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第345回。オレンヂジュスーとコーラーの追憶
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氷オレンヂ、ってのもあった。
かき氷に缶詰のみかんがかけてあるの。
じゃあ氷みかん、じゃないか!と思うのだが、なぜかそこは
オレンヂ
とメニュー、いやお品書きに書かれていたあの頃。
25年ぐらい前までは、そんな駄菓子屋や甘味店がそこかしこにあった。
今じゃ「残ってる」なんて言い方をされるぐらい、少なくなってしまった。
フードコートとか、居酒屋にもよくあるんだけどさ、あの古臭い感じだけを真似した外装とか内装のお店あるじゃん。なつかし横丁、とか言ってさ。
ああいうのは違うんだよな。長年の積み重なりが醸し出してる黒ずみやひび割れじゃなく、それっぽい模様の壁紙が貼ってあったりするのって、どうなん?
わざとじゃなく、単純に古いまま直せなくてあのままのお店で美味しくて愛想よくて楽しく過ごせるのが一番だけどさ。別にどこでも同じようなものが同じ値段で出てくるんだから、ホントに、あれってどうなんだと思う。行きたきゃ行けばいいだけの話なんだろうけど。
美味しくて安いんだけど、あの手合いの店構えだと弱っちゃうよな。あの雰囲気というかハリボテの昭和も込みでの評価になるじゃん。それは違うんだよなーって。
何に固執してるんだか。
そんなわけで、ホンモノの懐かしさっていつの間にか変わってくよね。
懐かしいもの、懐かしかったもの、その元本がなくなっちゃって、懐かしいという感覚・懐かしさの概念だけが残ってく。
木造建築で煤けてて、古臭いフォントの看板とかポスターが貼ってあって。っていう。
なんだろうな、21世紀になっても古い家は残ってて風情があったりするけど、その家をホンモノを見るか、三丁目の夕日で見るか、の違いっていうか。
私が小学生の頃よく行ってたお店が、そういうホンモノの懐かしいお店だった。
だった、っていうか、今でも代替わりして元気に営業中だ。
ただ原料の高騰が続いているせいか、むかーしは60円だったか70円だった巴(ともえ)焼きっていう丸っこい大判焼きが、ついにこないだ100円になってた。
この社会、どうなってやがる!これでいいのかにっぽん!!
なんていうとメンドクサいことになるので、ほんと、懐と大判焼きぐらいはあったかくしておきたいものですネ、と。
そのお店はソフトクリームを頼むと、これまた昔ながらのマシーンでぐにゅーっと巻いてくれる。
一番小さいサイズが100円、大は150円だったかな。結構なサイズのが出てくる。
昔は中130円ってのもあったと思う。
味はバニラ、それ以外の何か、そのミックスの3つ。
バニラ以外はイチゴだったりチョコだったり、ごくまれにブルーベリーなんて洒落たのもあった。
これがまた美味しいんだ。
味が濃くて舐めてもしっかり質量を感じる。
濃厚なミルクのソフトクリームにバニラの香りが付いている、って感じ。
一応バニラと書いてはあるけど、バニラってよりミルクって書いて売ってもいいと思う。
よく観光地でもないけど、それなりに人のいるところには必ず置いてあるスジャータのソフトクリームあるじゃん。いろんな味があって楽しいやつ。
あれのバニラは、匂いが濃いんだよ。
でも、ここのは味が濃くて匂いがふわり、とするぐらい。
スジャータのは、なんかちょっと変わった味のを食べたくなるよな。
よく食べてたのは杏仁豆腐味だったけど、あれも中華街でもっと濃いのを食ってしまってからは買わなくなったなあ。
あくまでどこでも食べられるように、っていうものと、そこじゃないと食えない、ってのが完全に別物だとわからないと、今の世の中で何を食っても値段の安さや量の多さ、得か損かの話にしかならないんだろうな。
そのお店、今更だけど甘党トキワさんっていうんだけど、そのトキワさんは店内で食べていくことも出来る。夏はかき氷もあるし、一年通してお好み焼きとか焼きそばも食べられたはず。
もちろん買ったばかりの巴焼きやソフトクリームも。
イートイン、なんていうと今風だけど、そこは昔ながらのお店。
クロスを敷いたテーブルに丸椅子である。
高いところにテレビが置いてあって、ちょっと黄ばんだマンガとか、取っ手のところに栓抜きが付いてるコカ・コーラの冷蔵庫もある。
でお品書きには
オレンヂジュスー
コーラー
氷オレンヂ
などと書かれている。
昔からあるお店で、昔から美味しいので今でも結構人気がある。
私の住んでる近所では誰でも何度でも足を運んでいるはずのお店。
そういうお店が古びて、味が出てくるのはイイと思う。
お店が儲かって、代替わりもして、味や雰囲気の良さは受け継がれても、お店自体は新しく便利になっていってくれるのも、当然いいと思う。
残るも残らないも、こっちにはどうにもならないんだし。
見た目だけ古臭いお店を作ってそこ行くぐらいなら、前からずっとあるお店にフラっと行ってみるといいんじゃないかな。
まあ、古くてなぜか潰れてないってだけの店もあるかもしれないけど。
そういうのも行ってみて、どうだったかまた書けばいいんだし。私みたいなアマチュア生き恥芸人は。
まあ居酒屋行きたい気分の時に甘党のお店ってわけにもいかないけど、なつかし横丁、であこぎな駄菓子とガチャガチャ回すぐらいなら、その辺の駄菓子屋さんとか行った方が得るものは多そうだと思うな。
模造品と天然の産物の違いを比べて片方を貶めることは本意じゃないけど、違いがあるってことだけはわかったうえで楽しめるようになりたい。
かき氷に缶詰のみかんがかけてあるの。
じゃあ氷みかん、じゃないか!と思うのだが、なぜかそこは
オレンヂ
とメニュー、いやお品書きに書かれていたあの頃。
25年ぐらい前までは、そんな駄菓子屋や甘味店がそこかしこにあった。
今じゃ「残ってる」なんて言い方をされるぐらい、少なくなってしまった。
フードコートとか、居酒屋にもよくあるんだけどさ、あの古臭い感じだけを真似した外装とか内装のお店あるじゃん。なつかし横丁、とか言ってさ。
ああいうのは違うんだよな。長年の積み重なりが醸し出してる黒ずみやひび割れじゃなく、それっぽい模様の壁紙が貼ってあったりするのって、どうなん?
わざとじゃなく、単純に古いまま直せなくてあのままのお店で美味しくて愛想よくて楽しく過ごせるのが一番だけどさ。別にどこでも同じようなものが同じ値段で出てくるんだから、ホントに、あれってどうなんだと思う。行きたきゃ行けばいいだけの話なんだろうけど。
美味しくて安いんだけど、あの手合いの店構えだと弱っちゃうよな。あの雰囲気というかハリボテの昭和も込みでの評価になるじゃん。それは違うんだよなーって。
何に固執してるんだか。
そんなわけで、ホンモノの懐かしさっていつの間にか変わってくよね。
懐かしいもの、懐かしかったもの、その元本がなくなっちゃって、懐かしいという感覚・懐かしさの概念だけが残ってく。
木造建築で煤けてて、古臭いフォントの看板とかポスターが貼ってあって。っていう。
なんだろうな、21世紀になっても古い家は残ってて風情があったりするけど、その家をホンモノを見るか、三丁目の夕日で見るか、の違いっていうか。
私が小学生の頃よく行ってたお店が、そういうホンモノの懐かしいお店だった。
だった、っていうか、今でも代替わりして元気に営業中だ。
ただ原料の高騰が続いているせいか、むかーしは60円だったか70円だった巴(ともえ)焼きっていう丸っこい大判焼きが、ついにこないだ100円になってた。
この社会、どうなってやがる!これでいいのかにっぽん!!
なんていうとメンドクサいことになるので、ほんと、懐と大判焼きぐらいはあったかくしておきたいものですネ、と。
そのお店はソフトクリームを頼むと、これまた昔ながらのマシーンでぐにゅーっと巻いてくれる。
一番小さいサイズが100円、大は150円だったかな。結構なサイズのが出てくる。
昔は中130円ってのもあったと思う。
味はバニラ、それ以外の何か、そのミックスの3つ。
バニラ以外はイチゴだったりチョコだったり、ごくまれにブルーベリーなんて洒落たのもあった。
これがまた美味しいんだ。
味が濃くて舐めてもしっかり質量を感じる。
濃厚なミルクのソフトクリームにバニラの香りが付いている、って感じ。
一応バニラと書いてはあるけど、バニラってよりミルクって書いて売ってもいいと思う。
よく観光地でもないけど、それなりに人のいるところには必ず置いてあるスジャータのソフトクリームあるじゃん。いろんな味があって楽しいやつ。
あれのバニラは、匂いが濃いんだよ。
でも、ここのは味が濃くて匂いがふわり、とするぐらい。
スジャータのは、なんかちょっと変わった味のを食べたくなるよな。
よく食べてたのは杏仁豆腐味だったけど、あれも中華街でもっと濃いのを食ってしまってからは買わなくなったなあ。
あくまでどこでも食べられるように、っていうものと、そこじゃないと食えない、ってのが完全に別物だとわからないと、今の世の中で何を食っても値段の安さや量の多さ、得か損かの話にしかならないんだろうな。
そのお店、今更だけど甘党トキワさんっていうんだけど、そのトキワさんは店内で食べていくことも出来る。夏はかき氷もあるし、一年通してお好み焼きとか焼きそばも食べられたはず。
もちろん買ったばかりの巴焼きやソフトクリームも。
イートイン、なんていうと今風だけど、そこは昔ながらのお店。
クロスを敷いたテーブルに丸椅子である。
高いところにテレビが置いてあって、ちょっと黄ばんだマンガとか、取っ手のところに栓抜きが付いてるコカ・コーラの冷蔵庫もある。
でお品書きには
オレンヂジュスー
コーラー
氷オレンヂ
などと書かれている。
昔からあるお店で、昔から美味しいので今でも結構人気がある。
私の住んでる近所では誰でも何度でも足を運んでいるはずのお店。
そういうお店が古びて、味が出てくるのはイイと思う。
お店が儲かって、代替わりもして、味や雰囲気の良さは受け継がれても、お店自体は新しく便利になっていってくれるのも、当然いいと思う。
残るも残らないも、こっちにはどうにもならないんだし。
見た目だけ古臭いお店を作ってそこ行くぐらいなら、前からずっとあるお店にフラっと行ってみるといいんじゃないかな。
まあ、古くてなぜか潰れてないってだけの店もあるかもしれないけど。
そういうのも行ってみて、どうだったかまた書けばいいんだし。私みたいなアマチュア生き恥芸人は。
まあ居酒屋行きたい気分の時に甘党のお店ってわけにもいかないけど、なつかし横丁、であこぎな駄菓子とガチャガチャ回すぐらいなら、その辺の駄菓子屋さんとか行った方が得るものは多そうだと思うな。
模造品と天然の産物の違いを比べて片方を貶めることは本意じゃないけど、違いがあるってことだけはわかったうえで楽しめるようになりたい。
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