか今持って不思議だが、当時まだ珍しかった恋愛結婚だったというし…蓼食う虫も好き好きか(ノリコさんが化けて出て怒られろキッド)
でその物知りじいさんに色々教わったこともあって、昔からココが好きなのだ。
最近では各地で、神社や自然を荒らされたり古い建物に落書きが見つかったなどというニュースも見る。
昔から少なくはなかったのだと思う。ただメディアが肥大化して、目につくようになっただけだ。
メディアはニュースに飢えている。アクセスを常に求め続けている。だから、何でもいいからニュースにしたがる。文化財や自然公園への落書きなんて確実に一定数のアクセスがある話題だ。
だから、そのニュースを見たからと言ってどうこう、ではなく。
今まで目立たなかった「よくあること」が可視化されただけだ。
今も昔も、自然を愛する心の豊かな人も居れば、そうじゃない奴も居る。
同じ人間だとか、同じ心を持っているとは思わないでもいい。
自分が、自分の大切なものを、優しく見つめ続けていく。そのための環境づくりに、ちょっとしたお手伝いをしたり、何かの手助けに慣れれば幸いぐらいで。
たとえばこの葦毛湿原だって大変にデリケートな場所、デリケートゾーンなので(怒られろ)あるからして、下手な手出しをせず、整備や調査をしてくれている皆様のお邪魔にならないように行儀よく見学させて頂ければ、それだけでも十分なのではないかと思うのである。
せっかく身近にこんな素晴らしい場所があるのだから、ずっと残っていって欲しいと思うし、それがとても難しくて、だからこそ凄いことなんだよ、ということの実感も含めて。
自然って素晴らしい。でも、その素晴らしさを受け止める豊かさを、自分自身から失わないようにしたいね。
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